日本ではなく、北米市場先行で注目
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】マツダ3 すでに特別仕様車が マツスピ・アクセラと比較【詳細】 全45枚
なぜ、エンジン音によるティザーなのか? なぜ、アメリカなのか?
そこには、アメリカのマツダファンにとって忘れられない「あのクルマ」の存在がある。
マツダの北米事業会社が6月末、ツイッターで公開した動画。
背景は、魂動デザインの象徴であるカラーリング、ソウルレッドをモチーフとしたイメージ。そこに、2020年7月8日という日程が浮かび上がり、背後には吹き上がるエンジン音が収録されていた。
いったい、どのモデルのティザーなのか? なぜ、エンジン音にこだわるのか?
このツイートについて、アメリカの自動車系メディアの間では「ついに帰って来るのか!?」といった論調が目立った。
予測されていたのは、マツダ3ターボのことである。
公開されたのは、「スカイアクティブG2.5T」搭載のマツダ3。同エンジンは北米「CX-5」などにも搭載されている。
そんな既存エンジンを、他の既存モデルに採用するだけなのに、アメリカではマツダ3ターボに大きな期待がかかっている。
わざわざティザーで、ターボエンジンを聞かせるといった演出までして。
さらにいえば、マツダのハイパフォーマンス系ブランドである、マツダスピードの量産ラインでの復活についても、マツダ3ターボが大きなきっかけになるかもしれない……といった期待がアメリカで高まっている。
ハイパフォーマンス系モデルへの期待
近年、アメリカ市場ではC/Dセグメントと呼ばれる中小型車市場からSUVへのシフトが加速している。
マツダとしては、SUVではCX-5を中核として、ボディサイズがさらに大きくアメリカでの需要が期待できるCX-8、そしてスタイリッシュ性と新世代プラットフォーム採用によってさらなる走りの良さを追求したCX-30という、マツダSUV群の販売を強化してきた。
一方で、C/Dセグメントでは、近年中にフルモデルチェンジするマツダ6、そして現時点ではマツダ3の販売拡大を進めている。
むろん、新型コロナウイルス感染拡大の影響は大きく、さらに全米での経済活動再開による第二波に対する不安も広がり、自動車販売の回復ペースが順調に上がっていかないのではとの懸念もある。
そうした状況での登場となった、ガソリン2.5Lターボエンジン搭載のマツダ3。
同エンジンがCX-5の米2020年モデルに搭載された際の触れ込みは「最もパワフルなCX-5」。最大出力は250psである。
CX-5より車重が軽いマツダ3ならば当然、運動性能の基準値のひとつであるパワーウエイトレシオは上がる。CX-5より重心も低く、運動特性も当然、スポーティさに直結する。
そうなってくると、アメリカのマツダファンは「あのクルマの再来か!?」と心が躍る。
マツダスピード・アクセラの再来か?
「あのクルマ」とは、マツダスピード・アクセラ(マツダスピード3)だ。
マツダ3の前身であるアクセラ。その初代モデルで2006年にハイパフォーマンスバージョンとして追加ラインアップされた。
エンジンは2.3L直噴ターボで、最大出力は264ps、最大トルクは38.7kg-m。
当時、日系Cセグメントのハイパフォーマンスモデルといえば、もちろん、スバル「WRX STI」と三菱「ランサー・エボリューション」が2巨頭として君臨していた。
それぞれWRC(世界ラリー選手権)という過酷な実戦からフィードバックされた最新の四輪駆動システムを搭載。
これら2モデルに対してマツダは、けっして真っ向勝負を挑んだのではない。
ラリーやレースといった競技車との繋がりではなく、街乗りでユーザーが「あっと驚くような」楽しい走りを提供した。
2006年発売当時、筆者(桃田健史)は、日米での公道、サーキット、自動車メーカー各社のテストコースで、マツダスピード・アクセラ(マツダスピード3)を他車モデルと比較試乗している。
その際、感じたのは「楽しさの演出」だ。
クルマとしては、かなりのジャジャ馬。アクセルオンで前輪が路面とのトラクションが時たま抜けるほどの、いわゆるトルクステアが激しい。
さらには、加速時に車体後部が沈み込む、スクワット量が多い。
新マツダ3ターボはどんな感じなのか
スクワット量が大きいことで、ドライバーとしては、なんだか凄く豪快に加速しているような感覚を持つ。
こうしたセッティングについて、他メーカーのハイパフォーマンス系開発担当者は当時、「ユーザーに楽しんでもらうという手法として、なるほど、と思えるところもありますが、弊社での採用は難しい」とコメントしていた。
結果として、マツダスピード・アクセラは、アメリカで「もの凄く速い(速いと感じる)マツダ車がある」「マツダのターボ車は凄い」とスポーツカーファンの間で大きな話題となったのだ。
こうしたマツダの歴史を覚えている、マツダユーザーやディーラーマンが大勢いる。
だが同時に、2010年代以降にマツダ第6世代、そして新型マツダ3からマツダ第7世代へと移行し、マツダはもう「マツダスピード・アクセラ時代のマツダではない」ことも、アメリカ人の多くが知っている。
今回のターボ化したマツダ3は、走りの演出ではなく、真のハイパフォーマンスを体感できるクルマの仕上がっていることは間違いない。
果たして、日本上陸はあるのか?
また、現在はディーラーオプションの一部として扱いがある、マツダスピード。
マツダ第7世代の切り札として「次世代マツダスピード」登場に、日米を筆頭に世界のマツダファンの期待が高まる。
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たいしたブランド価値がないだろ