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大胆な挑戦と豪快な失敗こそホンダの真骨頂 名車であり迷車でもあったホンダの挑戦車たち

掲載 更新 36
大胆な挑戦と豪快な失敗こそホンダの真骨頂 名車であり迷車でもあったホンダの挑戦車たち

 S660、クラリティ、レジェンド、オデッセイといったホンダを象徴するモデルの生産終了が明らかとなった2021年。そして、8月3日にはNSX生産終了の一報も……。これら一連のニュースはホンダファンだけでなく、多くのクルマ好きに衝撃を与えたことは間違いない。しかし! ホンダは夢を原動力に、世界中のユーザーと喜びや感動を分かち合うチャレンジを続けてきた。それは今後も変わらないはず。これからのホンダのチャレンジに大きな期待を込めて--ここではホンダらしさを満載した5台の隠れ名車を紹介していこう。

文/FK、写真/本田技研工業

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時代を先取りしすぎた悲運の短命モデル、2代目「Z」

中古車市場でも30万円前後で程度の良いものが手に入るZ。アウトドア好きのセカンドカーとしてもお薦め

 ホンダのZといえば、水中メガネと呼ばれたリアウィンドウとスポーティなクーペフォルムで人気を博した1970年9月登場のZ360を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、ここで紹介するのは1998年10月にデビューした2代目のZ。

 その一番の見どころは50:50の重量配分を生み出す、後席床下にエンジンを配したアンダーミドシップレイアウト。上位グレードのZターボは64PSのハイパー12バルブインタークーラーターボエンジンと走破性の高いリアルタイム4WDとの組み合わせによって高い走行性能を発揮した。

 他にも、エンジンの床下配置によって確保された小型車並みの居住空間やボディ変形量の最小限化と乗員の傷害値低減を両立した世界最高水準の衝突安全性などが新しい価値を創造した2代目Zだったが、2002年8月に販売終了。ホンダらしい走りを重視したパッケージやSUV然としたスタイリングは、アウトドアブームに沸く今の時代ならヒットしていたかも?

軽自動車としては掟破りともいえるほどの居住空間を実現。サーフボードを積載できるKカーは画期的だった

時代の波には逆えず……。コンパクトセダンの革新を掲げた「グレイス」

「フツーのコンパクトセダンは作らん!」と言う意気込みは感じられたものの、販売台数は低迷……

 5ナンバーサイズの4ドアセダンとして2014年12月に登場したグレイス。1.5リッターアトキンソンサイクルDOHC i-VTECエンジンに高出力モーターを内蔵した7速DCTにリチウムイオンバッテリー内蔵のIPUを組み合わせたSPORT HYBRID i-DCDは、ハイブリッドセダンNo.1の低燃費を実現。

 優れた乗り心地をもたらした入力分離式ダンパーマウントや、遮音・吸音材の適切な配置&騒音の侵入源となる隙間対策の徹底による静粛性の高さはクラスを超えた上質感を提供した。

 “コンパクトセダンの革新”のコンセプトに基づいた、注目に値する装備の数々はグレイスに対するホンダの熱量を感じさせるものだったが……。ひと昔前だったら、挙げ出したらきりがないほどのラインナップを誇った5ナンバーセダン。しかし、今や新車で買えるのはトヨタのカローラ アクシオだけという絶滅危惧の危機に瀕しているが、グレイスもまたそんな時代の波に呑まれて2020年7月をもって生産を終了した。

真の羊の皮を被った狼だった!? ホンダ最後のライトバン「パートナー」

ホンダは商用車の分野でも名車を世に送り出している。走りも良し、使い勝手も良しのパートナーはコアなファンが多かった

 ホンダの商用車といえば1963年登場のT360を筆頭にステップバン、アクティ、バモス、N-VANなどの軽自動車が有名だが、パートナーはライトバン型の商用車として1996年3月に登場。商用車ならではの広いカーゴスペースはもとより、1.3リッター、1.5リッター、1.6リッターの全エンジンに採用された電子制御燃料噴射システム(PGM-FI)による十分な出力と、商用車としては珍しい4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションによる快適な乗り心地と安定性でゆとりの走行性能を発揮した。

