BMW 1シリーズ ハッチバック 「FWD化もむべなるかな」のユーザーレビュー

RT141N14 RT141N14さん

BMW 1シリーズ ハッチバック

グレード:116i_RHD(AT_1.6) 2010年式

乗車形式:レンタカー

評価

3

走行性能
3
乗り心地
2
燃費
4
デザイン
-
積載性
3
価格
4

FWD化もむべなるかな

2020.12.21

総評
代車として2011年式(E87型最終年式)・走行約55000kmの個体を4日間ほどお借りしました。
ランフラットタイヤ(とおそらくはくたびれた足回り)によるお世辞にも快適とは言いがたい乗り心地が最大の難で、それさえ改善できればBMW入門車として不足のないクルマでしょう。ただ面白みや全体的な魅力という点では前所有車のアルファ147 1.6の方が上手だと思いました。

また、個人的には普通に走っている限りトルクステアがない以外はRWDらしさをあまり感じられないハンドリングも気になったところで、1シリーズが3代目F40型でFFに転じる際に「顧客は駆動方式よりも利便性を重視する」としたBMWの弁にしても「らしくないハンドリングを与えていてはユーザーがRWDの良さを十分理解できなくても当然ではないか」と思えてしまいます。
満足している点
おそらく新車当時に乗ったら何とも思わなかったに違いありませんが、走行性能の項で挙げたとおりダウンサイジングターボ全盛の今乗ると自然吸気のエンジンとATのマッチングの良さが印象的でした。
絶対的なパワーや燃費では劣っても、ずっと心穏やかに運転できるこちらの方を取りたいと思います。
不満な点
操作後は中立に戻るジョイスティック式ウインカーレバーは初めてだったので戸惑いましたが、少し乗れば慣れました。こちらの方が低コストなのでしょうが、個人的には昔ながらの機械式の方がしっくり来ます。
あと水温計が省略されるのも近年の流れではありますが、DE型デミオでも冷間時(水温55℃以下)で水温警告灯が青く点灯したのにこのクルマはオンボードモニタの設定を一通り確認しても一切ないようです。さすがに水温上昇は知らせてくれるでしょうが、過冷却はどうやって検知すればよいのでしょうか。
デザイン

-

走行性能

3


エンジンは後期モデルで採用されたガソリン直噴式の1.6L直列4気筒DOHC(N43B16A型)です。
82mmのボアと75.7mmのストロークは奇しくも前所有車アルファ147の1.6ツインスパークと事実上同じで(116iの方が0.1mmだけストロークが長い)、最大出力とトルクは147の120PS/6200rpm・14.9kgf-m/4200rpmに対して122PS/6000rpm・16.3kgf-m/4250rpmとなります。

車重は147の150kg増しとなる1390kgにも上りますが、組み合わされる6段ATは147(ローギアードな5段MT)との比較で1~3速がほぼ同等、4・5速が多少高めのギア比となっています。
1名乗車で交通に混じって走る上では、素早い追い越し加速さえ望まなければ実用上不足ない動力性能と思います。メーター読み100km/hは6速で約2200rpmですが、ここから例えば追い越し車線へ出るなら4速まで落とさないと流れを乱すことになるでしょう。

発進時は電子制御スロットルの仕付けのせいか少し踏んだくらいでは反応がなく、それではと踏み足すと唐突にスロットルが開いて低いギアリングと相まっていきなり飛び出すことがしばしばで、上品かつ機敏な発進には神経を遣う必要がありました。


ZF製の6段ATは昔ながらの欧州車のシフトスケジュールを思わせるもので、負荷の低い巡航時にやたらとシフトアップしてアイドリング近辺まで回転数を落としてくることはありません。
停止に向けた緩やかな減速でも中段以上のギアでは1500rpm以上を保とうとして律儀にシフトダウンするので、例えば前方の信号が青に変わってとっさに再加速に移るときでもすぐに必要十分なレスポンスが得られます。
トルコンの滑り感も発進時を除いてさほど感じられず細かい速度調節も容易で、ドライバビリティは今どきのダウンサイジングターボ車よりもはるかに良好です。

