最近、あまり日本の路上で見かける機会が減ってきたクルマの多くの向かう先はというと、ひっそりとスクラップ工場に集められたり、人里離れた草むらや広場に放置されて・・・という光景を思い浮かべるかもしれない。
その事実に変わりはない一方で、海外に活路を見出し、第二の人生を送っているケースも少なくない。
クルマはやっぱりMT! 100万円以下で買える中古MTスポーツカー10選
日本における平均使用年数とは? そして、海外に活路を見出した日本車を7台ピックアップして紹介する。
文/松村透
写真/トヨタ、日産、ホンダ、三菱、マツダ、スバル、スズキ、Adobe Stock(akiyoko、Zsolt Biczó、puckillustrations)
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■JDMとは?
ジョルジェット・ジウジアーロが率いる「イタルデザイン社」が手がけたプロトタイプがデザインのベースとなっていることも当時話題となった初代アリスト
クルマ関連の記事で「JDM」というキーワードを目にしたことがあるかもしれない。
JDMとは「Japanese domestic market」の頭文字を取った略語だ。直訳すると「日本国内市場」ということになる。それが転じて、海外では日本仕様に近い(あるいは準じた)カスタムを総称して「JDM」という呼称が浸透しているようだ。
セルシオのフロントグリルに装着されたトヨタのエンブレムをレクサスに交換するユーザーも存在した(画像は左ハンドル仕様のレクサスLS)
一昔前なら、日本人のユーザーがトヨタのエンブレムをレクサスに、日産をインフィニティ、そしてホンダをアキュラに「わざわざ」交換したことと逆のパターンが起こっているわけだ。
つまり、オリジナル(日本仕様)に近いほど現地では珍重され、賞賛の声が集まる。
かつて、日本国内で左ハンドル仕様のレクサスLS(初代セルシオ)や、ミアータMX-5(ユーノスロードスター)を路上で見かけて「おおおおっ!珍しい」と声を挙げた感覚の逆バージョンそのものといえる。
一見するとユーノスロードスター、しかし左ハンドル仕様のミアータMX-5
それなりのキャリアを持つクルマ好きにはピンとこないかもしれないが、日本の路上を走っていたクルマそのものが外国の人たちの憧れになっている現実がある。まさに隔世の感といえるだろう。
■日本におけるクルマの平均生涯は13.87年
令和3年3月末の乗用車(軽自動車を除く)の平均使用年数は13.87年だという(出典:一般財団法人 自動車検査登録情報協会)
令和3年3月末の乗用車(軽自動車を除く)の平均使用年数※は13.87年となり、前年に比べ0.36年長期化し、6年連続の増加で過去最高となった(出典:一般財団法人 自動車検査登録情報協会)。
このデータは、国内で新規(新車)登録されてから抹消登録するまでの平均年数を算出している。ただし、減少台数には一時抹消も含まれるため、自動車が完全にスクラップされるまでの期間とは若干異なる。
一概にはいえないが、新規登録されてから平均で約14年間、日本の路上を走っているという指標になるだろう。
これを長いと感じるか、短いと思うかは人それぞれだと思う。これはあくまでも仮説だが、オーナーが毎年納税しているであろう自動車税が、初年度登録から13年を超えると15%増税されることが関係している可能性も否定できない。
参考までに「自動車税種別割月割税率表(自家用)」を表にまとめてみた。
・令和元年10月1日以後初回新規登録
・令和元年9月30日以前初回新規登録
・新規登録から13年以上経過(15%課税)
新規登録から13年以上経過しただけで毎年5千円~1万円前後の出費が増えることになる。決して安い出費ではない
排気量によって異なるが、新規登録から13年以上経過しただけで毎年5千円~1万円前後の出費が増えることになるのだ。
■アメリカで輝きを取り戻した日本車7選
最近、日本の路上で見かける機会が減った日本車のなかには、生まれ故郷を離れ、海外へと旅立っていった個体も少なくない。
もちろん、現在においても日本国内で大切に保管しているオーナーも少なくないはずだ。そこで日本で不発でも米国で大ブレイクして高騰しているJDMを中心に紹介していきたい。
初代アリスト。アメリカでは200万円オーバーの価格で取引されるケースも少なくないようだ
■トヨタアリスト
・販売時期:1991年10月
・エンジン:直列6気筒DOHC、直列6気筒DOHCツインターボ、V型8気筒DOHC
・排気量:2997cc、3968cc
・最高出力/最大トルク:230ps/29kgm、280ps/44kgm、260ps/36kgm
・発売時の価格帯:344万円~533万円
・アメリカでの参考価格:19,995ドル(約227万8,373円)
コノリーレザー仕様のグレードも存在したプレジデント
■日産プレジデント
・販売時期:1990年10月
・エンジン:V型8気筒DOHC
・排気量:4494cc
・最高出力/最大トルク:270ps/40.2kgm
・発売時の価格帯:597万円~925万円
・アメリカでの参考価格:10,991ドル(約125万2,393円)
