ボルボ XC90 プラグインハイブリッド 「ボルボが考えるSUVの最高峰」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
4
走行性能
3
乗り心地
4
積載性
5
燃費
3
価格
2

ボルボが考えるSUVの最高峰

2022.1.17

年式
2016年1月〜モデル
総評
SUVはすでに飽和状態であるともいわれる。とくにXC90のようなボディサイズの大きなSUVのユーザーは、Gクラスやラングラーなどオフロードに特化した方向に視線を向けだした。また、この先はSUVもEV化(メルセデス・ベンツはGクラスのEV、コンセプトEQGを発表)するため、ボルボとしても早々に、フラッグシップSUVのEV化を披露する必要がある。
満足している点
フルサイズのSUV全般に言えることながら、乗り味がゆったりしていることや、高速巡航が楽なことが挙げられる。また、ボルボではこのXC90の時代から縦型タッチパネルによるインフォテイメントにも力を入れてきた。現在、Googleと共同開発したプラットフォームを利用し、さらなる利便性向上を図る。
不満な点
登場から年数が経過したため、デザインに飽きてきたという声も聞かれる。インテリアでは北欧テイストを追いかけ、素材やカラーリングに工夫を凝らしているが、北欧を掲げる以上、ギミックで派手な違いを演出できない。ここが惜しい。せっかくならXC40のようなポップな色合いを導入すれば、また違ったユーザー層から支持されるのではないか。
デザイン

4

2014年に発表されたXC90は、当時全盛だった大型SUVのなかでひときわ洗練されたデザインが特徴だった。そこでのデザイン文法をダウンサイジングしたXC60にも当てはめ、両モデルは世界的なヒット作となる。スポーツモデルのRデザインこそ攻めた外観だが、一転、インテリアは上品な色使いと曲線でうまくまとめられている。
走行性能

3

現在、ガソリンモデルのみの構成でターボ+マイルドハイブリッドと、ターボ/スーパーチャージャー+マイルドハイブリッド、そしてターボ/スーパーチャージャー+プラグインハイブリッドの3タイプ。このうちXC90には前後に駆動モーターを備える電動4WDシステムであるプラグインハイブリッドが似合う。
乗り心地

4

SPAプラットフォームでもっとも大きなボディをもつXC90。SUVであることからホイールストロークが長くとられた。プラグインハイブリッドモデルでは重量配分を考慮して二次バッテリーは車体中央部分に縦置き配置されている。そのため、ハイブリッドモデルにありがちが後輪の突き上げもなく、どんな路面状況でも快適な乗り心地を実現する。
積載性

5

3列目シートを備える大型SUVなので、積載能力に困ることはまずない。分割可倒式(2列目3座独立、3列目2座独立)の座席を倒せば凹みのほぼないフラットな床面が出現する。エアサスペンションの調整機構を使って、後輪サスペンションを降下させることで積み卸しが楽に行える。
燃費

3

ボルボ共通の弱点が燃費性能。かつて存在していたディーゼルエンジンモデルでは、高速巡航での燃費が高く評価されていたが、現時点でのラインアップではプラグインハイブリッドモデルでも13㎞/l台にやっと到達できるかという印象。もっともこのボディサイズなので、そこから考えれば妥当な値ともいえる。
価格

2

ターボモデルの834万円〜プラグインハイブリッドモデルの1139万円まで用意されるが、いずれも高価格帯だ。標準で装備される内容からすれば一概に高いとは言えないものの、ユーザーを選ぶクルマであることは確か。ダウンサイジングされたXC60になれば同じ装備でも200万円弱安価になるため手が届きやすい。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
ボルボ XC90 プラグインハイブリッド 新型・現行モデル

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

※ 掲載しているすべての情報について保証をいたしかねます。新車価格は発売時の価格のため、掲載価格と実際の価格が異なる場合があります。詳細は、メーカーまたは取扱販売店にてお問い合わせください。