トヨタ ハリアーハイブリッド 「「ハリアー」というブランド力を感じさせる4代目」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
5
積載性
3
燃費
5
価格
2

「ハリアー」というブランド力を感じさせる4代目

2022.12.21

年式
2020年6月〜モデル
総評
高級都市型SUVというジャンルを切り開いてきたハリアー。SUVが世界的なトレンドとなっていて、日本市場でもSUVの選択肢が多い現在。先駆者として付けてきたキャラクターが現行モデルで良い意味で開花していると感じる。他の国産SUVと比べても存在感は抜群に感じるし、「ハリアーらしい」という言葉が初代と同じくらい似合うと感じさせるクルマになっている。ハリアーほど指名買いされる国産SUVもないだろう。それくらい独自のブランド力があるモデルだ。
満足している点
快適な移動時間を実現する優れた乗り心地と静粛性、そして車格に似つかない燃費性能などがこのクルマの良いところだろう。しかし、最大の魅力はハリアーというブランド力かもしれない。高級感があってアーバンな景観にマッチするSUVというのはハリアーが切り開いてきたジャンルであり、その先駆者であるがゆえに「ハリアー=高級都会派SUV」の図式は一般にも広く広がっていると感じる。ハリアーというブランド、そしてその車名が持つブランド力に恥じない性能、この2つがあるからこその存在感が良い点だろう。
不満な点
欠点はやはり値段だ。エントリーグレードでも乗り出し400万円となる価格帯となっているのはハードルの高さを感じるし、このクルマのキャラクターを考えれば実質的なグレード選択が最上級グレードになってしまうのも、価格が高く感じるポイントの一つだ。いくらハリアーという車種にブランド力があるからと言って、この価格帯になってくると他の高級ブランドのSUVだって検討車種に入ってくるゾーンになるので、もう少し価格を抑えても満足ができる装備仕様のグレードがあるべきと言える。
デザイン

4

初代モデルは都会派SUVという新たなるジャンルを開拓した先駆者であった。そんな先駆者の最新モデルにふさわしいデザインになっていると感じる。クーペ風なCピラーを始めとした全体的なシルエットは美しく、現在のトレンドを取り入れながら都会派SUVという世界観を見事に体現している。ただ、機能性に絞った話をすれば、少し灯火類の機能美は弱い。他車から見づらかったりするし、一文字デザインをもっと有意義に使える灯火パターンにすれば、より質感の高い印象となるはず。
走行性能

4

元々走行性能には大きな不満はない。重量感とロール感こそあるものの、SUVとしては許容範囲内だと思うし、クルマのキャラクターを考えれば乗り心地とのバランスを上手いところで取っていると感じる。今回の改良でプラグインハイブリッド車が新たに追加されたが、ハイブリッド車よりも優れた胸がすくむような加速性能を実現している点が走行性能での注目ポイントと言えるだろう。
乗り心地

5

初代モデルは高級サルーンなみの乗り心地と機能性を併せ持つモデルとして登場した。その基本的なコンセプトは変わっておらず、現代の水準で現行モデルを見てみるとSUVとしては高いところに位置する優れた乗り心地を実現していると感じる。また、ハイブリットシステムの恩恵によって静粛性が高いのも快適性に大きく寄与しているだろう。日本のオンロードを走ることを考えると、ハリアーハイブリッドは優れた乗り心地と静粛性で快適な移動時間を提供してくれる選択肢であることは間違いない。
積載性

3

ルーフエンドを絞り込んだようなクーペライクなデザインが影響しているためか、ボディサイズが近い他のSUVに比べると少し積載性は劣ると感じる。ただ、通常使う分には十分な面積と容量を持っているので、あまり大きな不満が出ることはないだろう。このクルマが持つ「スペシャリティカー」な要素が表れた結果が、少しだけ狭く感じるラゲッジスペースと言える。
燃費

5

車格を考えればWLTCモード燃費で22.3km/Lという性能は比較的優れていると感じる。どのクラスのクルマでも同じことを感じるが、カタログ燃費というレギュレーションと日本の交通事情の中ではトヨタのハイブリットシステムは本当に優れたシステムだと思わされる。WLTCモードでの燃費性能だけで言えば、プラグインハイブリッドよりも通常のハイブリットシステムの方が優れている。プラグインハイブリッドの魅力はバッテリーのみでの走行が出来るところにあることを覚えておくべき。
価格

2

同じプラットフォームとシステムを使用するRAV4の価格帯を考えると、ハリアーの300強〜500万円という価格帯は割高な印象を抱いてしまう。また、グレード構成も最上級グレードZが中心となってしまうのが、購入のハードルの高さを感じてしまうポイントだ。以前は中間グレードGにもレザーパッケージが用意されていたため、比較的選択肢があると感じられたが、現状レザーパッケージはZのみ。(プラグインハイブリッドは標準で本革)500万近いZのレザーパッケージを選ばないとシートヒーターが装備できないのも、クルマのキャラクターからすると痛手と言える。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
トヨタ ハリアーハイブリッド 新型・現行モデル

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