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【スーパーカー黄金時代】フェラーリF40、ホンダNSX、イズデラ・インペレーター 前編

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【スーパーカー黄金時代】フェラーリF40、ホンダNSX、イズデラ・インペレーター 前編

世界を動かしたスーパーカー黄金時代

text:Greg Macleman(グレッグ・マクレマン)

【画像】F40、NSX、インペレーターほか 全64枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


スーパーカーの起源にはさまざまな意見があり、話し始めると際限がない。ガルウイングを備えたメルセデス・ベンツ300SLだという人もいれば、ランボルギーニ・ミウラだと主張する人もいるだろう。

イタリアのランボルギーニやフェラーリが、黄金期を主導したことは間違いない。そして年々、スーパーカーの「スーパー」ぶりは加熱していった。

ドイツや日本のブランドからも一端のスーパーカーが投入され、イタリアン・ブランドも黙っていられなかった。これまで以上の、デザインとパフォーマンスが求められた。

そんなヒートアップした時代が生んだスーパーカーは、世界を動かすほどの勢いがあった。少年の部屋にはポスターが貼られ、最高速度の記録が本に刻まれた。

ロードカーとしての頂点を飾った、ランボルギーニ・カウンタックやフェラーリ・テスタロッサ。ラリー界を席巻したフォードRS200や、変わり種のコンスライアーGTPといったマシンも登場。

1980年代は、ビンテージイヤーと呼べる年代だった。スピードやスタイリングが、カリスマ性やブランドを醸成した。

今回は1980年から1990年にかけて登場したスーパーカーの中から、8台をご紹介しよう。都合により、カウンタックとテスタロッサは含まれていない。ご了承いただきたい。

フェラーリF40

1987年に誕生したフェラーリF40ほど、最高の誕生日プレゼントはないだろう。マラネロの創設40周年を記念して作られた、エンツォ・フェラーリ自らが関与した最後のモデル。288GTOの後継車ともいえる。

1990年代を先取りした技術を多用するポルシェ959とは異なり、どちらかといえば1970年代の、旧来的な技術で成り立っている。設計を進めたのは、レース界での経験豊富なニコラ・マテラッツィだった。

当初から、生々しく直感的なマシンが目指されていた。フェラーリはソフトでラグジュアリーになったと批判する人々へ、サーキット生まれの美声で答えた。

エンジンは288GTO譲りとなる、インタークーラー・ツインターボのV8。排気量2936ccから、477psと58.7kg-mを絞り出した。前後ダブルウイッシュボーン式のサスペンションも、288GTOが起源。

ボディデザインは、ピニンファリーナ社のレオナルド・フィオラヴァンティとピエトロ・カマルデッラ。ケブラーとアルミニウムを積極的に利用し、車重は1254kgしかない。

0-97km/h加速は4.1秒、最高速度は323km/hに達した。ランボルギーニ・ディアブロの登場まで、一部の少量生産車を除き、量産モデルとしては320km/hを超えた唯一の存在だった。

新技術の見本市的なポルシェ959と比べると、F40はやや時代遅れ。しかし、その純粋さが、F40最大の魅力でもある。

史上最高のスーパーカーの1台として、今も高い評価を集めるフェラーリF40。電子技術や安全デバイスが関与しない、混じりけのないドライビング体験を提供してくれる、最後のフェラーリといえる。

ホンダNSX

本格的な発展に出遅れた日本車だったが、1980年代には性能はソコソコでも、安全で信頼性の高いクルマとして理解されるようになっていた。そこへ1990年に投入されたのが、ホンダNSX。本田宗一郎の、欧州車に匹敵するクルマを作るという願いがあった。

当初は、フェラーリ328のライバルとしてスタート。開発には時間を要し、1989年の東京モーターショーに姿を現した時には、348tbがライバルになっていた。

NSXの成功の鍵は、軽さにある。アルミニウム製モノコックを採用した初の量産モデルで、ダブルウイッシュボーン式のサスペンションは鍛造品だ。

エンジンも素晴らしい。V型12気筒が噂されていたが、実際は先進的な2977ccのツインカムV6。可変バルブタイミング機構を備えた自然吸気で、車重とコスト増を回避するため、ターボは搭載されていない。

