■なぜ海外で先に発売される日本車が増加?
最近は国産の新型車がまず海外で発売され、その後に遅れて国内市場に投入するパターンが増えています。
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例えば日産「エクストレイル」は、2020年10月に北米での兄弟車となる新型「ローグ」の販売を開始しました。
これについて販売店に問い合わせると「新型の発売時期はメーカーから知らされていません」とのことです。
しかも国内で売られるエクストレイルは、北米で新型ローグを発売した2020年10月に、フルモデルチェンジではなく一部改良を実施しています。
コストを費やして改良すると、少なくとも1年間は生産を続けます。つまり新型エクストレイルを国内で発売するのは、2021年の末から2022年でしょう。
新型モデルについては、2021年4月21日に中国・上海で開催される上海モーターショー2021で世界初公開されると発表されましたが、日本ではなく中国で先行して公開されるというわけです。
一方、北米での販売が好調なスバルは、新型「レガシィ」を2019年7月に北米で生産を開始しています。
日本では、セダンの「レガシィ B4」が2020年後半に国内販売を終了。しかし、セダン需要の低迷により新型モデルは日本に導入されることなく歴史に幕を閉じるようです。
一方、レガシィのクロスオーバーSUVである「アウトバック」は、2021年1月下旬まで現行モデルの注文を受け付けていました。
現行レガシィの受注が終わり、ようやく国内にも新型モデルが導入されるのかと思って販売店に問い合わせると、「いまのところメーカーから新型アウトバックの国内発売時期は聞いていません」と返答されました。
また三菱「アウトランダー」は、2021年4月から北米で発売すると発表されました。三菱の販売店に国内導入時期を尋ねると「現時点では未定です」と返答されました。
さらに「おそらく2021年中には国内でも発売すると思いますが、具体的な時期は知らされていません」(三菱販売店)とのことです。
いずれの販売店から共通して聞かれた意見は、「お客さまからの問い合わせが多いので、せめて今後の予定は聞かせて欲しいです。現時点(2021年3月時点)で、海外において新型モデルが披露されている以上、新年度(2021年4月)に入ってから知らされたのでは遅いです」というものでした。
いまはインターネットが普及していますから、各メーカーの北米や欧州のホームページを見れば、どのような車種を扱っているのかわかります。
とくにエクストレイルやアウトバック、アウトランダーなどは、根強いファンに支えられて相応の台数が保有されています。
海外で新型が発表・発売されると「国内ではいつ売るのか」という問い合わせがくるのは当然です。
この返答が曖昧では、顧客満足度も下がります。メーカーは海外の情報を発信したなら、国内の見通しも公表すべきです。輸入車ではなく日本のメーカーには、この配慮が必要です。
それにしても、日本のメーカーが日本車を海外で先行発売する理由は何でしょうか。メーカーの商品開発担当者に尋ねると、以下のように返答されました。
「いまの日本車は、日本だけでなく、北米、欧州、中国など複数の国や地域で販売される車種が多いです。このような車種では、すべての地域で同時に発売するのは難しく、市場によって発売時期に時間差が生じます。
この発売順位は販売規模に基づくので、日本で販売台数が少ない車種は、海外に比べて遅れます」
昨今の日本メーカーは海外の生産拠点もあり、日本国内よりも海外で多くのクルマを販売しています。
2020年の各メーカーの国内販売比率は、日産が12%、トヨタとホンダは14%、スズキは26%、ダイハツは65%でした。
ダイハツは国内比率が高く60%を超えますが、ほかのメーカーは20%以下が多いです。そうなると世界生産台数の80%以上を海外で販売するので、商品開発や発売タイミングも海外優先になることが多いです。
ただし各車種ともにフルモデルチェンジをおこなうサイクルが5年から6年ですから、海外に比べて発売タイミングが遅れるとしても、最長で1年間でしょう。
レガシィは前述の通り2019年7月には北米で生産を始めたので、すでに1年半以上を経過しています。
またホンダ現行「アコード」は、2017年7月に北米仕様が発表され、日本国内の発売は2020年2月でした。北米から2年半も経過して日本国内に投入されています。
フルモデルチェンジの周期が5年から6年で、発売が2年半も遅れると、生産期間の約半分に相当しますが、これでは遅れ過ぎだといえます。
■国産メーカーが海外比率を高めた事情とは?
最近のクルマはどの車種でも、フルモデルチェンジをおこなうと衝突被害軽減ブレーキなどの安全装備と衝突安全性が向上します。
エクストレイル、レガシィ、アウトランダー、アコードのように、海外は新型、日本国内は旧型を販売する状況が続くことは、日本のユーザーには海外に比べて安全性の劣った商品を提供することになります。
海外のメーカーなら、日本の優先順位が下がって仕方ないともいえますが、日本のメーカーは違います。
どのメーカーも発足当時は国内販売が中心で、日本の顧客に育てられました。その後、1973年のオイルショックをきっかけに、低燃費で低価格、故障が少ない日本の小型車が注目され、海外比率が30%を超えました。
1980年代に入ると、海外の生産拠点も設けられ、日本メーカーの海外販売比率は50%前後に達します。
それでも50%前後の国内比率は守っていましたが、1990年代初頭にバブル経済が終わると状況が変わりました。
税制改訂で3ナンバー車の不利が撤廃されたこともあり、海外向けの3ナンバー車を国内へ流用するようになったのです。
ボディの拡大というよりも、国内で売るクルマが海外向けになり、日本のユーザーが離れて国内販売台数は急降下しました。
その結果、軽自動車が中心のダイハツやスズキを除く各メーカーは海外比率を高め、2000年には60%、2000年代中盤には70%、2010年頃には80%に達したのです。
国内の売れ行きは相対的に下がり、国内販売比率も20%以下まで急減。その結果、海外向けの車種が増えて、発売タイミングも日本向けは遅れるようになりました。
海外比率が急増したのは2000年以降ですが、そうなるまでの日本のメーカーを支えていたのは国内市場です。
国内での発売が海外から1年以上遅れると、メーカー自身や販売会社も販売促進に熱が入らず、結局は不人気車で終わってしまい、これはもったいない、とても惜しいことです。
それでも最近は日産が「今後はホームグラウンドの国内市場を見直す」と発言するなど、状況が少しずつ変わりそうです。
まずは新型車を発売するタイミングを是正して、大切に売ることを考えるべきでしょう。
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