テスラ、世界のトップに立ったのか?
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】ぜんぶ言える? テスラ、今売っているクルマすべて【ディテール】 全134枚
米EVメーカーテスラは、時価総額でトヨタを抜き、世界ナンバーワンとなった。
2020年7月1日の米株式市場で、テスラ株が上昇した結果、同社の時価総額は2072億ドル、1ドル107円50銭換算で22兆2740億円となり、約5700億円の差でこれまでトップだったトヨタを抜いた。
時価総額とは、発行済み株式総数における株価の総額。一般的には企業の実力を示す指標の1つとされる。
テスラが時価総額でトヨタを抜いたというのは、テスラが日本の上場企業すべてを抜いたことになる。
7月2日付、日本の上場企業の時価総額ランキングは、1位がトヨタ(約22兆1133億円)、2位がソフトバンクグループ(11兆7657億円)、3位がキーエンス(10兆4652億円)、4位が日本電信電話(9兆6486億円)、そして5位が中外製薬(9兆5505億円)と続く。
テスラはそんなに大きな企業なのだろうか?
以下、自動車メーカーでは、ホンダが19位(4兆9805億円)、スズキが73位(1兆7585億円)、SUBARUが74位(1兆7514億円)、日産が78位(1兆6820億円)、いすゞが154位(8094億円)、マツダが277位(4170億円)、日野が286位(4085億円)、三菱自動車が294位(3919億円)と続く。
テスラはそんなに大きな企業なのか?
単純に時価総額だけで比べると、テスラはホンダの4.5倍、マツダの53.4倍というとんでもない数字になる。
テスラはそんなに大きな企業なのか?
販売台数では、同社が発表した2020年第1四半期(1~3月)は7万7100台。これは前年比の約2倍だ。
生産拡大の背景には、コンパクトサイズEVの「モデル3」と最新モデルの「モデルY」の効果が大きい。
仮に、このペースで生産できたとして、年間30万台規模だ。
年間30万台の生産能力というと、一般的には大手自動車メーカーが海外生産を始めるための目安だ。
販売台数で、トヨタは2019年度が947万台であり、テスラとは30倍以上も多い。
テスラは現在、トヨタから買収したカリフォルニア州内の生産拠点・旧NUMMI(ヌーミー)を主体に製造しているに過ぎない。
自動車メーカーとしては、まだ初期段階なのだ。
今後は中国をはじめ世界各地で生産拠点を設けるとなると、株価はさらに上昇するのだろうか?
そうなると、トヨタを含め自動車メーカー各社を圧倒する規模の時価総額に達してしまうのだろうか?
それとも、自動車メーカーや大手IT企業との連携、または合併吸収などが起こるのだろうか?
近年中のテスラ事業の急拡大を振り返ると、今後、何が起きてもおかしくはないと思う。
テスラ成長 まさかこれほど短期間に
筆者はテスラの2003年創業の頃から、アメリカでテスラの動向を見てきたが、まさかこれほど短期間にテスラの事業か急拡大するとは想像できなかった。
テスラ創世記は紆余曲折があった。
テスラ創業者のマーク・エバーハート氏がテスラの経営から離れても、何度も経営者が入れ替わった。
2007年頃、アメリカでは「テスラはもう、もたない」というメディアの論調が多かった。
その後、2008年に現在のCEOであるイーロン・マスク氏がテスラに対する投資家の立場から経営者の立場に移り、さまざまな戦略を打った。
そうしたマスクCEO創世記に、筆者がテスラで詳細取材した当時の資料を読み直すと、2009年前半時点で、当時唯一生産していた「ロードスター」の累積販売台数は350台に過ぎない。
その約半分は、地元のカリフォルニア州在住者。バックオーダーが1000台だった。
本社は、GMのディーラー跡地を間借りしている状態。
モーターは台湾のFUKUTA電機に依頼して製造。電池は、当時の電池開発担当者が日本国内のパナソニック社員だったこともあり、パナソニック製の円筒型電池の採用を始めていた。
カーディーラーの名残りがある整備施設で、水冷化された大きな電池パックを1台1台丁寧に組み込んでいた。
あれから11年後、テスラは時価総額で世界自動車メーカートップになってしまった。
テスラ、あくまでも自動車ベンチャー
テスラをIT企業という表現をする人がいるが、長年に渡りテスラを観察してきた身としては、そうは思わない。
テスラはあくまでも、自動車ベンチャーである。
その上で、なぜテスラがここまで急成長できたかといえば、それは自動車メーカー各社がEVビジネスを軽んじたから、またはEVビジネスの方向性を見誤ったからだと思う。
マスク時代のテスラと同時期にEV量産を始めた、日産や三菱自動車にとってのEVとは、大衆車だった。
まさか、巨大な電池パック搭載の高額EVが、これほど大きな市場を作るなどとは、まったく予想していなかった。
そしていま、ポルシェ、メルセデス・ベンツ、BMW、ジャガーなどがこぞってプレミアムEVに参入し、フォルクスワーゲングループが大規模なEVシフトを推進。
中国では新エネルギー車政策でEV販売の義務化など、EVを取り巻く社会環境は10年前とはまったく違う。
この状況で、テスラはどう戦うのか?
「サイバートラック」構想でのピックアップトラックに加えて、日本の軽規格レベルから、ロールス・ロイス級の超プレミアムを狙うのか?
それとも、時価総額が高い時点で、事業全体を自動車メーカー、IT企業、または投資ファンドに売却してしまうのか?
どのようなシナリオも起こり得る。これまでのテスラの経緯を見ていると、そう感じる。
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みんなのコメント
まるで東京チカラめしとか
いきなりステーキとか、ワークマンとかみたいw
つまり報酬貰って話題をマシマシにしているだけ。