タフト/ハスラー そもそもコンセプトが違う
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】「ギア感」あふれる日本車 実はたくさん 5選【比べる】 全65枚
ダイハツが今年(2020年)6月発売予定の、軽クロスオーバーSUV「タフト」の先行予約を4月1日から開始した。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、日本に限らず世界中の人々が将来に不安を感じている中、ネット上ではタフト人気が急上昇。人々に、ひと時の安らぎを与えているように思える。
では、実際にタフトはどうのような人が購入するのか?
ターゲットユーザー、その1は、スズキ・ハスラーからの乗り換えだ。ただし、ダイハツの狙いは、あくまでもハスラーユーザーの一部だと考えられる。
理由は、外観デザインでの大きな違い。
タフトは、ボンネットから上の部分を指すデザイン用語、上屋(うわや)が上下方向に狭い。デザインイメージとしては、ハスラーというより、ジムニーに近い。
ボディ寸法は、タフトとハスラーは全長(3395mm)と全幅(1475mm)で同値だが、全高はタフトが50mmも低い。
こうしたデザインからわかるように、タフトは後席について居住性よりも荷室としての機能性を重視している。
東京オートサロン2020でダイハツ関係者も「タフトは後席を荷室として活用することを念頭に、ひとりから二人乗りを想定」と説明している。
そのため、ハスラーユーザーのなかで、ファミリー層からタフトへのシフトは無理ではないが、ちょっと難しい。
サイズ違えど 「FJクルーザー」との共通項
ハスラーがタフトの直接ライバルではないと考えた上で、想定できるライバルを日本車の中から探してみた。
目に留まったのが、トヨタ「FJクルーザー」だ。
FJクルーザーはいま(2020年)から14年前の2006年に日本国内生産と北米販売が始まり、日本仕様が2010年から発売された。
ハイランダーをベースとしたV6排気量4000ccのデザインコンシャスなクロスオーバーSUVだ。
生産中止後も世界各地で人気が高く、日本でも中古価格は本格派四駆「ランドクルーザー」同様に高値で推移している。
筆者(桃田健史)はFJクルーザーがアメリカで発売されて間もない頃、全米各地で様々なアメリカンSUVとFJクルーザーの比較試乗をした。
その中で、改めて認識したことがる。FJクルーザーは、ハマー「H3」の存在を強く意識して市場投入されたクルマ、という点だった。
FJクルーザーもH3も、共通キーワードは「ギア感」の「デフォルメ」だ。
ギア感とは、アウトドアスポーツやキャンプなどプロフェッショナルが使う機能性に優れた本物志向アイテムをイメージすることを指す。
これをデフォルメ(強調して演出)する。
こうしたデザインの量産は近年、ほとんどお目にかからない。
いっぽう、コンセプトモデルでは、トヨタ「Tjクルーザー」があった……。
なぜ消えた? 「Tjクルーザー」量産計画
名称からも、ギア感が強い外観デザインからも、FJクルーザーを連想させたコンセプトモデル「Tjクルーザー」。登場したのは、東京モーターショー2017だ。
全長×全幅×全高=4300mm×1775mm×1620mm、ホイールベース2750mmで、パワートレインは2.0Lクラスのハイブリッド。駆動方式はFFとAWD。
こうした数値から見て、多くのメディアが当時販売台数が伸びていた「C-HR」の派生モデルとして量産確定という認識を持った。
2020年2月頃まで、ネット上では2020年中の発売確定というノリで情報が巡っていた。
だが、2月後半になり、自動車メディア大手が読者に対して、Tjクルーザー量産化は誤報として陳謝する異例の対応したことをきっかけに、ユーザーの間でもTjクルーザーは幻のクルマとなった。
トヨタのSUVは「RAV4」と、ダイハツとの共同開発の「ライズ(およびロッキー)」が2019年に登場。両モデルが大成功した。
要するに、あるタイミングで、トヨタは総合的なSUV戦略の一部を修正し、Tjクルーザー量産を諦めたと推測できる。
トヨタはSUV戦略がTjクルーザーのようなニッチ市場への挑戦ではなく、SUVの王道を優先したことがわかる。
別の見方をすれば、RAV4とライズ・ロッキーの成功が、タフト量産を大きく後押ししたと言える。
予想 ダイハツ・タフトは何台売れるのか?
では、6月発売予定のタフトは、どの程度の規模感で売れるのだろうか?
ダイハツの過去の実績を見ると、「キャスト」、「ウェイク」、「ムーヴ キャンバス」など軽の派生モデルの月販目標台数は、5000台が相場だ。初期受注がその約4倍、という流れがある。
「タント」派生車のタフトでも、月販目標台数5000台というのが妥当なところだろう。
多くのメディアがタフトのライバルとするハスラー。スズキは2019年12月に、月販目標台数6000台としたが、発表記者会見で参加した記者から「6000台という数字は、かなり消極的ではないか」と言われた。
実際には、2020年1月が5534台、2月が5809台、直近の3月は期末需要で1万372台と伸びた。
一方、タントは、過去3か月の台数は、1万2332台、1万4496台、1万7370台と安定している。
その他、モデル後期のキャストは2000台代、ウェイクは1000台代に留まっている。
タフトは、発売数カ月間の新車効果の後、4000~5000台キープと見るのが現実的ではないだろうか。
ただし、ダイハツ本社がある大阪府を含め、4月7日の緊急事態宣言の発令で、タフトの生産と販売が大幅に遅れる可能性は高いと思われる。
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