1999年にデビューしたロータス エリーゼ。
1度のフルモデルチェンジ、1度のマイナーチェンジを経て、3つのフェイズにわたってライトウェイトスポーツ愛好家に親しまれてきたクルマです。
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1フェイズの中にも、エンジン違いや外装違い、限定エディションなどなど…多数のバリエーションが登場。
“エリーゼ”は幌脱着式のオープンカーですが、スポーツエリーゼから派生したクーペタイプの“エキシージ”、完全屋根ナシでほぼほぼレーシングカーな“2-ELEVEN”など、よりスパルタンになったモデルも誕生しました。
のちにエキシージは排気量がアップして、2-ELEVENの後継である3-ELEVENを含めてV6エンジンを搭載したモデルへと進化しました。
そんなエリーゼそんなエリーゼファミリーも、本年2021年をもって生産終了となったのは記憶に新しいところ。
筆者は2010年式のエリーゼR(フェイズ2)に乗っていますが、このニュースを目にしたときはただただ「残念だなぁ…」と思ったことを覚えています。
別に普段エリーゼの集まりに参加したりしているわけではないのですが、生産終了するってことは、街中で遭遇する回数が減ってしまう可能性もありますからね…。
しかしっ!!!
もう新しいエリーゼたちが納車されることはないけれど、中古ストックとして眠っている子たちならいます!
もし今、少しでもロータスが気になっている方、まぁまぁ普通に使えてちょっぴりスパイシーなスポーツカーが欲しい方がいらっしゃれば、ぜひこの贔屓目盛りだくさんの本文をお読みいただき、エリーゼ(もしくはエキシージ)お迎えシーンを想像してみてください!
■1:今後こんなフレンドリーなクルマが世に出ることはないかもしれない!!
つい今しがた“スパイシー”と書きました。
でもコレはエリーゼが日常に刺激を与えてくれるというだけで、決して扱いにくい子ではありません!
むしろ筆者は“とってもフレンドリーな子”だと感じています。
いやもう本当かわいいんですよ…エリーゼ……。
とにかく路面状況をダイレクトに伝えてくれるんです!
あいにく筆者のドライビングテクニックは優れているとはいい難いですが、そんな人間にもしっかり「これはいける」「これはムリ!」を教えてくれて、なおかつ「ムリ!」というときもちゃんと立て直させてくれます。
今タイヤのグリップがどれくらいで、どうステアリングを切ればいいのか…?
アクセルはどれくらい踏むのか、戻すのか?
ブレーキングは…?
こういうインフォメーションを、クルマが教えてくれるのです。
なので筆者は、スポーツカー初心者こそエリーゼに乗ってほしいと思っています。
こうした一面は、主に電子制御がない・・・または最低限なおかげ。
パワーステアリングでないハンドルからは、直にタイヤが地面を蹴っている重みが感じられるので、グリップが軽くなったときは手首も軽くなります。
ゆえに、「そろそろ危ないな」といった状況も、しっかりドライバーがキャッチ。
エリーゼは、ドライバーを磨いてくれるクルマといっても過言ではありません。
しかし世の中的には電子制御は安全面でも欠かせない機能。
ここまで潔いロードカーは、未来永劫現れることはないでしょう。
乗ってて楽しいクルマは他にもたくさんありますが、“全部やってくれる”のではなく“色々教えてくれる”のがエリーゼ。
いかなるときもドライバーに寄り添い、切磋琢磨してくれるフレンドリーっぷりは、近年のスポーツモデルの中でダントツです!
■2:とりわけトヨタエンジンのNAとなると球数が少ない!!
末期はスーパーチャージャー搭載のみのラインナップだったエリーゼ。
ですが、全盛期(?)には、
・1.8or1.6(122~136ps)のスタンダードモデル(18K4F、1ZZ-FE、1ZR-FAEなど)
・1.8(156~192ps)の上位エンジンモデル(18K4K、2ZZ-GE、2ZR-FEなど)
・1.8のスーパーチャージャー(220~243ps)モデル(2ZZ-GE、2ZR-FEなど)
の3グレードで販売されていました。
デビュー当初はローバー製のエンジン(18K)を搭載していましたが、ローバーの終焉をもってエリーゼファミリーはトヨタエンジンを採用することに。
イギリス車なのにエンジンは日本製と聞くと、なんだかちょっと邪道に思えないこともないですが(?)、実際にエンジントラブルは激減し、売り上げも急上昇!
このトヨタエンジン搭載モデルが、多大な人気を博したのです。
中でも、シリーズ中期(フェイズ2)の1ZZ-FE・2ZZ-GE自然吸気モデルは、現在でもひっぱりだこ状態。
MR-Sや7代目セリカに搭載されていたエンジンゆえに、日本人の心を鷲掴みした面もあるでしょう。
いちばんスポーツエンジンらしい特性と、モアパワーを求めず乗用域で楽しめる出力。この2つを兼ね備えたNAモデルは、中古市場に出てもあっという間に売れてしまうし、そもそも手放す人がごくわずか。
後継(フェイズ3)の1ZR-FAE・2ZR-FE自然吸気モデルに関しては、発売当初こそ先のエンジンと比較して、スポーツ性に欠けるなどと言われていました。
しかし乗ってみればさほど欠点も見受けられず、ロータスボディとも相性◎!
