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プリウス誕生の遥か前から気合が入っていた? 昭和のエコカー3選

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プリウス誕生の遥か前から気合が入っていた? 昭和のエコカー3選

■昭和の時代に誕生したエコカーを振り返る

トヨタは1997年に、世界初の量産ハイブリッド車である初代「プリウス」を発売しました。世界中のメーカーがハイブリッド車の開発をおこなっていましたが、量産化が困難だったなかの快挙です。

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初代プリウスの登場以降は各メーカーともハイブリッド車を次々に発売し、またたく間に普及してエコカーのスタンダードとなって現在に至ります。

一方で、初代プリウスの誕生よりも遥か前から燃費性能の向上策はおこなわれており、さまざまな手法が試されていました。

そこで、昭和の時代に誕生したエコカーを、3車種ピックアップして紹介します。

ダイハツシャレード ディーゼルターボ」

ダイハツは1977年に、自社開発した新世代のFFコンパクトカー「シャレード」を発売しました。

エンジンは世界初となる1リッター4サイクル直列3気筒を搭載し、当時はオイルショックによる省エネブームという背景から経済性に優れたシャレードはヒット作となりました。

そして、1983年に登場した2代目では、乗用車用としては当時世界最小排気量の1リッター3気筒ディーゼルエンジンを搭載した「シャレード ディーゼル」を追加ラインナップ。

しかし、最高出力は38馬力(グロス、以下同様)と非力だったことから、翌1984年にはよりパワフルな1リッター・ターボディーゼルエンジン車が加わり、最高出力50馬力にまで向上しました。

ディーゼルエンジンはシリンダーの直径(ボア)が小さい小排気量エンジンでは、良好な燃焼を実現することは技術的には困難というのが定説でしたが、ダイハツは果敢にチャレンジして量産化に成功。

60km/h定地燃費で38.0km/hを達成し、国内最高の低燃費を実現しました。

しかし、ディーゼルエンジン固有の振動や騒音、排出ガスの黒煙の克服が難しかったことと、ガソリンエンジンの改良が進んだことで、1993年に4代目にモデルチェンジした際にディーゼルエンジンは廃止となってしまいました。

なお、現在は排出ガス規制の強化によってディーゼルエンジンはコスト的に不利な状況なため、小排気量化は積極的におこなわれておらず、国内メーカーではマツダが孤軍奮闘している状況です。

三菱ミラージュII 4ドアサルーン/ランサーフィオーレ」

三菱は1978年に、同社初となるFFコンパクトカーの初代「ミラージュ」を発売。FF車の登場は他メーカーよりも後発でしたが、欧州車を思わせるスタイリッシュなデザインや、後にパワフルな1.6リッターエンジンを設定するなど、ヒット作となりました。

そして、1982年にはマイナーチェンジがおこなわれ、車名を「ミラージュII」に改名すると同時に、クラス初のターボエンジン車と、画期的な低燃費エンジン車をラインナップ。

低燃費エンジンは「オリオン1400MD」の名で、従来の1.4リッター直列4気筒SOHCをベースに開発され、「MD」とは「Modulated Displacement」の略です。

日本語では可変排気量と訳され、1番と4番シリンダーの吸・排気バルブを作動あるいは閉塞して、パワーが必要なときは4気筒、必要としないときは2気筒の自動的に変わる世界初の気筒休止を実現し、転じて可変排気量エンジンということになっています。

オリオン1400MDエンジンは4ドアセダンの「ミラージュII 4ドアサルーン」と姉妹車の「ランサーフィオーレ」に搭載され、燃費は20km/L(10モード)を達成しました。

その後、気筒休止は多くのメーカーが採用しており、現在も現役の低燃費化技術です。

ホンダシティ EIII」

ホンダは1981年に、コンパクトカーの初代「シティ」を発売。それまでのコンパクトカーの常識を覆すような高い全高と、スペース効率を重視したショートノーズのスタイル、優れた経済性と走りから大ヒットを記録しました。

ボディは3ドアハッチバックのみで、全車1.2リッター直列4気筒SOHC CVCCエンジンを搭載。最高出力は67馬力(Rグレード、MT車)と、パワフルではありませんが665kg(同)と軽量なボディには十分なパワーでした。

グレードはスタンダードモデルの「R」グレードに加え、当初から低燃費の「E」グレードをラインナップしていました。

その後もマイナーチェンジで「EI」、「EII」と改良がおこなわれ、1985年には「EIII(イースリー)」が登場。

EIIIグレードには軽量・高剛性の「F.R.M.アルミコンロッド」を、量産車として世界で初めて採用しました。コンロッドはピストンとクランクシャフトをつなぐ部品で、鍛造のスチール製が一般的ですが、EIIIでは繊維強化アルミを使用して強度を保ちつつ軽量化を図り、馬力損失を低減。

さらに、キャブレターエンジンながらコンピューターにより混合気を最適な空燃比に制御する「L.L.R.(リーン・リーン・リッチ)システム」を搭載していました。

これは低負荷時には、リーン(薄い)混合気に、中・高負荷時には、リッチ(濃い)混合気にきめ細かく制御する機構で、アルミコンロッドの採用と相まって、1.2リッタークラストップとなる24.0km/L(10モード)の低燃費を達成しました。

残念ながらこれらの技術を採用したのは初代シティのみで、他のモデルに継承されませんでしたが、常に話題を提供していたシティならではのトピックスといえました。

※ ※ ※

初代プリウスの誕生は、今日に至るハイブリッド車の普及を考えると、世界の自動車史でも革命的な出来事だったといえます。

当時、ここまでハイブリッド車が広まるなど、考えられませんでした。

今後、ピュアEVの普及が加速する勢いですが、ハイブリッド車は日本ではまだまだエコカーの主役として君臨し続けることでしょう。

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みんなのコメント

7件
  • 初代のミラージュって気筒休止させるシステムが付いていた。
    FR最終モデルのスターレットにアイドリングストップが付いているグレードがあったな。
  • シャレードディーゼルターボに乗っていました。記事にもあるように定地燃費が38Km/Lだけど、この定地燃費は(定員乗車)つまり5人乗車した時の値。シャレードDTは車重720Kgだからこの負荷は相当に大きく、一人で高速80Km/hで行くと燃費が40Km/Lをゆうに超える時が度々あった。
    車体の大きさはフェンダー部分で1.55m、出っ張ったバンパー部分での全長3.5メートルクラスだから、ちょうど今のミライースと同じ大きさになる。車重もガソリン車だと670kg程度だから
    言い換えれば、今のミライースを5速マニュアルにしてディーゼル乗っけた感じといえば燃費の想像つくんじゃないかな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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