マツダ ミレーニア のみんなの質問

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マツダのスカイアクティブについて、高圧縮比14を達成していますが、ノッキングなどの問題への対策はどうしているのでしょうか?

素人にもわかるよう説明できる方、もしくは説明のあるサイトなどあれば、教えてください。

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ベストアンサーに選ばれた回答

hare3192000さんへ

マツダは色々に説明をしていますね。一番大きいのは、燃焼室に残留する排ガスを積極的に吸い出す事で自己不正着火発生を抑えた、と。
吸入する新気が排ガスに触れて温度上昇すると、自己不正着火(ノッキング等)を起こし易く成りますから、4-2-1集合排気管で積極的に残留ガスを吸い出してしまえば良い。のですが・・・、過去の実績からしてそれだけじゃ、到底賄い切れません。それに、温度上昇と共に熱膨張して充填効率が悪く成る筈ですから、全部を説明し切れていない訳です。

又、燃焼室への燃料直噴で冷却する効果も望めますが、直噴は、霧化は出来ても気化に対しては時間が足りず、燃焼室周りの汚損を発生し易い事が知られています。堆積するカーボンは、カーボンノックの原因とさえ言われています。

ので、主力は可変バルブ開閉機構を活かしてのミラーサイクルです。(アトキンソンサイクルミラーシステム)
吸入弁閉じ時期を下死点より早く閉じたり(早閉じ式)、うんと遅く閉じる様にして一度吸い込んだ新気を吐き戻す様にしたり(遅閉じ式)すると、実質的な圧縮比を小さくする事が出来ます。吸い込むのを途中で止めてしまう分、圧縮比が下がった様に見える訳です。連続で可変する様に制御すれば、可変圧縮比エンジンの誕生です。
これを活かして、圧縮比は下げても膨張比14を常に確保する事が、燃費向上についてとても大事なのです。


尚、ディーゼルと同様の理由で「高圧縮でもノッキングを起こさない」と説明されている方が居ますが、大間違いです。
ガソリンエンジンは予混合燃焼で、混合ガスを先に用意しておいて圧縮し、点火で、一瞬とも言える程の高速燃焼をします。(だから自己不正着火が問題に成る)
一方ディーゼルは、着火後も燃料の噴射が続いている拡散燃焼を行う事が一大特徴です。
簡単に「直噴」と言っても、拡散燃焼をするかしないかは、とっても大きな違いなのです。

拡散燃焼を行うと、黒煙とNOxの同時多量発生については、現在の技術では解決の目処が立っていません。だから、吸い込んだ酸素を使い切る程の多量の燃料を噴射する事は出来ず、空気を余らせる為にディーゼルは排気量が3割方大きく成らざるを得ません。大きくて重くて低出力、という事です。
加えて、着火後も燃料の噴射が続くという事は、神が作りたもうた理想的なエンジンと比べたら燃焼室内圧の上昇が遅い事を示します。専門家はこれを「時間損が多い」と言い、ここでもガソリンエンジンに負ける理由に成っています。
近年に成って大出力ディーゼルが登場して来たのは、全て過給の威力による物です。

ですから、燃焼室内の圧力をグラフに描いた「指圧線図」で比較する事が大事なのです。

<追加>
圧縮比14と謡った事が何故凄いのか。

ミラーサイクルで膨張比14・圧縮比10とした場合、単純にそれだけで排気量が71%に減った事に成ります。出力も3割減です。
かつてのミレーニアの様にリショルム過給してやれば、「馬力が出て困った」と談話が残ってる位に馬力・トルクが出て来るのですが、自然吸気のままでは余りにショボく成るので、各社が手を出さないのです。
この低出力をカバーする為に、プリウスは電動機とのハイブリッドにした、という事なのです。(確か、初代:1.5L、膨張比12.5、3代目:1.8L 膨張比13.5)

