2008年の春にスタートした「富士芝桜まつり」(主催:富士芝桜まつり実行委員会、後援:富士河口湖町・(一社)富士五湖観光連盟)は今年で14回目の開催となり、例年4月上旬~5月末までGWを中心に毎年50万人以上が訪れる大人気イベントとして定着している。
現在は「間もなく閉園」という状況で、5月30日まで園内指定エリアにおいて「芝桜の株掘り体験」が開催されており、無料(入園料に含まれる)で芝桜の株を持ち帰れるイベントを開催している。
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芝桜が植えられているのは富士本栖湖リゾートの一角で、2020年までは2.4ヘクタールの広大な敷地に80万株、8品種の様々な芝桜が美しい姿を見せてくれた。なお、2021年は1.6ヘクタール(約52万株)に規模を縮小しているが、これは2022年にピーターラビットのENGLISHガーデンがオープンするための準備によるものだ。
そして今は芝桜ですっかり有名になったこのエリアには、2008年末まで国内屈指の規模と人気を誇るオフロードコースがあった。正確には、「本栖ハイランド」という複合リゾート施設の中にテニスコートやキャンプ場、イベント会場などがあり、その中にオフロードコースが存在していたのである(もしかしたら、読者の皆様の中に「昔、本栖ハイランドで泥んこになってジムニーで遊んだ!」「ランクル40で岩場を攻めた!」という人もいるかもしれない)。
現在は閉鎖されているが、オフロードコースとして全国各地から多数の四駆乗りたちが訪れた聖地だったのである。
この往年の名コースについて、関係者の証言と現在の様子をお知らせしたい。
【画像ギャラリー】 富士の芝桜と「ミリキャン」の聖地はかつて本格オフローダーの聖地でもあった!!
文/加藤久美子 写真/ミリキャン運営委員会、(株)輪栄、日本ジムニークラブ、加藤久美子
本栖ハイランドがヨンク乗りの「聖地」と呼ばれていた理由
筆者が約30年前、日刊自動車新聞社出版部で非常にマイナーな「4WDスペシャル」という4駆雑誌を作っていた頃、キャンプを初体験したのもこの本栖ハイランドだった。1月半ばのすさまじく寒い時期にしっかりとした防寒具やキャンプ道具を持つことなくランドクルーザー60を所有するキャンプ好きな友人グループに誘われてついていったのだ。
日本ジムニークラブ主催のイベントは1980年代前半からたびたび本栖ハイランドで行われてきた。スーパースージーの表紙を幾度なく飾った
あまりの寒さに気絶しそうだったが、持ち前の高体温(?)でなんとか乗り切り、テント+寝袋で眠りについたと記憶している。朝、起きた時に見たら寝袋の外側が凍っていたことを思い出す。その日の朝の気温はマイナス8度だった。
本栖ハイランドでは1980年代からオフロード走行会やクラブミーティングなど四駆関連のさまざまなイベントが行われてきた。三菱パジェロやいすゞビッグホーン、トヨタハイラックスサーフ、日産テラノなどが一般オーナー向けの4駆が次々と発売され、人気を博すようになった80年代半ばに始まり、バブル崩壊後の90年代以降は、ランドローバーディスカバリーやJEEPチェロキーなど輸入4×4の姿も増えた。
JOA(現JAFEA日本四輪駆動車用品協会)や日本ジムニークラブなど、日本の4駆界発展に大きく寄与した団体による、各種のオフロードレースやオーナーミーティング系のイベントなども盛んに開催されていたのである。
2008年9月閉鎖直前に開催されたオフロードイベントの様子
四駆界の重鎮たちも、本栖ハイランドを懐かしむ
JAFEAの顧問を務める(株)ティアンドエムカンパニー代表の生井幹雄氏は本栖ハイランドが人気だった理由を以下のように話してくれた。
「オフロードコース自体も非常に広大で魅力的でしたが、やはり何と言っても富士山を目の前に臨む立地のすばらしさが魅力でしたね。全国規模の4駆イベントを開催する場合も、遠方から参加される方々が周辺の観光を楽しみながら温泉地で宿泊するなどイベントに付随する魅力がありました。
また、立地的に関東からも中部地方からも参加がしやすいのも良かったです。現在、JAFEAのイベントは茨城県で開催していますが、やはり茨城となると中部地方からの参加者は激減してしまいました」
複数の4WDショップが合同で現在も開催されている「マウンテンクルーズ」というイベントも、2008年秋までは例年、本栖ハイランドで行われていた。株式会社リンエイ松代一彦社長も会場として使ったオフロードコースを懐かしむ。
ホンモノのクロスカントリーが楽しめた本栖オフロードコース(2008年マウンテンクルーズ)
「本栖ハイランドのすばらしさは作られた人工的なオフロードコースではなく自然の地形をそのまま使用して楽しめるコースだったということですね。広大な敷地のほとんどすべてのエリアを使って、オフロード走行を楽しんでいましたよ。岩だらけのごつごつしたエリアだけではなく、第一駐車場から調整池まではフラットダートがあり、ダート競技などに使用していました。通称飛行場と呼んでいましたね」
実は今も、オフロードコースはそのまま残っている!