CMにはアイルトン・セナが起用されたプレリュード
■ホンダプレリュード
・販売時期:1991年9月
・エンジン:直列4気筒DOHC
・排気量:2156cc
・最高出力/最大トルク:200ps/22.3kgm
・発売時の価格帯:188.6万円~258.8万円
・アメリカでの参考価格:9,999ドル(約113万9,357円)
一部マニアには「スペギ」などと呼ばれ、いまだに愛好家が多いデリカスペースギア
■三菱デリカスペースギア
・販売時期:1994年5月
・エンジン:直列4気筒SOHC、直列4気筒SOHCディーゼルターボ、V型6気筒SOHC
・排気量:2350cc、2476cc、2835cc、2972cc
・最高出力/最大トルク:145ps/21kgm、105ps/24.5kgm、125ps/30kgm、185ps/27kgm
・発売時の価格帯:266.7万円~367.5万円
・アメリカでの参考価格:9,805ドル(約111万8,016円)
オートフリートップ仕様が話題となったボンゴフレンディ。お子さんに「このクルマ買って!」とおねだりされたお父さんも少なくなかったとか
■マツダボンゴフレンディ
・販売時期:1995年6月
・エンジン:直列4気筒SOHC、直列4気筒SOHCディーゼルターボ
・排気量:1998cc、2499cc
・最高出力/最大トルク:105ps/16.2kgm、125ps/30kgm
・発売時の価格帯:180.4万円~357.1万円
・アメリカでの参考価格:9,636ドル(約109万8,746円)
ツーリングワゴン全盛期だった時代ゆえ、地味な存在だったレガシィセダン
■スバルレガシィセダン
・販売時期:1993年10月
・エンジン:水平方向4気筒SOHC、水平方向4気筒DOHC、水平方向4気筒DOHCターボ
・排気量:1820cc、1994cc、2457cc
・最高出力/最大トルク:115ps/15.7kgm、125ps/17.5kgm、150ps/18.5kgm、250ps/31.5kgm、160ps/21.5kgm
・発売時の価格帯:150.5万円~279.8万円
・アメリカでの参考価格:12,688ドル(約144万5,761円)
まさに「カッ飛んでいく」フィーリングが魅力的なアルトワークス。外国人も魅了するのか!?
■スズキアルトワークス
・販売時期:1988年9月
・エンジン:直列3気筒SOHCターボ
・排気量:657cc
・最高出力/最大トルク:61ps/9.2kgm
・発売時の価格帯:99.1万円~111.7万円
・アメリカでの参考価格:9,750ドル(約111万985円)
※アルトワークスは日本で不人気ではありませんでしたがアメリカでは現在人気沸騰中とのことで掲載しました
ここに挙げた各モデルの価格はレートを含めてあくまでも参考値だ(2021年10月31日現在のレートで計算)。「ピンキリ」という点においては日本市場と変わりない。
さすがに日本市場で売られている価格帯よりも割高に感じるのは、輸送費用やその他もろもろの諸経費を乗せると致し方ないだろう。少なくとも、クルマとして改めてその価値が見いだされ、大切にされる可能性もある。
もちろん、ここに挙げきれなかった日本車も数多く存在する。
「そういえば最近見かけなくなったな。程度のよい個体が選べるうちに手に入れておこうか・・・」と思案する頃には、周囲も同じことを考えているか、すでに行動に移している可能性が高い。
こうして国内外で需要過多による争奪戦がはじまり、結果として相場が上昇していくことが考えられる。
■結論:日本で朽ち果てるより海外で大切にされるのは「アリ」なのか?
どんなクルマにも「ピカピカの新車」だった瞬間が必ずある!
日本で朽ち果てるより海外で大切にされるのは「アリ」なのか? と問われたら「アリ」だと答えたい。
昨今の旧車およびネオクラシックカーの高騰に頭を悩ませているユーザーが多いことだろう。とはいえ、相対的に古いクルマが値上がりしているわけではない。
一部のスポーツカーや限定車など、多少の例外があるにせよ趣味性の高いクルマが中心だ。
ファミリーカーを中心にどれほど走行距離が短くとも、ワンオーナー車でガレージ保管だったとしても、需要がなければ「価値なし」の評価が下されてしまう。
その先にあるのは部品取り車としてドナー提供されるか、スクラップか・・・。いずれにしてもクルマとしての役目を完全に終える運命が待ち受けている。
生産されたほとんどのクルマはいつか解体される運命にある。機械である以上、仕方ないといばそれまでだが・・・
しかし、日本ではいつの間にか見向きもされなかった日本車が、海外で珍重され、現地の多くのクルマ好きを魅了している現状がある。
片道切符で生まれ故郷の日本を離れ、おそらくは2度と帰ってくることはないだろうが、まさに第二の人生(車生というべきか)のスタートだ。
製廃や欠品などで苦労している旧車およびネオクラシックカーのオーナーは数多いだろう。
日本から海外へと旅立っていった日本車が、現地で延命するべく独自に部品が生産され、逆輸入という形で日本国内のユーザーが恩恵を受ける可能性にも期待したいところだ。
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