日産 ノート e-POWER 「e-POWERを初めて搭載した日産車」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

e-POWERを初めて搭載した日産車

2023.5.19

年式

2020年12月〜モデル

総評

5ナンバーサイズのコンパクトハッチバック。「e-POWER」初搭載車は、2016年の初代「ノート」だ。2020年12月に発売を開始した2代目は、第二世代のe-POWERを搭載し走行性能を向上。同時に、日産各モデルからの乗り換えを受け持つ重責を担うが、見事2022年度電動車販売台数1位を獲得している。

満足している点

e-POWERの走りだ。第二世代となりエンジンの始動タイミングを走行ノイズが高まる領域に移行させ静粛性を高めた。また、モータートルクを10％、出力を6％アップしつつ、インバーターは40％小型、30％軽量化。静かでパワフル、そして5ナンバーながら車内は広々している。先進安全技術群である「プロパイロット」も進化させた。

不満な点

日産が総力をあげて開発したプロパイロットだが、依然としてセットオプションであるため装着するには高額な費用が別途かかる。セットオプションのひとつが「NissanConnectナビゲーションシステム」だ。このナビとのリンク機能がプロパイロットを機能させるために不可欠なので、442,000円のセットオプションを選ぶ必要がある。よって高価に。

デザイン

4

5ナンバーサイズでここまでボリューム感のあるデザインはすばらしい。上級モデルのノートオーラも全長は5ナンバーサイズだが、全幅を1735mmと拡げたことでさらに抑揚のあるスタイルに。ベースとなったノートのシンプルさはこの先、年数が経過しても飽きがこないはず。インテリアはデザイン、質感ともに高く、インパネTFT液晶も見やすい。

走行性能

4

シリーズハイブリッド式なので、タイヤに直結した電動モーターが駆動力を生みだす。よって走行性能は電気自動車並。違いは発電のためにエンジンが始動した時と、曲率のきついカーブや凍結路面での走り。鼻先に1.2Lエンジンを搭載しているからだ。とはいえ280N・mの電動モータートルクは強力で1220kgの車体を活発に走らせる。

乗り心地

3

FF（前輪駆動方式）と4WD（前後ツインモーター方式）ともに滑らかな走りを目指した。軽量ボディながらしっとりとした乗り味だ。荒れた路面では若干だが上下動が激しく、都市高速道路では路面の継ぎ目でその傾向が強い。4WDになると後軸上にも電動モーターがくるのでそれが重しとなり功を奏し、上下動は和らぐ。

積載性

3

ボディが小さいことから大きな荷物の積載には適さないが、それでも6:4分割可倒式のリヤシートによって長尺物も楽に積み込める。地上からバンパー上部までの高さも低く抑えられているので、重い荷物でも積載はしやすい。またリヤサスペンションの張り出しも抑えられ、ラゲッジルーム全体として無駄なく、スペースを効率良く活用できる。

燃費

4

積極的な回生制御と電動モーターの高効率化によって、カタログ上のWLTC値はFFで28.4km/L、4WDで23.8km/Lだ。直列3気筒1.2Lエンジンはレギュラーガソリン指定なのでありがたい。シリーズハイブリッド式は連続した高速走行燃費が伸び悩む傾向にあるが、27.2km/L／22.9km/Lとまずますの値を記録する。

価格

3

2023年2月、値上げを発表。新価格は5月から適応される。要因として原材料不足からくる価格の高騰、流通段階での経費がかさんでいることが示されている。新価格は「X」（FF）で224万9500円、「X」（4WD）250万8000円だ。ちなみに、2020年12月発売時の価格は218万6800円（FF）だった。