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発売直前でお蔵入りになったモデルもあり? 和製スーパーカー5選

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発売直前でお蔵入りになったモデルもあり? 和製スーパーカー5選

■和製スーパーカーと呼ぶにふさわしいモデルを振り返る

 19世紀の終わりにガソリンエンジンを搭載した自動車が発明されて以来、膨大な数のクルマが誕生しました。そうした公道を走るクルマのなかで、最高速度やコーナリングスピードといった性能の頂点に立つクルマといえばスーパーカーです。

走行5万キロのホンダ「NSX」が出た! 希望ナンバー込みの価格に注目集まる

 スーパーカーの定義は厳密に決まっていませんが、見るから速そうな外観デザインのボディに、超高性能なエンジンを搭載し、実用性を無視した非日常的なモデルというのが、多くの人が想像するスーパーカー像ではないでしょうか。

 このスーパーカーの代表的な存在というとフェラーリやランボルギーニなどがつくるモデルですが、国産メーカーでもスーパーカーと呼ぶに値するモデルが存在。

 そこで、和製スーパーカーを5車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「NSX」

 ホンダは1986年から北米で高級車ブランド「アキュラ」を展開し、フラッグシップとなるスポーツカーとして、1990年に初代「NSX」が日米で発売。

 量産車世界初のオールアルミ・モノコックシャシに、最高出力280馬力(MT車)を誇る3リッターV型6気筒エンジンをリアミッドシップに搭載。優れた動力性能、運動性能と空気を切り裂くようなシャープなフォルムにより、当時から和製スーパーカーの呼び声が高いモデルでした。

 その後、2005年に初代NSXは生産を終了しましたが、2016年に名実ともにリアルスーパーカーとなって復活を果たしました。

 2代目NSXの外観はミッドシップスーパーカーの教科書どおり徹底的に低くワイドなフォルムで、クサビ型というよりもクサビそのものといったスタイルです。

 フロントフェイスは初代よりも前端が高くなった印象ですが、切れ上がったLEDヘッドライトによって、獰猛な印象を醸しています。

 パワーユニットは最高出力507馬力を発揮する3.5リッターV型6気筒DOHCツインターボエンジンに、3基のモーターを組み合わせた「SPORT HYBRID SH-AWD」で、システム最高出力581馬力を誇り、まさに日本を代表するスーパーカーといえるでしょう。

 NSXの価格(消費税込、以下同様)は2420万円からですが、一旦、販売は終了しており、2022年モデルの登場が待たれている状況です。

●日産「GT-R」

 1969年に誕生した日産初代「スカイラインGT-R」からの系譜を受け継ぎ、2007年に登場した「GT-R」は、比較的オーソドックスな2ドアクーペのフォルムや、4シーターで実用的なトランクも装備することから、スーパーカーと呼ぶにふさわしくないという声もあります。

 しかし、GT-Rは欧州製スーパーカーと同等以上の性能を目指し、480馬力を誇る3.8リッターV型6気筒DOHCツインターボエンジンと新開発の4WDシステムを搭載。

 高いコーナリング性能と最高速度300km/h以上のスピードを実現し、なかでも加速性能は何倍もの価格のスーパーカーを上回る実力を持っていました。

 すでに発売から13年を経過したGT-Rですが、操縦性や信頼性、乗り心地に至るまで繰り返し改良がおこなわれ、さらに段階的にパワーアップも図られており、現行モデルでは最高出力570馬を発揮します。

 また、サーキット走行を前提に開発された「GT-R NISMO」は、カーボンパーツの多用による軽量化に加えてエンジンのチューニングにより最高出力600馬力まで向上。いまも世界トップレベルの性能を誇示しています。

 現行モデルの価格は1082万8400円からで、今後GT-Rはフルモデルチェンジがおこなわれるのか、それとも生産を終えるのか、去就が注目されています。

●トヨタ「LFA」

 トヨタは2010年にプレミアムブランドのレクサスから、2シーターのFRスーパーカー「LFA」を発売しました。世界限定500台とされ価格は3750万円からと、価格もまさにスーパーです。

 搭載されたエンジンは560馬力を誇る新開発の4.8リッターV型10気筒DOHC自然吸気で、これをフロントミッドシップに搭載し、リアに6速AMTのトランスミッションを配置するトランスアクスルを採用。

 また、エンジンには10気筒が独立したスロットルに、チタン製のコンロッドや吸排気バルブが採用され、レッドゾーンを9000rpmに設定することで「天使の咆哮」と呼ばれる甲高く澄んだエキゾーストノートを奏でました。

 外観はロングノーズ・ショートデッキの古典的なFRスポーツカーのスタイルながら、複雑な造形のエアインテークや外板を多用することで、FRスーパーカーにふさわしい斬新かつ迫力あるフォルムを実現。

