現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > アウディ、VW、メルセデス、BMW…あと何年でドイツの自動車メーカーはエンジン車をやめるのか?

ここから本文です

アウディ、VW、メルセデス、BMW…あと何年でドイツの自動車メーカーはエンジン車をやめるのか?

掲載 更新 10
アウディ、VW、メルセデス、BMW…あと何年でドイツの自動車メーカーはエンジン車をやめるのか?

アウディ:目標は2033年。2026年以降の新型はすべてEVに

「自動車の未来は電気」。少なくとも各国の自動車メーカーはこの点では一致している。しかし「いつから?」「どこで?」といった具体的な、そして統一した動きはこれまでにはなかった。

エンジン車全廃へ秒読み開始 世界で広がるエンジン車排斥でどうなるクルマ社会

そんな中、フォルクスワーゲングループ傘下にあるアウディのマルクス・ドゥスマンCEOは6月22日にベルリンで開催された気候会議で、「アウディの内燃エンジン(※以降、ICEで統一)搭載モデルは今後4年間に開発、販売されるものが最後で、2026年以降に登場するニューモデルはすべてピュアEVになる」と語った。※既存モデルは継続生産。

アウディは戦略的再編の一環としてeモビリティへの切り替えを加速している。継続生産されるICE搭載モデルも、2033年までに段階的に廃止する一方、EVモデルの充実を図り、2025年までに20モデル以上のEVを市場に導入する計画を立てている。

そして2050年にはアウディはバランスシート上ではカーボンニュートラルになるはずである。しかし、アウディはICE搭載モデルの最終的な終焉は顧客と法規によって決定されるとも考えている。

つまり、売り上げ台数の約35%を占める中国では2033年以降もICE搭載モデルの需要が見込まれているため、現地生産でこの問題を回避するつもりなのだ。必要であれば、親会社のフォルクスワーゲンからICEの供給を得ることも可能だろう。

フォルクスワーゲン:2035年が目標だが、中国などはそれ以降に

一方、親会社フォルクスワーゲンの会長ヘルベルト・ディ―スは3月に開催されたオンライン・イベントで自社EVに供給可能な電池を生産するギガファクトリーをEU内に4か所建設、2030年までには80%をカバーする目処をつけ、将来的には電池価格を1kWhあたり100ユーロ(約1万3000円)にまで下げると語った。

そして販売担当重役のクラウス・ツェルマーはミュンヘンの日刊新聞“ミュンヒナー・メルキュアー“とのインタビューで「VWはヨーロッパでは段階的に2033年から2035年の間にICEビジネスとの決別をはかり、アメリカと中国に関してはもう少し先の話になるだろう」とし、「南米とアフリカでは政治的およびインフラの問題でさらに時間が掛かる」とも付け加えた。

世界第2位の規模を持つフォルクスワーゲンは、他の欧州メーカーとは違いICEとEVの切り替えに際しては克服しなければならない、様々な課題を抱えている。そこがすでに決別宣言をしたボルボやジャガー、MINIなど他の欧州自動車メーカーとは異なるところである。ツェルマー重役は「遅くとも2050年までにすべてのフォルクスワーゲン全車種がCO2フリーに、そして2030年までにはヨーロッパ内での総販売台数の内70%はEVになるだろう」とも語っている。

それによってEU委員会の厳しい気象変動規制に対応できる、あるいはその上を行くことができると考えているのだ。しかし一方でディーゼルエンジンもあきらめていないのが気になるところである。特にドイツでは長距離を走るドライバーには相変わらずディーゼルの人気は高いのだ。

メルセデス・ベンツ:目標の2039年から、さらに5~8年前倒しに

他のドイツ・メーカーの動きはどうだろか? 国際市場に広く製品を提供するメルセデス・ベンツもVWに類似した状況であり、これまで積極的に“ICEとのお別れの日”がいつなのかは明言を避けている。この会社ではっきりしているのは、新たなICEの開発は行わないということだ。その結果、市場に出回るガソリン&ディーゼルエンジンの数(種類)70%減少するはずだ。

