マツダ ミレーニア のみんなの質問

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マツダのスカイアクティブってそんなに凄い技術なんですか?少し前に日産のクリーンディーゼルでしたっけ?

大して話題にもならなかったんですが、それより、凄い技術なんですか?

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ベストアンサーに選ばれた回答

momongasanchoumeさんへ

ついでですから、-Gの方についても書いておきますね。

前編冒頭で書いた様に、車載出来る規模、ピストンとコンロッドが直結された構造では、膨張比14が理想なのだけど、予混合燃焼の自己不正着火という壁が在るので、ガソリンで圧縮比14は中々実現出来ない。
そこで考えられたのが、大昔のアイディアだったアトキンソンサイクルを、オットーサイクルの代わりに持って来る事でした。アトキンソンさんが考えた方式なら、膨張比を大きく設定したまま、圧縮比だけを下げる事が可能に成る、と。

でも、やっと近年ホンダがリバイバルさせてみましたが、
http://www.honda.co.jp/tech/power/exlink
http://www.honda.co.jp/factbook/power/cogene/201105/P11-12.pdf
コンロッドが真っ直ぐにも関わらず、やっぱり摩擦損が嵩んでしまう様です。

その昔、折角のアイディアが廃れてしまったのは、この複雑なクランク軸周りの構造の為に、急速な燃焼を活かして高回転化で高出力化して行くという流れに乗れなかった事。
スキッシュエリアなる構造も発明されて圧縮比は上がり、アトキンソンさんのそもそもの着眼点だった、燃焼室内残留排ガスの量もどんどん減って行きます。

これが廃れて随分経った後に、カナダでガスエンジン利用の発電機を作っていたノルドバーグの技術者:ミラーさんが、負荷急変時の素早い出力制御法として、吸気弁閉じ時期の遅早で出力制御を行う方式を編み出します。

通常、ある程度高回転で最高出力を出そうとするガソリンエンジンの吸気弁閉じ時期は、慣性過給を最大限に働かせる為に、下死点後40°よりも遅く迄開いた状態に成っています。
これを、早く閉じてしまって吸気行程長を短くするか、遥かに遅く迄(70°とか)開けておいて、一度吸入した新気をポートに吐き戻す事で(遅閉じ式)、実質的な圧縮比を下げます。
これが、アトキンソンサイクルミラーシステム、長ったらしいから略して通称ミラーサイクルの動き方なのです。
エンジンの基本構造は大発展したオットーサイクルと同じで良い。カムタイミングのみで実現可能・・・なんですが、早閉じ式、遅閉じ式共に一長一短です。

量産車世界初のミラーサイクルエンジンだったユーノス800(ミレーニア)では、遅閉じ式を採用しました。この時に問題に成ったのが、余り膨張比と圧縮比の差を大きくして吐き戻す新気の量を多くしてしまうと、幾ら抵抗が少ない4弁ヘッドにしてあるとは言っても、吸気温上昇が激しく成り過ぎてしまうので、圧縮比7.6、膨張比11.2と言う事に成りました。
但し、リショルム過給の威力は物凄く、吸気弁開口面積の半分近くをマスキング(出っ張りで塞いでしまう)して強烈なタンブルを巻かせる事で、ノッキング対策としたとの事です。一節には「(出力が)出て困った」等とも。d(^^;)

その後、長い断絶期間を経た後に、自然吸気で「アトキンソンサイクル」と銘打って、プリウスにミラーサイクルエンジンが搭載され、加減速の無い高速道路なのに燃費が良いと言う、性能の下支えをする事に成ります。
初代では1.5Lで圧縮(膨張)比13.5だった物が、3代目からは1.8Lに増やしてしまって、膨張比も13と低下。堕落しています。
他にも、余り広言しない物の、シビックに積まれた1.8Lエンジンが、V-Tec機構を活かして部分負荷領域でミラーをやる等、徐々に、深く浸透しつつ在る現状です。

そんな中で、自然吸気のままながら、圧縮(膨張)比14の世界へ一早く乗り込んで来たのがSKYACTIVEコンセプトだった、と言う事なのです。

上記した様に、膨張比を大きく設定すればする程、実質的な排気量は目減りして行ってしまいますから、膨張比を大きく設定出来ない。
でも、熱効率の為には高膨張比にしたい。
と成ると、出来るだけ自己不正着火をさせない様な燃焼室周りのデザインにする事が大事に成って来ます。
排気管集合形状を工夫して、残留する排ガスを極限迄減らそうと言う工夫ですし、気化特性が良くなくて汚損を発生させ易かった筒内直噴を起用して、吸入新気の積極的な冷却、それによる充填効率向上を狙いましたし、ピストン頭部の凹みを工夫して云々・・・等という事も行われたのです。

残念な事に、現状は自然吸気のままですしスロットル弁も残っています。が、理想の膨張比14へ一番乗りして来た心意気、それもガソリンとディーゼルの両方で一緒に、と言うのはやはり評価されるべきと考えます。
今後の発展・成長に大いに期待したいと思うのでした。

