自動車のシートベンチレーションがあるのとないのでは違いますか？

Answer 1

シートベンチレーションの開発と内蔵加工などをしています。

下記条件で放射温度計とサーモグラフィーカメラなどで計測しました。

2019年8月
気温30℃快晴
日向駐車

日差しが当たる白革シートは60℃超、日陰部で40℃台。

エンジンを始動し、エアコン最低温度の風量最大で10分以上様子を見たところ、日差しが当たる部分は50℃から下がる様子はありませんでした。

同じ条件でシートベンチレーションも作動させたところ1〜2分で30℃を下回りました。

次に、背面と座面に温湿度プローブを設置して着座計測したところ、シート温度は3分ほどで体温程度まで下がりその後は背面が30℃、座面は34℃程度まで下がりました。座面は最も体圧がかかるため体温との拮抗でこれ以下にはなりませんでした。

また、湿度についてはシートベンチレーション作動前に座面湿度50%だったものが作動後30%程度になりました。

このように、シートベンチレーションは冷却効果だけでなく蒸れの解消にも大いに役立ちます。
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シートベンチレーションには風向が吹き出し式、吸引式、風向切替式、その他にペルチェ素子を使用した冷風が出るものなど様々あります。

ファンの種類も風量と静粛性に優れるプロペラ型の軸流式ファンと、高い静圧が特徴のブロア型遠心式ファンがあります。
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効きが悪いとか、この程度なら不要といったレビューもありますが、それは吹き出し式であったり静圧の弱い軸流式ファンのものだったりします。

吹き出し式の最大のデメリットは、熱い車内で温まったシートからしばらくの間は温風が出てくるということ。車内シート自体が冷めてしまえば、より冷却効果が高いのは吹き出し側ですが今度は冷え過ぎるという問題があります。

吸引式であれば前から浴びるエアコン冷風をシートと体のあらゆる隙間から吸い込むので、作動直後に冷却効果を感じることができます。

例外として、レカロヴェントは吸引式ですがファンの静圧が実測値120Paしかなく効果的ではありません。各社純正装備されるシートベンチレーションファンの静圧は300Pa以上あります。