社長のオーラ・ケレニウスは2039年には同社のフリートはカーボンニュートラルになると発言しており、これが内燃機関との決別タイミングと思われていたが、最近では「5年から8年前倒し」になると公言している。メルセデス・ベンツは小口株主が多く、株価を大事にしており、昨今のテスラの時価総額の点で投資家に安心材料を与えたいのかも知れない。

BMW:やめる時期は発表しないが、MINIは2030年と発表

またBMW社長で欧州自動車連合の会長でもあるオリバー・ツィプセは気候変動を理由にICEを禁止することに何度も反対し、パワートレーンの選択肢は柔軟にしておくと繰り返して主張している。彼らは明らかに終了時期をアナウンスすることを拒否、「我々業界の意思決定はユーザーの立場から考えるべきだ」とも語っている。

3月に行われたドイツのトップ自動車メディア「アウト・モトール・ウント・シュポルト誌」の調査では、およそ30%の読者が「ICEの禁止日を特定すべきではない!」と表明しているが、こうした世論もBMWの戦略の背景にはあるだろう。

一方で、BMWは2030年に販売車種の50%はEVになると語っており、MINIブランドはICEの新型車投入は2025年までで、2030年にはEV専売ブランドとなることを宣言している。

また、来年から5シリーズや7シリーズがモデルチェンジを迎えるが、ベースとなるCLARプラットフォームはフレキシブルで、先に発表されたi4と4シリーズグランクーペのようにICEとEVの両方のパワープラントを選択できるが、ICE車のラインアップは減少する。20年代半ばにはEV専用プラットフォームと新しい自社製のセルを使った「ノイエクラッセ(新世代)」が登場予定である。

