スバル ジャスティ 「ボクサーでなく、4WDでもなく、でもスバル」のユーザーレビュー

ボクサーでなく、4WDでもなく、でもスバル

2023.1.23

総評

当時所有していたバイクと同じ排気量で半分の馬力しかなかったのだが、主力輸送機としてあちこちに出かけてくれた。ワタシに小さいクルマの良さを教えてくれたという点でもいいクルマだったんだろうと思う。

満足している点

FFレックスを拡幅してリッターカーに仕立てたクルマだが、拡幅のおかげで何と全長/全幅の比率はランチア・デルタとほぼ同じというなかなかのプロポーションに仕上がっている(サイズは縦横ともにデルタの0.9掛け)。
グロス64馬力と軽自動車にも劣るパワーと、ロックtoロック4回転というスローなステアリング(ノンパワー)の組み合わせなのだが、現代の軽より文句なしに軽い車重と、スバル社員にも「絶品」と評されたブレーキで、走らせるとなかなか楽しい。ワタシはこのクルマでサイドブレーキターンをマスターした。
赤/黒カラーのスポーツシートはホールドもそれなりに良好。ポジションがきちんと決まるのはスバルらしいところ。スペース効率も軽譲りで、見かけよりも荷物は載る。ワタシのジャスティはもともと勤務先の営業車だったのを払い下げてもらったのだが、営業車時代にもその積載能力でよく働いてくれていた。
スバルといえば軽のヴィヴィオがサファリラリーを走ったことで有名だが、実はジャスティもサファリを走っている。

不満な点

衝突安全など全く考えられていない薄いドアをはじめ、ボディの鉄板はペラペラ。軽トラと接触事故を起こした時も、軽トラよりこちらの方が圧倒的に重傷だった。
当時のスバルがご執心だったサテライトスイッチで、ライトとワイパーのスイッチがメーター脇についている。操作性はお世辞にもよろしくなく、しかもスイッチがブリッジしていてスモールライトが使用不可だった。
エンジンはオーバーヒート癖があり、一説にはリコールものの欠陥らしいのだが、生産台数が少なすぎてリコールの対象にならなかったとか。ワタシのジャスティはオーバーヒートからヘッドガスケット吹き抜けに見舞われ、その後遺症からあちこちに不具合が出た。
クラッチがワイヤー作動で、遊びを自己補正しないので、クラッチが滑り出したらあっという間に終わる。

デザイン

4

上記の通り、ボディ縦横比はランチア・デルタとほぼ同じ。赤/黒のカラーリングも相まってそれなりにスポーティー。

走行性能

2

グロス64馬力の3気筒エンジンと、ロックtoロック4回転というスローなステアリングの組み合わせ。峠では忙しい。ブレーキは絶品！軽さと有効トルクの太さで何とかするクルマ。サファリラリー走ったクルマと過大な期待をしてはいけない(笑)

乗り心地

3

小さいクルマだが、軽ベースで拡幅されている分足が長いようで、乗りごごちもトラクションも悪くなかった。

積載性

4

軽ベースらしく、見た目より荷物は載る。

燃費

5

リッター20キロに迫る低燃費。ワタシが当時所有していた乗り物3機の中で一番いい燃費を叩き出すことも。

価格

1

勤務先の営業車を払い下げてもらったので実質タダ。

故障経験

オーバーヒート(ジャスティの持病)。
ダイナモの焼き付き(オーバーヒートからのガスケット吹き抜けで蒸気を浴びたのが原因？)
タイミングベルト切損(コマが飛んだ)
クラッチ滑り。
デスビのコードが抜けてエンスト、走行不能。
スモールライト使用不可(スイッチのブリッジ)
接触事故でミラーが飛んだことや、いたずらでアンテナを折られたこともある。マイナー車ゆえに壊れるとパーツがなかなか来ない。