2008年いっぱいで営業を終了した本栖ハイランドのオフロードコースは、その後、芝桜まつりの会場になったので影も形もすっかり無くなった…と聞いていたのだが…。実は、本栖ハイランドの昔を知る関係者に聞いたところ、「採算が合わないので閉鎖しましたが、実は現在もコースはそのまま残っています」と教えてくれた。
オフロードコースはすっかり整地されてしまったと思っていたので、これはなんだか嬉しかった。今はコースとして使っていないので、当然のことながら草や樹木も伸びっぱなしとのことだが、それでも多くの4×4乗りを熱狂させた「ガメラ岩」や、トライアル競技などにも使用した直径80cmくらいの土管なども当時のまま置いてあるそうだ。
また、オフロードコースとしての営業はしていないが、2018年11月より年1回開催されている「ミリキャン」(ミリタリー&キャンプ)など、ミリタリー系のイベント会場として使われているエリアもある。ファミリーやソロ、グループと様々なスタイルで楽しめるイベントで、第1回300名、2回400名、3回500名と回を追うごとに参加者がふえている人気イベントだ。2021年11月20~22日には、第4回ミリキャン(主催:ミリキャン運営委員会)の開催が予定されている。
ミリタリー&キャンプを融合させたイベント、『ミリキャン』。2018年に第一回が実施され、以降、毎年実施されている
会場となっているのは第2駐車場と呼ばれるエリアで、本栖ハイランドの管理者によると、「芝桜まつり」が行われる4月~5月は駐車場として使用するため貸し出しはできないが、それ以外の時期であれば「オールナイトでの音楽演奏はNG」など一定の制限はあるものの、貸し出しは可能とのこと。
主催のハンマーズに本栖ハイランドの魅力について聞いてみた。
「ミリタリーに理解のある会場なので、通常のキャンプ場やイベント広場では不可の『軍服を来てエアガンをぶら下げながら歩くこと』や『サバイバルゲーム』などが可能なところが最大の魅力です。また、関東からも関西からも集まりやすいエリアというのも良いですね。第2駐車場のキャンプキャパが600名くらいなので順調に行けば今年は満員御礼になるかも知れません。」
なるほど、オフロードコース時代と同様、自由度が高い会場のようである。
ミリキャンでは例年、M113装甲車や自衛隊パジェロなどがゲスト参加して敷地内の林道を中心にした同乗試乗のイベントが実施されて参加者から大変好評を得ている。これらの同乗試乗は今年も開催予定とのこと。
フラットダートを走るハンビー(ハマー)や本物そっくりの各種軍用車など集まるクルマもかなりディープで興味深い。キャンプやフリマはもちろん、隣接したフィールドでサバゲなどサブイベントも開催される。なお、募集は2021年7月頃から予定とのこと。
本栖のオフロードコースに思いをはせながらの、懐かしキャンプも楽しめそうだ。
雪をかぶった富士山と50万株の芝桜が織りなす圧巻の風景
【画像ギャラリー】 富士の芝桜と「ミリキャン」の聖地はかつて本格オフローダーの聖地でもあった!!
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みんなのコメント
何年前だろうか?
モーグル狂いの友人に誘われて何度か行き、友人の運転する様子を見てた事が有って、その影響で今は仲間うちで休みに成れば自分のレンジーやG、カリナンやウルスでいい歳したオッさん達がドロ遊びに講じてる。笑