自然吸気のままで電動アシストも無く、どうやってこの低出力をカバーするか。
その為には先ず、遅閉じ式で吸入管に吐き戻す新気の量を出来るだけ少なく抑えねば成りません。一度吸入してから吐き戻すので、量が多いと燃焼室内に残留する排ガスの影響で、インマニの方迄加熱してしまい、充填効率が上がらなく成ってしまいます。だからミレーニアの時には圧縮比7.6に対して膨張比10.2と、余り大きく差をつけられなかったのです。

ここでバルブの可変開閉機構を活かす。
ノッキングが問題に成る領域で圧縮比を下げる様にして、それ以外は出来るだけ吐き戻さない。可変圧縮比エンジン、ですね。
更に、未だスロットル弁も残っていますから、吸入負圧による損を出来るだけ少なくする為にEGR、それも、ちゃんと冷やした後の排ガスを吸入させます。

この様に、圧縮比は14だ、と言うだけでも周辺技術を結集させてやっと実現しているのでした。

その他の回答 (4件)

  • ここではデミオに採用されたミラーサイクルエンジンとSKYACTIV-Gエンジンについて説明し,次に圧縮比14.0の達成方法について説明いたします

    ●デミオに採用したミラーサイクルエンジンとは?
    2007年に採用したこのエンジンでは,吸気バルブの閉じる角度が次のようになっています

    ノーマルエンジン = 下死点後59度
    ミラーサイクルエンジン = 下死点後80度 → 約20度 遅く閉じます。なお開きはじめは同じです

    ●吸気弁が遅く閉じると?
    下死点が0度でピストンが一番下の状態です。もし空気の流動が非常に遅ければ,この下死点0度で吸気弁を閉じて圧縮を開始すれば良いわけです。しかし実際は,下死点0度の後,つまり圧縮が始まった時点では,まだ空気が燃焼室に入ってきています。このため下死点後59度くらいまで吸気弁を開き続けます

    これを下死点後80度まで開くと,圧縮行程なので,一度,燃焼室に入った混合気が再度,吸気ポートに戻されます。これにより実質的な混合気の吸入量が少なくなります。これを「遅閉じによるミラーサイクル」といいます。

    ●せっかく吸ったのに戻すと何が良いのか?
    燃焼室に入れた混合気の一部を吸入ポート側に戻すと,その分,燃焼に使われる混合気量は少なくなり,燃焼室内の圧力が低くなることで,トルクが小さくなります。一方,高い圧縮比に設定しても,実際の混合気量は少ないので,実際の圧縮比はもっと低くなります。このため高い圧縮比を設定してもノッキングしにくくなります。
    さてミラーサイクルの効果は下記の2つがあります

    (1) 燃焼効率の改善 … 圧縮比が高いということは,膨張比が高いということであり,燃焼によって得られた燃焼室内の高い圧力によって,ピストンを下に押し下げる行程が長くなります。これにより,燃焼室内の圧力による仕事の効率が良くなります

    (2) ポンピングロスの低減 … ガソリンエンジンはスロットルバルブ開度によって吸入空気量を調節し,これでエンジン出力を調整します。低負荷領域では,スロットルバルブはほぼ閉じており,スロットルバルブ~燃焼室間は負圧になります。この状態でピストンが下がって空気を吸おうとすると,大きな力が必要です。吸気弁の遅閉じを使うと,吸った混合気を戻すので,本来のスロットルバルブ開度をもっと大きくしても,同じ出力が得られます。こうしてポンピングロスを低減できます

    ●実際に圧縮比14.0になっているのか?
    可変動弁を使わないばあい,吸気弁の遅閉じを使うと,燃焼室内の混合気量は少なくなり,このため実際の圧縮比は10~12くらいになっています。つまり普通のエンジンと同じくらいの圧縮比です。燃焼室内の実質的な混合気量が少ないので,排気量が15%くらい小さいエンジンと同じ出力しか得られません。
    一方,可変動弁を使う場合,次のようにします