シフトパターンはDポジションから左にレバーを倒すとSポジションとなり(基本的に1段落ちる)、そこから前後に動かすと手動変速できます。この辺りの操作性も自然で直観的に行えますが、先述のようにそもそものドライバビリティが優れているので通常走行ではせいぜい強めのエンジンブレーキを求めるときに左へ倒すだけで済みました。
あえて一つ難を挙げれば、経年変化によるものか特に1→2速の変速でショックが目立つことがありました。まあ大目に見られる程度ではありますが。


ブレーキについては、タッチやコントロール性・効きともに十分良いと思われました。

最終年式ということでパワーステアリングは電動式となっています。概して操舵感は自然でしたが、中立付近だけは時にセルフアライニングトルクが強く感じられることがありました。

前ダブルジョイント・ストラット式/後5リンク(マルチリンク)式のサスペンションはE90型3シリーズと共通ですが、通常走行におけるコーナリング時はあまり後輪にスリップアングルがつかずひたすら舵角で曲げていく感じがどちらかといえばFWD的で、所有車のE36型M3とはけっこう異なる印象を受けました。


全長・全幅はそれぞれ4240×1750mmと147より気持ち大きい程度で、取り回しにまったく難はありません。現代の目で見るとAピラーも細めかつ立ち気味で、後側方視界もまずまず良好です。
前方視界から車両感覚をつかむのが極めて容易なのはBMW車に通じる美点ですが、それはこのクルマにもしっかり現れていると感じられました。
乗り心地

2


タイヤはピレリのCINTURATO P1 RFT(195/55R16、2015年第49週前後製造)が付いていました。ランフラットタイヤ装着車に乗るのも初めてでしたが、クルマを受けとってまずあまりの当たりの硬さに閉口。「いかに5年落ちのランフラットとはいえ、これは…」と思いつつ自宅で内圧を測ってみると、指定値の前2.0・後2.3kgf/cm²に対して4輪とも2.5kgf/cm²も入っていました。

指定値まで内圧を落とすと当たりの硬さは緩和されましたが、それでも「Mスポーツか?」と思ってしまうほどはありました。おまけにブッシュやダンパーがそれなりにへたっているのか、高速では目地段差などの突き上げ一発を吸収しきれず後にブルブルと縦揺れが残ります。縮みストロークですぐバンプストッパーに当たってしまう設定らしいので、高速では普通の路面でもモコモコと上下しながら走る感じになります。


遮音性については十分で、高速でもオーディオの音がかき消されるようなこともなく、客観的にも「静か」と言えると思います。回す機会の多いエンジンの音は直噴化でノイズ成分が増えたのかウルサいとまではいえないものの「良くも悪くも4気筒」という実直な印象で、ここは滑らかなアルファのツインスパークに軍配を上げたいと思います。


後席にも座ってみましたが、身長180cmの私に合わせた運転席の後ろは膝前にほとんど余裕がなく、つま先も前席下に深く入れられないためけっこう窮屈です。ドア開口部も限られるため出入りもやや気を遣いますし、短く低い座面と比較的立った背もたれの組み合わせとなるシートの座り心地もあまり良くありません。147はおろか9N型フォルクスワーゲン・ポロの方が居心地は上だと感じました。

ただ頭上空間は最低限確保されており、ルーフサイドレールもさほど太くなく離れているので、頭回りは今どきのクルマよりも余裕はありました。
積載性

3

あまり物を積んでいませんが、一瞥したところトランクは147並み(Bセグメント車の一般程度)に見えました。
燃費

4


高速(2/3)・市街地(1/3)を延べ249.4km走行してハイオクガソリンを25.07L消費し、満タン法での燃費は9.95km/Lと出ました(エアコンはほぼ不使用)。同じ使い方で147が通算11km/L走ったことを考えると、ATと重量差のハンデ分としては妥当なところでしょうか。
燃料タンクも147の60Lに対し50Lと少なく、航続距離では大きな差となります。
価格

4

当時の車両価格は同クラス・排気量のアルファ147との比較でおよそ50万円高でしたが、概ね納得できるのではと思われます。
故障経験
4日間の借用中は、ありませんでした。

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