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アウトドア=SUVにチョット待った! 一石二鳥が存在しないプロが教える難解なアウトドアカーの選び方

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アウトドア=SUVにチョット待った! 一石二鳥が存在しないプロが教える難解なアウトドアカーの選び方

一長一短あるアウトドアカー選びをカテゴリー別に解説!!

 アウトドアを楽しむために相応しいクルマとは? 誰もがSUVやミニバン、ステーションワゴンやスーパーハイト系軽自動車、そして軽キャンのベースカーとしても使われている大容量の荷室を備えた商用軽自動車バンなどが思いつくはずだ。しかし、イメージだけで買ってしまうと、あとで後悔することもある。つまり、クルマのカテゴリーごとにアウトドア適性に一長一短があるからである。

「車中泊したいなら、実は軽自動車一択です」プロが断言する理由とは?

ラゲッジに積んだ道具の出し入れが△の「SUV」

 まずはアウトドア人気が抜群のSUVを見ていこう。最低地上高に余裕があり、2WD/4WDを問わず悪路の走破性に優れているのが大きな特徴だ。三菱アウトランダーPHEVや同エクリプスクロスPHEV、トヨタRAV4 PHVような電動モデルを選べば、AC100V/1500Wコンセントを装備でき、車内外で家電品を使えるメリットもアウトドアでは絶大と言っていい。ただし、デメリットとして最低地上高の高さから、ラゲッジスペースのフロア高が高めで(730~800mm)、アウトドアギアなどの重い荷物の出し入れに苦労することもある。

 また、車高が高いため日常生活では全高制限のある立体駐車場に入れないこともある。さらに、HVやPHV(PHEV)を選ばないと、車重の重さもあって燃費性能はそこそこという、所有条件によってはSUVならではのデメリットも見えてくる。

居住性と積載性は◎だが悪路走破性は×の「ミニバン」

 ミニバン、それもボックス型ミニバンは、車内のお座敷化&ベッドルーム化がもっともしやすい空間の持ち主だ。アウトドアでテントを張るにしても、その空間は緊急時の一時避難場所にもなるし、もちろん車中泊もしやすい。家族や仲間とキャンプに繰り出すにしても、3列シートだから1台で目的地を目指すことができる。

 HVモデルを選べばトヨタのノア&ヴォクシーやホンダ・ステップワゴンのように、AC100V/1500Wコンセントが装備されており、車内外で家電品を使えるメリットもキャンプでは絶大だ。ただし、ほとんどのミニバンは悪路走行には適していない。最低地上高は一般的な乗用車と変わらず、4WDを選んだとしても、雨の日や雪道に多少強くなる程度。SUVでしか踏み込めないようなアウトドアフィールドには適していないのだ。

 さらに3列シートだけに1台のミニバンに多人数が乗れたとしても、フル乗車すれば荷物の置き場は最小限。人数分のアウトドアの大荷物を積みこむことは、ルーフキャリアに積まない限り難しいといえる。

積載性は○だけど非力さが△の「スーパーハイト系軽自動車」

 軽自動車のなかでも、プチバンと呼んでいいスーパーハイト系、つまりN-BOXやスペーシアギヤなどは2名乗車であれば、その想像を絶する室内&ラゲッジルームの大空間にアウトドアグッズを満載できる。多彩なシートアレンジによって、車内のお座敷化&ベッドルーム化も可能だ。購入予算も少なくて済み、もちろん燃費性能に優れるメリットもある。

 もっとも、アウトドアやキャンプで使う荷物を満載すれば、NAの軽自動車ではパワーに余裕がないため加速性能はガクンと落ちる。近所のアウトドアフィールドへの移動ならともかく、長距離を走るとなると、車内の騒音や加速性能に不満が出るかもしれない。アウトドアユースということであれば、できれば加速性能に余裕があり、より静かに走れるターボモデルを選びたいところだ。

移動の快適さや積載性は◎だが車中泊は△の「ステーションワゴン」

 ステーションワゴンもアウトドアで大活躍してくれそうな、使いやすいラゲッジルームを持つクルマだ。SUVと室内空間は似たようなものだが、ラゲッジルームのフロア地上高がSUVより低く(620mmが平均値)、アウトドアの重い荷物の出し入れもしやすい。全高が1550mm以下であることがほとんどで、立体駐車場への入庫も容易だし、重心が低いことから高速走行、山道走行でも安定感、安心感ある走りが楽しめるあたりもステーションワゴンの魅力となる。

 一部のステーションワゴンベースのクロスオーバータイプ、最低地上高に余裕を持たせたワゴン……と言っていいスバル・アウトバックや同XV、ボルボV60クロスカントリーなどは、そうしたアウトドア適正に加えて、走破性まで兼ね備えたオールマイティな車種となりうる(全高は1550mmを超えてしまうが)。

 とはいえ車中泊対応となると、室内高がミニバンやスーパーハイト系軽自動車のようにはないため、寝ることはできても、天井が低いことで多少圧迫感はあり、当然お座敷化は難しい。

積載性や車中泊は○でも乗り味は△の「商用軽自動車バン」

 商用車のカテゴリーに分類される、ホンダN-VAN、ダイハツ・アトレーのような商用バンは、とにかく車内後部のラゲッジスペースが大容量で使いやすい。ちょっとしたシートアレンジや装備の追加で車中泊も可能になり、いまアウトドアシーンで脚光を浴びている車種となる。

 価格的にもお手ごろで、純正品や社外品のアクセサリーを活用することによって、カスタマイズしやすいのもアウトドア向きといっていい。とはいえ、元々は近距離で使う”働くクルマ”であるわけだから、シートのかけ心地、乗り心地、動力性能など、乗用車レベルはほぼ期待できない。アウトドアフィールドに向かう長距離走行にはあまり適していないともいえるのだ。

理想のアウトドアカーは悪路走破性に優れるデリカD:5!

 そんな、アウトドアにそれぞれ一長一短あるクルマのカテゴリーのなかでも、個人的にアウトドア適性抜群と思っているのが、ミニバンカテゴリーの三菱デリカD:5。アウトドアのプロにも多く愛用されている車種であり、ミニバンの使い勝手と本格派ヨンク並の走破性を兼ね備えた、世界的にも希少な1台。それにアウトランダーにあるPHEV版があれば、これはもう世界最強の理想的アウトドアカーになり得ると思っている(現時点でないものねだりだが……)。

 あとは、アウトドアに一緒に乗っていく人数、路面状況、荷物の大小、よく行くアウトドアフィールドまでの距離などを考慮し、車中泊をするか否かで、自身に最適なアウトドアカーを選んでほしい。

 いずれにしても、アウトドアに似合うかどうかはともかく、室内大容量/お座敷化/ベッド化が可能なミニバン、スーパーハイト系軽自動車が意外と使いやすかったりする。日本のアウトドアフィールドは、アクセス路、場内ともに道が整備され、SUVじゃないと無理!? なんていう場所はほとんどないからでもある。

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