■コンパクトカー並みに売れまくる高級ミニバン
世界的なSUVブームということもあり、日本のメーカーも次々と新型SUVを投入しています。実際にSUVの販売は好調で、日本自動車販売協会連合会の統計では販売台数ランキングのトップ10以内に常に3車種ほどがランクインしています。
一方、SUV隆盛となる前に流行っていたミニバンはというと、トヨタ「ヴェルファイア」のグレードが大幅に減少したり、日産「エルグランド」は登場から10年以上経つのにフルモデルチェンジされなかったりという状況。
また、マツダやスバルはずいぶん前にミニバン市場から撤退するなど、口の悪いSNSユーザーからは「ミニバンはオワコン」などという声も聞こえてくるほどです。
しかし、あらためて販売台数ランキングをチェックすると、ミニバンも十分売れていることが分かります。ミニバンはオワコンなのではなく、ブームから定番化しただけで、根強い人気のあるジャンルとなっているのです。
そんなミニバンのなかでもとくに人気があり、2020年の販売台数ランキング50位内に入った5車種をピックアップして紹介します。
●トヨタ「アルファード」
2002年に登場したトヨタのラージサイズ高級ミニバンの「アルファード」。同ジャンルの先駆者は1997年に発売された日産 エルグランドですが、アルファードは上級のV型6気筒エンジン搭載車に加え、エルグランドにはない価格を抑えた直列4気筒モデルを設定したことが奏功して大ヒット作となりました。
現行モデルは2015年に発売された3代目モデルで、デビューから5年以上が過ぎたいまでも人気は衰えることを知りません。
2020年の年間販売台数は9万748台でランキングは堂々の5位。最廉価グレードですら約360万円する高額車がコンパクトカー並みに売れているというのは、まさに驚異的です。
現行アルファードには、2.5リッター直列4気筒エンジンと2.5リッターエンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッド、3.5リッターのV型6気筒エンジンという3つのパワーユニットが用意されています。
ハイブリッド全盛の時代ですが、アルファードではハイブリッド仕様よりもガソリン仕様が人気。2020年の販売実績では2.5リッターガソリンが全体のおよそ7割を占めました。
エクステリアは押し出しの効いた大型のメッキグリルと立体感のあるリアコンビネーションランプが特徴的です。
インテリアは広々とした空間の随所にあしらわれた木目調のパネルが高級感を演出。2列目が3人掛けの8名乗りも設定されていますが、高級ミニバンらしい快適さを求めるなら2列目がキャプテンシートとなる7人乗りがオススメです。
なかでも最上級グレード「エグゼクティブラウンジ」の2列目シートは、ゆとりあるサイズで座り心地も上質で、ほかの国産車では味わえない特別な時間を過ごすことができます。
●トヨタ「ヴォクシー」
2020年に6万9517台を販売し、ランキング10位にランクインしたトヨタ「ヴォクシー」は、2001年に登場したミドルサイズのミニバンです。
2014年デビューの現行モデルは3代目にあたり、当初は5ナンバー枠に収まる標準ボディの設定もありましたが、いまは3ナンバーのエアロボディのみとなっています。
インテリアは新開発のプラットフォームによって実現した低床フロアが注目ポイント。フロアが先代より85mm下げられているため、全高が20mm低くなっているにもかかわらず室内高は60mm高くなり、上下方向に余裕が生まれました。
また、ホイールベースを25mm、全長を100mm伸ばしたことで前後にもスペースが広がり、2列目も3列目も快適性が向上。
なかでも3列目シートを収納することで810mmものロングスライドを可能とした2列目シート(7人乗り仕様のみ)はヴォクシーの特等席だといえます。
2リッターの直列4気筒エンジンだけでなく、「プリウス」譲りの1.8リッターエンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッド仕様を設定。本格的なハイブリッドシステムの搭載はクラス初の試みで、19.0km/L(WLTCモード)もの低燃費を誇ります。
ヴォクシーの人気の秘訣は、細かいところまで行き届いた気遣いでしょう。運転席からの視界の良さや、スライドドアの開口部が広く乗り降りがしやすいことなど、小さなことを積み重ねた結果、とても使いやすいクルマに仕立てられているのです。
●日産「セレナ」
ワンボックスカーの日産「バネットコーチ」が、1991年のモデルチェンジを機に「バネットセレナ」に改名。そして、1994年のマイナーチェンジで「バネット」がはずれ、「セレナ」という車名になりました。
この初代セレナに前席下にエンジンを搭載する昔ながらの後輪駆動のワンボックスカーでしたが、1999年に登場した2代目は現代のミニバンの定番ともいえるFFレイアウトへとスイッチ。
両側スライドドアの採用や、初代から続くスポーティなテイストを盛り込んだ「ハイウェイスター」グレードの設定が評判となり、5ナンバーサイズのミニバンとして人気を確固たるものにしました。
その後もモデルチェンジを重ね、2016年に登場した5代目が現行モデル。より広く、より使いやすくという従来の魅力に磨きをかけたうえに、自動運転技術「プロパイロット」をはじめとした先進装備をいち早く採用しているのが特徴です。
パワーユニットは、2リッター直列4気筒エンジンに小出力のモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドと、1.2リッターの発電用エンジン+駆動モーターの「e-POWER」の2種。
かつてはガソリン仕様もありましたが、現在はマイルドハイブリッドと電動パワートレインのe-POWERというラインナップでライバルと差別化しています。
2019年のマイナーチェンジで、外観のデザインを刷新。とくにエアロボディの「ハイウェイスター」はダブルVモーショングリルを採用した押し出しの強いフロントマスクに変更されました。
インテリアは、先代モデルよりも室内長が180mm延長され、どのシートに座ってもゆとりがあります。
また2列目のシートベルトをシート内蔵式にすることにより、3列目でも開放感を感じられる快適な室内空間を実現しました。
セレナは2018年、2019年と連続で販売台数がミニバンNo.1を達成。2020年はライバルのヴォクシーに抜かれてしまいましたが、それでも2020年は6万8648台を販売して11位にランクインしました。
■唯一無二の超ロングセラーなミニバンとは?