 2006年3月のフルモデルチェンジではスムーズな加速性能とクラストップレベルの燃費性能を実現した1.5リッターi-DSIエンジンにクラス初の5速ATを搭載。フロントシート下に燃料タンクを配置したセンタータンクレイアウトによって多彩なシートアレンジやクラストップレベルの荷室容量も確保。

 しかし、2010年8月、パートナーのベース車両でもあったステーションワゴンのエアウェイブとともに販売を終了した。

今は懐かし“スポコン”で大ブレイク! 初代「シビック クーペ」

同じシビックシリーズのクーペモデルCR-Xとは一線を画するおとなしめなスタイリングだったが、なぜか過激なカスタムベースの車両として人気に

 スポコンと呼ばれるカスタムが流行した2000年代前半。スポコンとはド派手なボディカラー&エアロパーツにピカピカのメッキホイールや妖艶なライトアップなどでアングラ的な雰囲気を醸し出すカスタム手法だが、そのベース車両として抜群の人気を誇ったのがアメリカで開発・生産された初代のシビック クーペ。

 アメリカで1992年10月に、国内では1993年2月に発売を開始したシビック クーペ、走りの面ではエンジンが130psを発生するD16A型1.6リッター SOHC16バルブのVTEC、トランスミッションは4ATのみの控えめなスペックながら、スラントしたフロントウィンドウから流麗なリアウィンドウへのつながるシルエットや前後を絞り込んだボディ形状などでスタイリッシュかつ美しいクーペスタイルを主張。

 アコースティック・リサーチ社との提携による6スピーカーのサウンドシステム、オートエアコン、アッパーベンチレーションシステムといった快適装備も充実していた。

ユニークすぎるエクステリアは今見ても斬新すぎる!? 「エレメント」

販売期間がたった2年という短命に終わった悲劇のモデル。ホンダらしさを感じさせる斬新なクルマだった。その斬新さが仇となった!?

 シビック クーペと同じく、アメリカで開発・生産し日本に輸入されるかたちで2003年4月に販売をスタートしたエレメント。

 ボディ下部に採用された新開発の樹脂製クラディング、センターピラーレスのボディ構造、両側観音開きのサイドアクセスドアなど、“新価値SUV”のコンセプトに違わぬチャレンジングなエクステリアデザインは賛否両論を巻き起こした。

 そんな先鋭的すぎるコンセプトが災いしたのか、国内販売台数は約3000台と伸び悩み、唯一無二の新価値SUVは発売からわずか2年3カ月後の2005年7月に輸入が終了した。とはいえ、現代SUVの先鞭をつける装備が充実していたこともまた事実。

 例えば、汚れたままの道具を気にせず積める水拭き可能なワイパブルフロア、濡れても拭き取れる防水シート表皮、撥水ルーフライニングなどはその代表格。わがままな要求にも応えるフレキシブルなユーティリティはアクティブユーザーのライフスタイルをしっかりサポートした。

アイディア満載の夢のある、遊べるクルマだったが、ベースグレードで272万円という価格に割高感もあったのか?

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Merkmal

みんなのコメント

36件
  • > ホンダは夢を原動力に、世界中のユーザーと喜びや感動を分かち合うチャレンジを続けてきた。

    この勘違いがそもそも間違い。
    ホンダが狙っていたのは「ニッチ商品」。
    それはトヨタ、日産と言う二大柱と、それに付い従いする三菱、マツダと言う「王道」が有って成立つ「隙間」。
    王道と違う物を作れば差別化され個性的と言われ、それが「ホンダらしい」と言われた。
    だが、ニッチが商売になると分かり他が参戦すればそれはニッチで無くなる。
    その時にホンダは迷走し結局負けるんだよなぁ。
    そりゃそうだ、ホンダはホンダの意思、拘りが有ってその道を歩んでいたのでは無く、単に王道を避けていただけなんだから。
    日産、三菱、マツダが落ちてトヨタの一本道になった時、ホンダがもう一つの王道を進まなくっちゃいけないのに、残念ながらホンダには王道を歩む経験もノウハウも無い。
    それが「ホンダらしさ」の正体。
  • Dラーで直せない、メーカーは無視。ホンダの車に手を出せない。買わない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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