スズキ イグニス 「隠れたコストパフォーマンス良好モデル」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

隠れたコストパフォーマンス良好モデル

2023.9.4

年式

2016年2月〜モデル

総評

モデルライフが長く古くなってしまった部分は否めないが、価格面で見ればまだまだ商品力はあると感じる。また、走行性能は良好な印象で、軽量な車重が全体的に良い影響をもたらしている。欠点としてはACCが用意されていないこととラゲッジスペースが狭いことが挙げられるだろう。また、リーズナブルな価格設定ながら選べるボディカラーが多いのは嬉しいポイントだ。

満足している点

クルマとしてのコストパフォーマンスが高いことだろう。パワートレインや各種走行性能、乗り心地などは比較的好印象なのにも関わらず、200万円を普通車で切ってくる価格設定は素晴らしいと感じる。また1トンを優に切る車重は各種性能に良い影響を与えている。スズキは安くて軽いクルマを作るのが本当に上手だと感じる1台だ。

不満な点

モデルライフが長いため少々古さが隠せなくなっている点だろう。運転支援システムもある程度は備わっているが、現代的な目線で見ればACCが用意されていないのは痛手。人によってはこれで候補から外れてしまう人もいるのではないだろうか。また、同クラスの車種に比べてラゲッジスペースが狭いのも欠点。この点をあまり気にしないライフスタイルなのであればかなり買いの選択肢と言える。

デザイン

4

SUVのテイストを入れつつも全体的に低いシルエットは人によっては受け入れにくいかもしれない。しかし、個人的にはコンパクトで全体的なバランス感とまとまり感が良く、コンパクトながらロー＆ワイドな印象に仕上がっていて、高い走行性能を感じさせるデザインなのが好印象だ。要所要所に他のスズキ車の要素も入っていて、遊び心も感じさせる。

走行性能

4

基本的な走行性能に不満が出ることはない。エンジンは1.2Lとマイルドハイブリッドという組み合わせだが、不満を感じることはない。全体的に軽い車重が良い影響を与えている印象だ。走る、曲がる、止まるといった基本的な走行性能が、車重が軽いためシームレスにストレスなく実現されている雰囲気。スズキは軽いクルマを作らせたら本当に上手だと感じる。

乗り心地

4

軽量ながら乗り心地でチープな雰囲気がしないのは良く出来ていると感じる。走りの質感も決して低くはない。少し角が目立つような細かなコツコツ感を感じなくもないが、それは強いて言えばのレベル。一般的には大きく気になるマイナスではないだろう。上級グレードであっても16インチの60扁平タイヤを採用しているのが乗り心地の良さにつながっているのかも。

積載性

2

ボディがコンパクトであるため、正直積載性はあまり高いとは言えない。ラゲッジスペースの高さもないので、ボディサイズの近い他のコンパクトカーに積載性では劣ってしまうかもしれない。ただ、リアシートを前後にスライドできる点はこのクラスのクルマとしては珍しく、利便性に貢献するポイントと言えそうだ。

燃費

3

WLTCモード燃費で19.8km/Lは、サイズ感を考えれば特出した数値ではないだろう。やや良好といった印象だろうか。ストロングハイブリッドなどの競合他車には敵わないものの、軽量な車体を生かして燃費性能を稼いでいると言った感じだが、大きな不満が出ることはないだろう。

価格

5

マイルドハイブリッドとはいえ、ハイブリッドシステムが採用された普通車で、必要な装備が用意されていて上級グレードでも200万円を切ってくる価格設定はお買い得感が高いと言えるだろう。リーズナブルな価格設定にもかかわらずボディカラーも豊富で選ぶ楽しみがあることも嬉しいポイントだ。