コンロッドはチタン製で、内部構造は鍛造。レブリミットは電子的に8300rpmまでに抑えてある。当時の一般道では目にすることがないほどの、高回転域だった。

F-16戦闘機から発想を得たというコクピットのデザインは、視認性に優れ、市街地でも運転しやすい。一方でNSXの性能を考えると、スタイリングは穏やかすぎた。今では、フェラーリ348より良い年のとり方をしているように見える。

NSXは、スーパーカーの設計に静かな革命を起こした。窮屈さや熱さ、実用性や運転のしやすさなどを、我慢する必要がないと証明した。現代のクルマに並ぶ、扱いやすさを備えている唯一の存在といってもいい。

ベクターW8

1970年初頭まで、スーパーカーでアメリカとの血縁が一番濃かったのは、フォード製エンジンを搭載したデ・トマソ・パンテーラだった。だが、1978年にジェラルド・ウィガートがベクターW2コンセプトを発表。話題をさらった。

ウィガートが考案したスーパーカーには、間違いなくイタリアの影響があった。1968年に発表されたアルファ・ロメオ・カラボ・コンセプトに、スタイリングは近似。シザーズドアとオーバーフェンダーを付ければ、ランボルギーニにも見える。

ベクターW2は、生粋のアメリカ生まれ。エンジンは5.7Lのシボレー製V8。ツインターボで過給し、3速ATが組み合わされていた。最高速度は389km/hを主張した。

ボンネビルで華々しく発表されたが、資金難でプロジェクトは中断。W2コンセプトがベクターW8として生産に移されたのは、1989年だった。

10年ほどのブランクの空いたW8だったが、W2から大きな進化を得ていた。エンジンはドラックレースのスペシャリスト、ジョン・ロデックが設計した6.0LのドライサンプV型8気筒を採用。

鍛造製の内部構造と、ギャレット製のターボにより、633psと89.5kg-mを叩き出した。2台のプロトタイプの後、裕福な顧客へ17台が届けられている。

テニスプレーヤーのアンドレ・アガシもオーナーの1人になったが、カーペットから出火。クルマは返却され、信頼性の低さに注目が集まった。さらにカー&ドライバー誌のテスト中、3台が故障。汚名回復には至らなかった。

イズデラ・インペレーター

1970年代の終り、BMWは自社初となるスーパーカー、M1を発表し、世界を驚かせた。しかしメルセデス・ベンツも、エーベルハルト・シュルツの手による最先端なCW311コンセプトを仕込んでいた。

ところがメルセデス・ベンツは手のひらを返し、テスト車両でしかないと主張。シュルツは自らイズデラ社を立ち上げ、スーパーカーの市販を目指した。

インペレーターは、CW311コンセプトと大きな違いはない。チューブラー・スペースフレームのシャシーに、未来的なグラスファイバー製のボディを搭載。ヘッドライトは、オリジナルではリトラクタブル式だったが、フェアリングの付いた固定式へ改められた。

エンジンは、メルセデス・ベンツ製の4973cc V型8気筒。R107型のSLにも積まれるユニットだ。空力的に優れたボディで、最高速度は283km/hに届き、0-97km/h加速を5.0秒でこなした。

さらに、メルセデス・ベンツの量産モデルに高性能エンジンが追加されたことで、イズデラも恩恵を受けパワーアップ。AMG製の32バルブ6.0L V8エンジンにより、最高出力は395psを獲得した。

1984年にインペレーターの生産が始まり、1991年にはフェイスリフト。CW311コンセプトと同じ、リトラクタブル・ヘッドライトに戻っている。

1993年まで、およそ10年間生産が続いたが、売れたのはわずかに30台。それが、メルセデス・ベンツが量産化しなかった、理由の1つだったのかもしれない。

続きは後編にて。

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みんなのコメント

1件
  • 記事の内容はともかく、文章が稚拙。
    よくもまあこんな小学生の作文以下の原稿でギャランティが貰えるなぁ………
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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