■国産ターボ車の歴史は日産から始まった
現在、高性能エンジンやダウンサイジングエンジンに欠かせないパーツといえば、ターボチャージャー(以下、ターボ)です。
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ターボはコンプレッサーの一種で、排気ガスの流れでタービンブレードを回して空気を圧縮し、エンジンに送り込むことで大きなパワーを得ることができます。
その歴史は古く、第二次大戦では航空機に使われましたが、クルマに搭載されたのは1970年代初頭からで、国産車では日産が初めて搭載し、その後は急激に普及しました。
そこで、黎明期に登場した日産のターボ車を、5車種ピックアップして紹介します。
●セドリック/グロリア
乗用車で日本初となる直列6気筒ディーゼルエンジン、さらに日本初のターボエンジン搭載車として記念すべきモデルが、1979年に登場した「セドリック/グロリア」です。なお、セドリックは5代目、グロリアはプリンス時代から6代目にあたります。
セドリック/グロリアに搭載された2リッター直列6気筒ターボエンジンの「L20ET型」は、最高出力145馬力、最大トルク21.0kgmを誇り、2.8リッター自然吸気エンジンと同等の走行性能を実現。
一方で、アクセルを踏み込んでからパワーが出るまでに時間が掛かる「ターボラグ」が顕著だったことや、異常燃焼を防止するためにガソリンを濃く噴射する必要があり、市街地での燃費の悪化は避けられませんでした。
技術的に改良の余地がありましたが、このセドリック/グロリアが登場したことで、ターボの急激な普及が始まることになります。
●スカイライン
1980年、日産はセドリック/グロリアとまったく同じスペックのL20ET型ターボエンジンを、マイナーチェンジのタイミングで5代目「スカイライン」にも搭載。
スカイラインにターボエンジンを搭載した意義としては、初のスポーティモデルということが挙げられます。
スカイラインよりも先にラグジュアリーセダンのセドリック/グロリアへターボエンジンが搭載されたのは、パワーよりも熱効率向上を目的として、運輸省(現在の国土交通省)の認可をスムーズに得るためといわれ、本命はスカイラインだったのかもしれません。
一方で、セドリックに較べて軽量なスカイラインセダンであっても、L20ET型では十分なパワーとはいえず、本格的なスポーツモデルとなるのは、次世代の6代目スカイラインに追加された「RSターボ」の登場まで待たなければなりませんでした。
●シルビア/ガゼール
1979年に、競合するトヨタ「セリカ」に対して、日産は3代目「シルビア」を発売します。先代は曲線を多用したデザインの2ドアファストバッククーペでしたが、国内では人気が無く、3代目では一転して直線基調のシャープなデザインとしてヒット作となりました。
ボティタイプは2ドアハードトップと3ハッチバックで、この世代から日産モーター店の取扱車として兄弟車の「ガゼール」が加わります。
発売当初に搭載されたエンジンは1.8リッター直列4気筒の「Z18型」と2リッターの「Z20型」で、それぞれにキャブ仕様と電子制御燃料噴射装置仕様を設定。
そして、1981年にマイナーチェンジされ、内外装の変更とともに直列4気筒ターボエンジンの「Z18ET型」を搭載した「ターボZSE/ZSE-X」が追加ラインアップされました。
Z18ET型は最高出力135馬力、最大トルク20.0kgmを発揮して、トヨタのDOHCエンジンに対抗します。
なお、このエンジンはシルビア、ガゼールのほかに6代目「ブルーバード」にも搭載され、大ヒットしました。
■平成の始まりとともに凄いコンパクトカーが誕生!
●サニー
1980年代になると、日産のターボ戦略はコンパクトカーにもおよびます。1966年に初代が発売された日産を代表する大衆車の「サニー」は、代を重ねて1981年には5代目が登場。
5代目サニーで最大のトピックスは、シリーズ初のFFとなったことです。コンパクトカーのライバルたちがFF化するなか、日産もその流れに追従しました。
発売当初のボディタイプは4ドアセダン、3ドアハッチバッククーペ、そしてステーションワゴンの「カリフォルニア」をラインアップ。
そして1982年に、4ドアセダンと3ドアハッチバッククーペに、1.5リッター直列4気筒ターボの「E15ET型」を搭載した「ターボルプリ」が発売され、最高出力115馬力、最大トルク17.0kgmを発揮し、ひとクラス上の動力性能を獲得します。
なお、このE15ET型は、1.5リッターエンジンで日本初のターボエンジンという記念すべきモデルです。
外観でもターボ車をアピールするため、フロントグリルに鏡文字で「TURBO」ロゴが入っており、前走車のルームミラーで見ると正しくTURBOに見えるという演出で、スカイラインもバンパーに同様なステッカーを貼ることができました。
●マーチターボ
1982年に発売された次世代のコンパクトカー「マーチ」は、イタリア人デザイナーの巨匠ジウジアーロによってデザインされ、日本のみならず欧州でも販売された世界戦略車です。
1リッターエンジンを搭載するFF車で、いわゆるリッターカーにカテゴライズされ、発売当初は3ドアハッチバックのみでしたが、後に5ドアハッチバックが加わります。
また、宣伝活動がユニークで、車名は一般公募で決定され、CMやカタログのキャラクターに当時人気絶頂だったアイドルの近藤真彦さんを起用。「マッチのマーチ」のキャッチコピーで大ヒットにつながりましまた。
そして、1985年のマイナーチェンジで3ドアハッチバックに、最高出力85馬力、最大トルク12.0kgmを発揮する1リッター直列4気筒ターボの「MA10ET型」エンジンを搭載した「マーチターボ」を追加。
外観にはフォグランプを内蔵するエアロバンパーやリアスポイラーを装備し、2本出しのマフラーとするなど、高性能さをアピールします。
さらに、1988年にターボとスーパーチャージャーを搭載したレースベース車の「マーチR」を発売し、翌1989年にはストリートバージョンの「マーチスーパーターボ」が登場。どちらも最高出力110馬力、最大トルク13.3kgmを絞り出し、乗り手を選ぶじゃじゃ馬モデルとして、いまも語り継がれています。
※ ※ ※
ターボはエンジンのパワーを飛躍的に向上させました。1980年代後半のF1では、1.5リッターエンジンで1000馬力を誇り、現在のF1ではモーターのパワーも合わせると、1.6リッターエンジンながら1000馬力近くを発揮するといわれています。
このように簡単にパワーアップできるターボが、急速に普及した1980年代前半から、三菱はすべての車種にターボエンジンを設定することを推し進め、単にパワーアップだけでなく利益の向上を狙いました。
それは、ターボを装着するだけで、掛かるコスト以上の金額を車両価格に上乗せでき、高い利益を生むことになるからです。
現在もターボによるコスト削減がおこなわれており、同一排気量でもターボのセッティングだけで最高出力が設定できるため、排気量の異なる複数のエンジンを用意する必要も無くなってきました。
また、ダウンサイジングターボエンジンでは、排気量を小さくして気筒数を減らすことでコストダウンが図られるとともに、軽量化によって走行性能の向上も見込めるという、まさに一石二鳥です。
さらに、日本では排気量が小さくなれば自動車税額が安くなるケースもあるので、ユーザーにもメリットがあります。
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みんなのコメント
カッコいい!
懐かしい。
友人か乗っていて、後付バーツが少ない。
と嘆いていた。
見た目異常に走ったのに驚きました。