フェイズ2が品薄になったとなれば、こちらに飛びつかない理由がありません。
富士スピードウェイなど、長いストレートがあるコースでは過給機モデルが重宝されます。
それでもNAモデルの魅力はなんといっても、自然吸気のダイレクトさと少ないパワーの中でやりくりする醍醐味!!
1トン切ってしまうライトウェイト好きは、そもそもパワーを求めない傾向にあるがため、あえてSCではなくNAをチョイスしてしまうのです。
もし特定のエンジンを希望するのであればボーっとはしていられません!
市場に出てくるまでとことん張り付きましょう!!
■3:そこまで激しく値上がりはしない予感...でも下がりもしない!
さらっとエリーゼ(エキシージ)の中古検索をしてみると、どこもかしこも軒並み「ASK」となっていることがほとんど。
でも安心してください!いずれもそんなにべらぼうなプレミア価格にはなっていません(笑)。
…とはいえ、実際に見に行ったり問い合わせてみれば、そのお値段はだいたい“新車時の定価”並み。
走行距離自体はあんまり伸びていない傾向があります。
ほとんどのオーナーさんがセカンドカーとして使用しているのか、少ないと1~2万kmで、多くても10万kmを超えてしまうような個体は、フェイズ1だったとしてもあまり見かけません。
歴代ロータス車をみても、極端なプレ値になってしまっている車種はほぼゼロ。
もちろん、レストアなどを施されていて多少お高い子もいるのですが、投機目的のようなあり得ない額が付いていることはない印象です。
なのですが…。
誰もが欲しいワケではないけど、欲しい人の間でだけ一定の需要が常にあり、決して余っているワケではない…といった要因から、なんだかんだで値崩れしないことも特徴です。
ということは、待ってみたところで別に安くもなりません…!!
信頼できるショップで“状態もよく気に入った個体”が現れ次第、我先にと飛びつきましょう(笑)。
■買い時は早い方がいいに決まってる。少しでも気になるならば積極的に視察すべし!!
今現在、少しでもエリーゼ(もしくはエキシージ)に心が傾いている方は、この子たちの使い勝手に関してはおわかりかと思います。
人を乗せたりショッピングをするのに、あわよくば「セカンドカーがあれば◎」なのはいうまでもないのですが、筆者はダイハツ コペンとエリーゼの2台体制でまぁそれなりに暮らせています。
なにか大きな買い物をする際は家族にクルマを借りるか、ホームセンターであれば軽トラを借りるなり、配送なりできますし、近場のスーパーへ行くにも冷凍食品やチョコをトランクに入れない(エンジンの熱で溶けます)ことさえ守れば、これといった不便もありません。
些細な欠点よりも、日常使いの域ですらおもしろくドライブできる魅力のほうが勝っちゃうクルマなのです!
また、10年ちょっと所有していて起こったトラブルは、バックギアに入らなくなったことと、エアコンが壊れたことの2点のみ。
エリーゼあるあるな症状は大抵決まっているので、点検時にチェックしておけばほぼ問題なく走れます。
納車後は、とりあえずラジエターがアルミ製に交換されているかを確認しておくとよいでしょう(純正のままだと遠からずお漏らしするのでほぼ必須メニュー)。
それなりに“クルマが好き”な人が選ぶ車種なので、基本メンテが施されている率は高め。
しいてあげるなら、サーキットユースにされていた個体は要観察といったところでしょうか。
相場は下がらない、でもクルマだから経年劣化はある…。
ならば早い段階で買っておく方が絶対お得なのは間違いありません!
今後ますます発売されにくいタイプの貴重なクルマ。
少しでも気になっているならば定期的に中古市場をチェックして、「これぞ!」と思った個体には積極的にアプローチしてくださいねっ!!
そしてそして、お迎えのあかつきにはたんまりかわいがってあげていただけたら嬉しいなぁ…と、1オーナーとして思う次第であります。
ロータスでは、最後のガソリン車エミーラがリリース間近。
エリーゼの後継(?)とされる2リッターモデルですら、1.4トン…。
モデル末期でも900kg前後をキープし続けたエリーゼは、発進、加速、曲がる、止まるまで…すべてにおいて軽さを体感できちゃいます。
本当に本当に最高ですよっ!!
…と、気付けば年の瀬ですね。
みなさま、安全運転でよいお年をお迎えくださいませ。
年明けはまたオーナーインタビューを執筆させていただく予定です。
2022年もどうぞよろしくお願い申し上げます!
[画像/Adobe Stock ライター/細谷 明日葉]
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