    ・低回転/低負荷 … 遅閉じによりミラーサイクルの効果で燃費改善
    ・高回転/高負荷 … 吸気弁の閉じるタイミングを通常の角度に設定します。つまり遅閉じをやめます。こうして高い出力が得られます

    つまり可変動弁でバルブの開度タイミングを調整すると,遅閉じミラーサイクルと通常のサイクルの両方を実現できます。これは,高回転/高負荷領域では,実際の圧縮比が14.0になっているという意味です

    ●どうやって高い圧縮比でもノッキングを防止するのか?
    下記の4つの方法を使います。ここでEGR(=Exhaust Gas Recirculation)とは,排ガスを燃焼室に戻すことです

    (1) 内部EGR低減 … 排気弁をあけていると,他の気筒の排気開始時点の高い圧力の排気が入ってきます。すると,戻ってきた排気(高温)が含まれた状態で,次の圧縮行程が始まると,温度が高くなります。これを防ぐため,他の気筒の排気が戻ってこないよう,排気管の接続部までの長さを長くします → 2.0Lエンジンに適用

    (2) EGRクーラ … もともとガソリンエンジンは燃費改善と発生NOx量低減のため,EGRをつかっています。このEGRを温度をエンジン冷却水で下げることで,燃焼温度を下げます → 1.3Lに適用

    (3) ピストン頭頂部改良 … 点火すると,点火プラグの周囲に火炎ができ,これが周囲に広がっていきます。この時,ピストンは上死点付近いるため,ピストンの頭頂部に火炎が接触し,ここで火炎が冷却されると,一部で消炎してしまい,燃焼速度が低下します。これを防ぐため,ピストン頭頂部にへこみをもうけて,火炎とピストン間の距離を長くしています

    (4) 直噴 … 燃料を燃焼室に直接噴射すると,周囲のガスの熱をつかって燃料は気化します。この時,40~50℃低下します。これにより,燃焼室内の温度を下げることができ,圧縮比を1.5くらい上げることができます

    ●圧縮比14.0はすごいのか?
    じつは初代プリウス(マイナー前)には,直噴なしで圧縮比13.5のエンジンが搭載されていました。つまりSKYACTIV-Gエンジンは,プリウスのエンジンとたいへん似た思想です

    ご参考になれば幸いです

  • 爆発時に発生するブローバイガス(不完全燃焼ガス)をもう一度エンジンに送り込むことで高圧縮比を実現できた。と雑誌に書いてありました。

  • あれは、実は見かけの圧縮比です。
    タネ明かしをすると圧縮工程でもバルブが開いているんです。
    ミラーサイクルの改良版です。
    ですから圧縮比は高くても圧縮圧力は見かけほど高くない(はず)です。
    まだ自分で実測したわけでもないので断定はできませんけどね。
    マツダではスカベンジングを改善したようなことをのたまっていますが、タネあかしをすれば、
    なーんだ。です。
    実質14:1で本当にノッキングしないガソリンエンジンが完成すればノーベル賞ものでしょう。

  • メインの技術は直噴です。空気だけを圧縮してから燃料を噴射してるので、圧縮途中で火が点いちゃうノッキングがないんですよね。圧縮中、ガソリンがありませんから。従来のポート噴射だと空気を吸気する段階でガソリンを噴射するので、圧縮比とオクタン価次第でノッキングしない限界は低いです。ディーゼルエンジンが圧縮比17~24なのにノッキングを起さないのも同じ理由です。他にも細かいところで、点火プラグのロングリーチ(ネジ山を増やしてプラグを冷えるようにして熱を逃がす)とか細かいことやってます。

    余談ですがF1のエンジンも圧縮比14ぐらい。これはスペシャルなハイオクガソリンでノッキング対策してます。

    フルブラウザ対応のケータイならマツダのホームページから特設ページに行けますよ(´∀`)

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