 内装は現在の基準からするとおとなしめですが、F1をイメージさせるDシェイプのステアリングに、液晶モニターを使用したメーターパネルを装備。

 シャシはカーボン製モノコックで外板もカーボンとアルミを多用し、ブレーキもカーボンセラミックを使用するなどした結果、車重は1480kgと軽量です。

 さらに、2012年には「ニュルブルクリンクパッケージ」をオプション設定し、カーボン製の固定式大型リアウイングやカナードなどの空力パーツが追加され、足まわりのさらなる強化と、最高出力571馬力までエンジンをチューニング。

 そして、2012年12月に、予定どおり500台目の生産を終えました。

■残念ながら日の目を見ることができなかった2台のスーパーカーとは

●日産「MID4/MID4 II」

 日産は1989年に「Z32型フェアレディZ」と「R32型スカイラインGT-R」という、2台の高性能スポーツカーを発売しました。この2台と並行して開発され、幻に終わったスーパーカーが「MID4/MID4 II」です。

 MID4(ミッドフォー)とは、エンジンをリアミッドシップに搭載した4WDスポーツカーに由来した車名です。もともとは新技術の研究開発を目的とした実験車両で、1985年のフランクフルトモーターショーで発表されました。

 外観はフェラーリ「512BB」を強く意識したデザインで、あくまでもショーカーという位置づけでした。

 しかし、2年後の1987年に開催された東京モーターショーの日産ブースには、市販車に近いレベルまで進化した「MID4 II」が出展され、いよいよ発売へ現実味をおびることになります。

 MID4 IIは最高出力330馬力を発揮するV型6気筒DOHCツインターボエンジン「VG30DETT型」を、リアミッドシップに縦置きに搭載。サスペンションはフロントにダブルウイッシュボーン、リアには7代目「スカイライン」に搭載された後輪操舵機構「HICAS(ハイキャス)」を装備したマルチリンクを採用。

 内外装やメカニズムはいつ市販化されてもおかしくないほどのクオリティで、実際に、市販化に向けた検討が社内で何度もおこなわれましたが、MID4の市販化を実現するには莫大な開発費と工数が必要と判断され、市販化を断念することになりました。

 しかし、MID4に採用された数々の新技術は、前述のZ32型フェアレディZとR32型スカイラインGT-Rの2台に生かされ、MID4の開発は無駄にはならなかったといいます。

●ホンダ「HSV-010」

 ホンダは2010年から日本でもアキュラブランドを展開すると発表し、そのフラッグシップモデルとして初代「NSX」の後継車となるスポーツカーを発売すると宣言しました。

 この新型スポーツカーの概要は、V型10気筒エンジンをフロントに搭載し、リアタイヤを駆動するFRを基本とした4WD車というところまで決定しており、まさに前述のLFAのライバルといえるスーパーカーでした。

 しかし、2008年にリーマンショックが起こり、世界規模で景気が急速に悪化。これを受けホンダは、日本におけるアキュラブランドの展開を白紙に戻し、同時に新型スポーツカーの開発も凍結すると発表しました。

 幻となった新型スポーツカーでしたが、2010年に「HSV-010」の名でスーパーGTへの参戦を表明。初代NSX以外、スーパーGTに参戦するためのベース車両が無かったホンダにとっては、苦肉の策といえます。

 市販していないモデルながらスーパーGTへの参戦が認められ、幻のスーパーカーは日の目を見ることになりました。

 その後、世界経済が回復したため、ホンダは新たなコンセプトのスーパーカーの開発をスタートし、新型NSXとして発売されました。

※ ※ ※

 2020年から新型コロナウイルス感染拡大による世界的な経済への影響が懸念されてきましたが、ここにきてスーパーカーの上をいく「ハイパーカー」市場が非常に活性化しています。

 ハイパーカーは1000馬力前後の出力を発揮するパワーユニットを搭載し、価格も1億円以上が目安です。

 また、ランボルギーニ「ミウラ」や「カウンタック」、クラシック・フェラーリといったオールドスーパーカーも、オークションでは高値を更新し続けています。

 こうしたモデルは資産価値も高いと評価され、コロナ禍が収束した後にさらに値上がりも期待されるため、セレブに人気となっているようですが、庶民には関係のない世界ではないでしょうか。

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みんなのコメント

40件
  • 発売前提で開発されたヤマハOX-99も挙げて欲しかったな。
  • 日の目をみることができなかったモデルの開発に関わっていました。
    量産車とは異なる技術をチャレンジさせてもらえて、苦しいながらも楽しい日々でした。
    お客様にも乗っていただいて、リアクションをお聞きしたかったです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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