近年、クルマの価格は一時期よりも高くなった印象があります。しかし、先進安全装備の充実や、ハイブリッド、ダウンサイジングターボなどの低燃費化技術の採用を考えると、じつは安くなっているのかもしれません。
本物のセレブは普通のクルマは買わない!? 一方で、クルマには庶民に無縁の世界があります。想像を絶するような富裕層が、人とは違う贅を尽くしたクルマに乗りたくなるのは万国共通のようです。
桁が違う… 5007馬力の12000ccエンジン搭載 ドバイ製スーパーカー登場
そこで、特別に作られた超高額なクルマ5車種をピックアップして紹介します。
●ブガッティ「ラ・ヴォワチュール・ノワール」
もはや美術品の域に達しているブガッティ「ラ・ヴォワチュール・ノワール」「ヴェイロン」や「シロン」といった超弩級なスーパーカーで有名なブガッティの製作による、2019年にジュネーブモーターショーで発表された超高額なクルマが「ラ・ヴォワチュール・ノワール」です。
同社のシロンをベースにワンオフモデルとして作られたこのクルマの価格は、日本円で約20億円(1900万ドル)と報道されています。
フランス語で「黒いクルマ」を意味する車名が表すとおり、ハンドメイドのカーボンファイバーを用いたボディは、漆黒の仕上がりで、パワーユニットはベースとなったシロンと同じ最高出力1500馬力、最大トルク1600Nmの8リッターW型16気筒4ターボエンジンが搭載されています。
20億円という価格を聞いてもなかなかピンときませんが、年末ジャンボ宝くじの1等賞金が7億円ということを考えると、このクルマがいかにケタ違いかがわかります。
●ロールスロイス「スウェプテイル」
ロールスロイス、究極のビスポークといわれる「スウェプテイル」 イギリスの高級車ブランドであるロールスロイスが、2017年にイタリアのクラシックカーイベント「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」でお披露目したクルマが「スウェプテイル」です。
同社のフラッグシップクーペである「ファントムクーペ」をベースに製作されたこのクルマは、ワンオフモデルかつ完全オーダーメイドであり、価格は日本円で約14億円(1300万ドル)とされています。
1920年代のロールスロイスを愛するクライアントから依頼されたというこのクルマは、ベース車の良さはそのままに、ボディパネルやインテリアデザインといった随所にオーナーの趣向が反映されており、とくにアルミ削り出しとされる「パルテノングリル」が目を見張ります。
ロールスロイスは伝統的にこのようなオーダーメイドモデルを受注しており、そのプログラムは「ビスポーク」と呼ばれています。
スウェプテイルほどではなくても、各モデルとも外装のカラーや内装のデザイン、材質などは、ユーザーが求めるものでオーダーできます。
●マイバッハ「エクセレロ」
コンセプトカーとして製作されたマイバッハ「エクセレロ」 マイバッハ「エクセレロ」は、2005年にマイバッハがコンセプトカーとして発表したモデルでした。
エクセレロはショートホイールベースのラグジュアリーセダン「57」をベースに、ドイツのタイヤメーカー「フルダ」の開発プロモーション用として1台のみが製作されました。
車両重量2.6トンの重量級ながら最高速度は350km/hを超えるなど、モンスター級のラグジュアリークーペとして話題を呼び、流れるような特徴的なデザインは、ドイツのプフォルツハイム大学の学生チームによってデザインされました。
エクセレロはコンセプトカーとして製作されたため、本来ならば門外不出ですが、イギリスの自動車番組「トップギア」によると、2011年にアメリカ人ラッパーのバードマンが日本円で約8億円(800万ドル)で購入したとしています。
また、同じくアメリカ人ラッパーのJAY-Zのミュージックビデオにもエクセレロが登場しており、アメリカのポップカルチャーに少なからず影響を与えているようです。
スーパーカーの老舗、ランボルギーニも特別な1台を製作●ケーニグセグ「CCXR トレヴィータ」
軽量ハイパワーなスーパーカーの王道を行くケーニグセグ「CCXR トレヴィータ」 2006年にスウェーデンのスーパーカーブランドであるケーニグセグから発表された「CCX」の特別モデルとして販売されたのが「CCXR トレヴィータ」です。
CCXR トレヴィータはカーボンファイバー製の外装が特徴で、かつてはカーボンファイバーというと黒一色でしたが、カーボンコーティング技術の採用によってカーボンファイバーをつやのある銀白色に生まれ変わらせています。
そのボディは太陽光に当たるとダイヤモンドを散らしたようなキラキラとした輝きを放つとされており、CCXR トレヴィータは別名「タイヤの付いたダイヤモンド」と呼ばれています。
CCXR トレヴィータはもともと3台生産される予定でしたが、製造の困難さから2台生産され、価格は日本円で約5億円(480万ドル)でした。
最近なにかと話題になることが多いアメリカ人プロボクサーのメイウェザーが一時期所有しており、たびたびメディアでも取り上げられましたが、その後オークションに出品されたようです。
●ランボルギーニ「ヴェネーノ」
ランボルギーニの極少量生産車シリーズのひとつ「ヴェネーノ」 スーパーカーの代名詞であるランボルギーニも、過去にいくつもの特別な1台を製造しています。
なかでも2013年にランボルギーニ創業50年を記念し、同社のアヴェンタドールをベースに3台のみ販売された「ヴェネーノ」の価格は日本円で約3億6000万円(330万ドル)とされています。
車名のヴェネーノはスペイン語で「毒」を意味し、歴史的なスペイン人闘牛士ホセ・サンチェス・ロドリゲスを死に至しめた牛に因んでつけられたとしています。
その車名が表すように、矢のようなフロントデザインと、追い抜かれた後も後続車を威圧するような攻撃的なリアデザインが特徴的です。
3台生産されたうちの1台は、前出のエクセレロを所有していたアメリカ人ラッパーのバードマンが所有しているようです。
※ ※ ※
今回、紹介したクルマは、どれも非日常過ぎてピンと来ませんが、夢のある世界だと思います。
日本ではいまも不景気と叫ばれていますが、それでも大都市では高級車をかなりの頻度で見かけますから、持っている方は持っているということでしょう。
いずれにしても、いろいろなクルマがあるということは、見ているだけで楽しめます。
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