最近の自動車はスポット溶接と構造用接着剤を使うようになっています。 特に、最近の欧州車は溶接が難しい新素材をふんだんに使い始めています。

Question

ところが、構造用接着剤の寿命については、7年で強度が30%〜50%低下すると言う研究結果も出ています。特に耐候性の問題による強度低下が著しいので、季節や時間による寒暖差が激しい地域では、消耗は早くなると思われます。

昔の自動車はリベットや溶接が主体でしたから、未だに現役で走っているものも多数あります。途上国で活躍している中古自動車を見れば明らかですが、実際はその数は非常に多いです。

しかしながら、現代、そしてこれからの構造用接着剤を多様した自動車は、そのような寿命を持たず、中古車の価値も極端に下落するように思いますが、この予想は正しいでしょうか。

Answer 1

その予想は、必ずしも正しくないと思います。
おっしゃるとおり、接着剤には、経年変化による強度低下の可能性があります。
主な劣化原因としては、
○ 紫外線等による光化学変化
○ 湿気と熱などによる加水分解
等が考えられます。
が、そのあたりの劣化のデータや、ケース分けについては、不明瞭な点も多く、接着剤メーカーですら、施工に際しての細かいデータ分析が完全にできていない部分があります。
また、接着剤施工の下地処理、脱脂、アシ付けによるアンカー効果、接着剤の配合比のブレによる強度の誤差等の問題がありますので、自動車の生産ラインの環境から考えて、一部の例外を除いて、強度部材（主にストレスメンバー）の接合に対して構造部接着剤をメインの接合に使う設計はなされていないと思います。
よって、主な強度は、溶接により確保し、接着剤は、プラスアルファの強度向上、または、二次的な効果を期待するものとして使用する設計とするはずです。
上記中、一部の例外は、少量生産の特殊な車両を指しますが、そうした車両の場合は、フレーム構造の特異さは、あまり付加価値にならず、たいてい、デザインやブランドによって、付加価値を得ています。
以上により、車両を走行させる際の根本的な寿命に、接着剤は、大きな影響を持たず、仮に持つ車両の場合は、接着剤の使用が、車両価値の決定に支配的な要素にならないと考えられることから、必ずしも正しくないと思えるのです。

・・・それでも、面接着によるねじり強度の飛躍的な上昇や、異材接合の容易さから考えると、機器寿命に直接関係無い部分での接着剤の使用は、工学的にみて、非常に魅力的に思えます。
・・・それと、構造部接着剤をフレームに使っているロータスエリーゼがウチにありますが、20年経っても、全然大丈夫ですよ。
フレーム、日光にさらしているわけではありませんし、さらしようが無いです。

質問者からのお礼コメント

大変整理されたお答えで、説得力があると思いました。
ありがとうございます。

Answer 2

ユーザーにハッキリとガタが分かる様になるなら落ちるんじゃ無いですか。

今の車は永く乗る事なんて考えて作られて無いです。スマホやパソコン同様に一定年数過ぎれば使い捨ての考えで作られてますよ。

Answer 3

航空機や鉄道車両のように大規模な解体をして
鋼体の接合部や鋼体そのもののひび割れを
目視や超音波 ガンマ線で検査をする用途では
剥がれ初期での補修が可能で問題なく
使用できますが 車のように外観的な問題が
出てからの補修では剥がれが広範囲に及んでから
の修理になり 歪が過大となって修理不能＝廃車

また ぶつけて外板パネル交換修理となっても
スポット溶接なら容易に剥がせますが
高強度のエポキシ接着では合わせ面内部で
広範囲に接着剤が広がってしまい
剥がす作業も大変困難になります

車両の耐久性としては10年程度しか見込んで
無いはずで 中古価値は8年でゼロぐらい
かもしれません

Answer 4

butanoshiokaraさん
もともとの新車価格が（所得比で）さがれば問題無いような
結局は、新車と中古車の価格差が同じであればいいだけですよね

結局中古車として流通するためには新車で買ってくれる
購買層がいなければ話が始まりませんから
逆方向に議論を進めてもあまり意味は無いと思います
新車を買う客にとっては途上国のことなんて考えてませんよ