質問者からのお礼コメント

2012.11.18 18:50

長文どうも。読むだけで寝てしまいそうです。w

その他の回答 (3件)

  • momongasanchoumeさんへ

    >マツダのスカイアクティブ

    >日産のクリーンディーゼルでしたっけ?
    >大して話題にもならなかったんですが、
    >それより、凄い技術なんですか?
    との事なので、-Dについて書いてみます。

    エンジンは燃焼で得た高圧を膨張させて、仕事に変換して取り出す物です。
    よって、大きく膨張させればさせる程、変換の効率が良く成ります。
    一方で、膨張比を大きく取ろうとすると必然的にロングストロークなデザインに成って行きますから、ピストンとシリンダーの擦動面積が増えて来ます。
    変換効率が良く成るが、摩擦損も嵩んで来る。のでどこかで性能は頭打ちに成ってしまって、ピークを描くのです。

    では、一体どの位膨張させるのが望ましいのか?
    古くから識者が見当を付け、計算もされる様に成った結果、14位であろうと言う事に成りました。
    所が、圧縮比が14では
    ・ガソリンだと高過ぎて自己不正着火が問題に
    ・ディーゼルだと圧縮上死点温度が足りなくて着火や綺麗な燃焼に響く
    と言う事で、どちらも中々採用出来ずに来たのです。

    圧縮上死点温度が足りない。なら過給を適用して、圧縮比 × 過給圧で考えればよろしかろう。。。と成ったのですが、Turboだと始動時に過給圧が得られません。
    そこでSKYACTIVE-Dが採った方策は、
    ・直列式シーケンシャルTurbo採用で広い回転域で過給圧を得られる様にした。
    ・始動時やアイドル回転を含む排ガス流量が少ない時は、吸気絞りと排気弁遅閉じでの自己EGRを使う事にした。
    の2点です。

    そもそもディーゼルにはスロットルバルブは要らない筈ですが、冷間始動時に吸気を絞りに通してやるだけで、圧縮上死点温度が上がって始動が楽に成る、という研究発表が為されました。(京大の教授から)
    これに触発されたいすゞのエンジン設計部員、
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%BC%E5%9D%82%E5%BC%98
    は、低温試験室で追試をしてその威力を確かめると同時に、「んじゃ、排気弁も開けて燃え損ね(ラディカル)を吸わせたらもっと良く成るべ?」と思い付きます。(排気2段カムその物は、日野がパルスEGRとして既に特許取得)
    これがその後、始動直後からガソリンエンジンの触媒稼働を可能にする特許と成り、更には、レトロフィットのDPF連続再生技術へと応用されて行きます。(吸気絞りと排気2段カムでの自己EGRで、アイドル回転でも排気温300℃達成)

    SKYACTIVE-Dでは排気2段カムを使わずに済ませる為に、弁開閉の可変機構を活かして閉じ時期を遅らせ、吸入行程で排気を吸わせてEGRする事にした、と言う物なのです。

    SKYACTIVE-D以外のディーゼルでは、
    http://www.isuzu.co.jp/technology/d_databook/tech/tech_02.html
    に見る様に、精密に多段噴射出来る機能を悪用して、出力に全く寄与しないポスト噴射をやる事で、触媒が稼働出来る様に排気昇温(& NOx還元用炭素供給)を行っています。

    もう一点。
    他社エンジンでは圧縮比14迄下げられていない為に、NOx生成排出が問題と成って、主たる「高圧噴射」の初期で行われる「初期噴射率制御」を小さく(少なく)出来ません。
    理想のエンジンを考えた場合、圧上昇を少しでも早くして、指圧線図上のグラフ面積を大きく稼ぎたい訳ですから、ガソリンエンジンの急速燃焼に少しでも近づく事が、ディーゼルの改良・進化として大事な事です。
    この点でも、低圧縮比化で初期噴射率制御を少なく出来たSKYACTIVE-Dは、他社を凌駕していると言えます。

    この様に、同じ「ディーゼル」とは呼ばれている物の、その内実、到達・達成出来た技術は、結構な違いが在る事がお解り頂けるのではないかと思います。

    今後は、SKYACTIVE-Dも、吸気弁閉じ時期連続可変機構を装備して、ウェイストゲートバルブから排気を逃がす様な勿体無い事をせずに済ませる事と、高効率機械式過給器を併用した多段過給に進化すべきでしょう。し、他社はこのハイブリッド過給でマツダの特許を逃げるしか、やり様が無い様に感じています。

  • 基本的にはそれほど新しい技術ではありません。
    ベースとなっているミラーサイクルエンジンは数十年前に確立された方法ですし日産のノート用エンジンなどにも採用されていますのでそれほど凄い技術ではありません。

    但し、スカイアクティブエンジンはガソリンエンジンとしては高圧縮であるためノッキングしやすかったり振動が大きくなりやすいのですが燃焼室の改良や吸排気システムの見直しによってそれらの弱点を解消しているところが凄い技術なんです。

  • 圧縮比と膨張比の違いが分からない方が現れると思いますが
    ※圧縮比が14だと・・・

    現れたら補足で実質の圧縮比を聞いて見ると良いですよ


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