車のエンジンオイルをエステル系オイルに交換してみようと思っていますが、エステル１００％とコンプレックスエステル間での性能などの違いはどうですか？候補としては１００％のASH、コンプはパワークラスターです

Question

補足

アドバイスありがとうございます。エステルについては当方も多少調べております。当方が今回知りたいのは、１００％エステルのASHと、コンプレックスエステルのパワークラスターでの比較です。試してみないとわからないのは前提だと思われますが、エステル１００％とコンプレックスエステル間での性能の差は何でしょう？ちなみに価格的には、１００％のEスペックASHの方が高値のようです。よろしくお願いします。

Answer 1

補足へ
既に調べてるようですね。
ノーマルエステル、つまりポリオールエステルの最大の欠点は湿気に弱いことです。過水分解して金属石鹸というスラッジが発生します。
対して、コンプレックスエステルは過水分解しにくい分子構造です。
つまり抜群のロングライフ性能があります。
あとは粘度維持性能など細かい差はありますが、この過水分解があるか無いかが大きな差です。





■エステルは、本物の化学合成油です。
モチュールやニューテック、ワコーズもありますね。
エステル自体は化粧品などにも使ってます。


下の人がいっているように、金属との親和性がよいため本来の潤滑特性があります。
つまり長期放置後のドライ起動潤滑性に優れます。


■エステルは石油からは作れません。
石油から作っているのはＰＡＯ（ポリアルファオレフィン）という、モービル１みたいなオイルです。
こちらは、金属との親和性がないためむしろ鉱物油より潤滑性は落ちます（エステル添加剤でドライ性を維持）
つまり、手間のかけた鉱物油部類です。


■コンプレックスエステルは粘度特性のチューニングがしやすいように分子構造を変えてます。最高級オイルです。
ノーマルエステルとコンプレックスエステルとの中間特性として、ダブルエステルという化合物もあります。
ちなみにモチュールオイルは、エステル、ダブルエステル、コンプレックスエステルをラインナップしてます。


■エステルオイル使用の注意
まだ世の中に１００％合成油が浸透してなかった時代の車（ＡＥ９２レビンあたりの時代）へエステルオイルは適用しないです。
ゴムが膨潤（ぼうじゅん）しさらにはオイルにじみが発生し、トラブルが発生します。


■余談ですが、
・石油会社は、石油の副生成物から作るＰＡＯをベースとした合成油を作り、
・潤滑専門メーカーは、エステルを使います（生分解特性があります）
・ベンツ指定潤滑メーカーのフックス社は植物油ベースです（生分解性オイルです）

金属吸着性能からみた潤滑特性では、植物油が一番良いです。次にはエステル、その次が鉱物油です。
昔のレーシングオイル（Ｆ１含む）は、ひまし油などです。２ｓｔバイク用でもひまし油がまだあります。
ホンダのカブはサラダ油でも壊れない丈夫なエンジンといわれてましたが、サラダ油だから壊れないというのが正解です。
モービル１などガソリンスタンド系のオイルはレースでの高温安定性には優れますがドライ性能は悪いので
一般車両向きでありませんね。

質問者からのお礼コメント

ご丁寧かつ、わかりやすい解説ありがとうございます。いちがいに価格の高い方が良いわけではないのですね、参考になりました。

Answer 2

この文献をよむべし⇒⇒⇒⇒⇒⇒『現在ある全化学合成オイルの中でも最高品質とされるオイル。
特徴として、エステルは分子構造上酸素（－）と水素（＋）を分子として持っているため、金属面に吸着するという性質を持っている。
このため極めて強い油膜形成力を有しており、高負荷な状況だけでなくコールドスタート時にもエンジンを保護する事が可能となっている。また化学的にも安定しているため熱の変化にも強い。それに加え複合型エステル(コンプレックスエステル)にすることにより、シールへの攻撃性を防いでいる。
低い摩擦係数、高い保護性能、優れた潤滑性をあわせ持っている、まさに理想的なオイル。
欠点としては、原油からの抽出が難しいことから値段が高価になってしまう事と、加水分解に弱いことから他種のオイルと比べて劣化が早いことが挙げられる。』