●ホンダ「ステップワゴン」
「オデッセイ」と並び、ホンダのミニバンの双璧をなすモデル「ステップワゴン」は、スペース(空間)を最優先とする実用志向の設計で1996年に登場しました。
当時はまだワンボックススタイルのミニバンが主流でしたが、スペース効率に優れるFFレイアウトのボンネットスタイルを採用。実用的でシンプルなスタイリングは評判が良く、瞬く間に人気モデルとなりました。
現行モデルは5代目にあたり、初代誕生から20年目の2015年に登場。それまでは2リッターもしくは2.4リッターの直列4気筒エンジンが搭載されていましたが、時代にあわせて1.5リッターダウンサイジングターボを採用しています。
また、2リッターエンジン+電気モーターのハイブリッド仕様はやや遅れて2017年9月に追加。エアロボディの「スパーダ」に設定されています。
なお、当初、ハイブリッド仕様はグレード名に「ハイブリッド」と付け加えられましたが、現在はホンダの2モーターハイブリッドシステムの総称である「e:HEV」に変更されています。
ステップワゴンで注目は便利な機能である「わくわくゲート」と「マジックシート」です。
わくわくゲートは縦にも横にも開くテールゲートで、横開きのサブドアを組み込むことで、6対4で開閉可能です。そしてマジックシートは簡単な操作でサードシートが床下に格納できる仕組み。わくわくゲートと組み合わせて、車両後方から乗りってウォークスルーで2列目シート、1列目シートへと移動することもできます。
絶好調なセールスを記録した初代、2代目と比べると、現行モデルはヴォクシーやセレナといったライバル勢に追い付けていない状況ですが、それでも2020年の販売台数は3万4441台で20位にランクインしています。
●三菱「デリカD:5」
苦戦が続く三菱車のなかで、唯一1万1157台で販売ランキング45位に入ったのが「デリカD:5」です。2007年1月に販売開始した現行モデルのデリカD:5はデビューから14年が経過。ここまでのロングセラーモデルが販売ランキングに食い込んでくるのは珍しいともいえます。
デリカD:5は、2代目、3代目となる「デリカスターワゴン」や4代目「デリカスペースギア」の流れを汲む、RV志向のミニバンです。
ミニバンの優しさとSUVの力強さの融合し、広く快適な室内と電子制御式4WDによるオールラウンドでの高い走行性能を両立しています。
かつては2リッターと2.4リッターのガソリンエンジンやFFモデルも設定されていましたが、現在は2.2リッターの直噴ディーゼルターボと8段AT、4WDの組み合わせのみ。
デビュー当初は8人乗り仕様だけでしたが、2008年5月以降は2列目がキャプテンシートの7人乗りも用意されています。
そんなデリカD:5は2019年に大がかりなマイナーチェンジを実施し、フロントマスクを大胆に刷新。「ダイナミックシールド」と呼ばれる新しいデザインは、縦型のLEDヘッドライトが特徴的でSNSなどでも話題になりました。
もちろん、変わったのはスタイリングだけではありません。ディーゼルユニットには排出されるNOx(窒素酸化物)を尿素水溶液によって浄化するシステムが備わるなど、メカニズムにも大きく手が加えられています。
デビューが古いことから先進装備はあまり得意とはいえませんが、マイナーチェンジを機にレーダークルーズコントロールや車線逸脱警報システムなども標準装備になりました。
いまはSUVが人気のカテゴリーですが、SUV色の強いミニバンはデリカD:5のみ。ライバル不在もロングセラーの理由のひとつですが、細かいことでも常に進化を続け商品力の向上を図っていることこそが長く愛される秘訣といえるでしょう。
※ ※ ※
2007年登場のデリカD:5は例外としても、今回紹介しているクルマはもっとも新しいセレナでも2016年発売と少々古いクルマばかりです。
クルマは6年程度でフルモデルチェンジを迎えることが多く、一般的にはセレナですらモデル末期といわれてもおかしくない状況です。
次から次へと新型SUVが投入される昨今において、ミニバン勢が順調なセールスを記録していることは、根強い人気を得ている証拠だといえそうです。
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みんなのコメント
フロントマスクも見慣れてくるとあれはあれでいいのかも。