レポート:木村好宏

※写真:アウディ e-tronシリーズ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

トヨタ”最高級クラウン”「マジェスタ」がスゴかった! 大排気量「V8エンジン」搭載の超“豪華内装”モデルとは?
トヨタ”最高級クラウン”「マジェスタ」がスゴかった! 大排気量「V8エンジン」搭載の超“豪華内装”モデルとは?
くるまのニュース
ダイハツ初代「ロッキー」風の「タフトラッキー」実車展示へ! 旧車デザイン&レトロ内装がカッコイイ! DAMDのカスタム「軽SUV」東京オートサロン2025に登場!
ダイハツ初代「ロッキー」風の「タフトラッキー」実車展示へ! 旧車デザイン&レトロ内装がカッコイイ! DAMDのカスタム「軽SUV」東京オートサロン2025に登場!
くるまのニュース
年末年始の高速道路は「戦場」か? 渋滞25km、SA満車で大パニック! 快適ドライブを実現する乗り切り方とは
年末年始の高速道路は「戦場」か? 渋滞25km、SA満車で大パニック! 快適ドライブを実現する乗り切り方とは
Merkmal
かっこいい!! これぞ大人のスポーツカー!!!!  [アーティザンレッドプレミアムメタリック]が眩しい[ロードスター]が出たって!!!!!!!!
かっこいい!! これぞ大人のスポーツカー!!!!  [アーティザンレッドプレミアムメタリック]が眩しい[ロードスター]が出たって!!!!!!!!
ベストカーWeb
ホンダ「レブル1100」【1分で読める 国内メーカーの現行バイク】
ホンダ「レブル1100」【1分で読める 国内メーカーの現行バイク】
webオートバイ
スバルが新開発した2.5Lストロングハイブリッドは先駆者トヨタよりどこが凄い? 大したことはないのか??
スバルが新開発した2.5Lストロングハイブリッドは先駆者トヨタよりどこが凄い? 大したことはないのか??
ベストカーWeb
ダイハツが東京オートサロンに2年ぶりに戻ってくる!! ミライースやコペンGR SPORTなどモータースポーツ中心の7台を出展!!!!
ダイハツが東京オートサロンに2年ぶりに戻ってくる!! ミライースやコペンGR SPORTなどモータースポーツ中心の7台を出展!!!!
ベストカーWeb
[e-POWER]だけじゃ限界!! 高速燃費の悪さが超厳しい!! 解決策はあるのか?
[e-POWER]だけじゃ限界!! 高速燃費の悪さが超厳しい!! 解決策はあるのか?
ベストカーWeb
スバル北本工場って凄い!!! トヨタとは違う!? 生き残りをかけた最新のストロングハイブリッドS:HEVの生産工程は目ん玉が飛び出るほど驚いた!!!!!
スバル北本工場って凄い!!! トヨタとは違う!? 生き残りをかけた最新のストロングハイブリッドS:HEVの生産工程は目ん玉が飛び出るほど驚いた!!!!!
ベストカーWeb
飲んでも美味しい「観音温泉」の“うぶ肌の湯”で身も心もリフレッシュ【風呂じまんの宿31選】
飲んでも美味しい「観音温泉」の“うぶ肌の湯”で身も心もリフレッシュ【風呂じまんの宿31選】
グーネット
【激注意!!】6時前にもう満車!? [羽田空港の駐車場]がいっぱいだったらどうすればいいのか?
【激注意!!】6時前にもう満車!? [羽田空港の駐車場]がいっぱいだったらどうすればいいのか?
ベストカーWeb
読者の値引き実例 私もX氏
読者の値引き実例 私もX氏
グーネット
PACIFIC RACING TEAM、人気VTuberグループ『ぶいすぽっ!』とのコラボが2024年末で終了と発表
PACIFIC RACING TEAM、人気VTuberグループ『ぶいすぽっ!』とのコラボが2024年末で終了と発表
AUTOSPORT web
残念な年末年始を迎えないために!! これだけは絶対覚えておきたい[道交法のキホン]
残念な年末年始を迎えないために!! これだけは絶対覚えておきたい[道交法のキホン]
ベストカーWeb
「エアーズロック」を目指して半日で450キロ爆走! やっと彼方に見えてきた巨大な岩山は「ウルル」じゃなかった!?【豪州釣りキャンの旅_15】
「エアーズロック」を目指して半日で450キロ爆走! やっと彼方に見えてきた巨大な岩山は「ウルル」じゃなかった!?【豪州釣りキャンの旅_15】
Auto Messe Web
人気No.1レースアンバサダーの栄冠を手にするのは? RAアワード2024ファイナリストそれぞれの想い Vol.3
人気No.1レースアンバサダーの栄冠を手にするのは? RAアワード2024ファイナリストそれぞれの想い Vol.3
AUTOSPORT web
ロータス・エリーゼのレストモッド 電動・最強のGクラス 英編集部の2024年に「1番好き」な1台!(2)
ロータス・エリーゼのレストモッド 電動・最強のGクラス 英編集部の2024年に「1番好き」な1台!(2)
AUTOCAR JAPAN
【アメリカ】日産「パスファインダー」2025年モデルに反響多数! 「4WD欲しくなる!」「存在感半端ない!」の声! 3.5リッターV6エンジン×9速ATがスゴイ! 超タフ仕様SUV登場!
【アメリカ】日産「パスファインダー」2025年モデルに反響多数! 「4WD欲しくなる!」「存在感半端ない!」の声! 3.5リッターV6エンジン×9速ATがスゴイ! 超タフ仕様SUV登場!
くるまのニュース

みんなのコメント

10件
  • ここのところエンジン終焉などのEV化推進ともとれる記事をやたらと見るけど、自動車業界としては電力や給電インフラを含めてエンジン車とEVの共存の可能性を議論すべきなんじゃないか?車メーカーが独り歩きしたってインフラが追い付かない地域や寒冷地ではエンジン車が無くなればかなり困ると思うよ。
  • エンジンは終わらない
    代替え燃料に移行し、存在し続ける。
    現在の電車技術の純EVは3年後にはなくなるだろう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村