■2024年発売予定のホンダ中国向けBEV「イェS7」、一部スペックが判明
ホンダが2024年の終わり頃に発売を予定しているBEV「イェS7」の一部スペックが中国の政府機関より判明しました。
【画像】カッコいい! これがホンダの新型「タテ目SUV」です!(65枚)
いったいどのようなクルマなのでしょうか。
2024年4月に開催された北京モーターショー2024にて、ホンダは中国向けの新たな純電動サブブランド「イェ(火へんに華)」シリーズを発表しました。
現在、ホンダは4車種を抱える「e:N」シリーズを展開していますが、「イェ」シリーズはそれとは異なる商品群となります。
「イェ」シリーズからはSUV「イェS7」「イェP7」、そして5ドアクーペの「イェGT コンセプト」3車種がローンチモデルとして発表されました。
そのうち、イェS7は東風汽車との合弁会社「東風ホンダ」が、イェP7は広州汽車との「広汽ホンダ」が製造と販売を担当し、それぞれ姉妹車となります。
トヨタやホンダなどの中国に複数の合弁会社を持っている自動車メーカーは、ひとつのモデルに異なるデザインと車名を与え、姉妹車としてそれぞれの合弁会社からリリースすることが一般的です。
ホンダは「イェP7/イェS7」以外に、中国市場で「ライフ/フィット」、「シビック/インテグラ」、「インスパイア/アコード」。
「XR-V/ヴェゼル」、「エンヴィクス/クライダー」、「CR-V/ブリーズ」、「UR-V/アヴァンシア」、「エリシオン/オデッセイ」、「e:NP1/e:NS1」、「e:NP2/e:NS2」などをそれぞれ広汽ホンダ/東風ホンダから展開しています。
イェP7とイェS7は同じボディを共有していますが、前後のデザインなどで差別化を図っています。
例えば、前後灯火類の意匠ではイェP7が「コの字」型なのに対し、イェS7では左右を一体化させ、合わせて「X」を描くデザインとなっています。
また、フロントカブのグリルもイェP7では黒く塗り分けられており、イェS7ではボディ同色としています。
両者を比較すると、イェS7のほうがより近未来的なエクステリアデザインをしているのが特徴的です。
一方、インテリアの基本的な設計は同一で、使用している素材や内装色で違いを出している形になります。
インストルメントパネルは中国で流行りのスタイルである横長のディスプレイ1枚に集約し、ダッシュボード上に極力なにも置かない設計を実現。
そしてフロント中央に大型の縦型ディスプレイを設置、運転支援機能「Honda SENSING 360+」とコネクテッド技術「Honda CONNECT 4.0」の両方で安全かつ楽しい移動を提供するとしています。
そんな中、イェS7の一部スペックが中国政府機関のウェブサイトより確認されました。
この情報が判明したのは中華人民共和国工業情報化部(通称:工信部)の公式サイトです。
工信部は日本でいうところの経済産業省や総務省の業務を扱う機関となり、中国では自動車メーカーが中国国内で製造する新型モデルを正式発表する前に、その情報を工信部に届け出る必要があります。
工信部への届出情報によると、イェS7のボディサイズは全長4750mm×全幅1930mm×全高1625mm、ホイールベースが2930 mm。
ホンダがすでに中国で販売している「e:NS1/e:NP1」「e:NS2/e:NP2」は「e:N Architecture F」をプラットフォームとして採用していますが、イェS7/イェP7は新開発「e:N Architecture W」を採用しており、ヴェゼルベースのe:NS1/e:NP1よりも大きいボディとなります。
車両重量は2305 kgと記載されており、これも1700 kg前後にとどまるe:NS1/e:NP1と比較すると、大幅な重量増加となります。
また、バッテリーは車載電池で世界トップのシェアを誇る「CATL」が製造する三元系リチウムイオン電池を搭載する予定ですが、容量は依然として不明です。
参考までに、現在ホンダが販売する「e:NS2/e:NP2」は容量68.8 kWhで航続距離(CLTC)が510 kmとなるので、これを上回るバッテリーを搭載すると見られます。
駆動方式は「e:N Architecture W」の説明に使われている画像から、後輪駆動と四輪駆動の2種類が用意されると推測されます。
駆動用モータの最高出力は「201 hp」および「268 hp」になると工信部への届出情報から確認できますが、これがそれぞれ後輪駆動と四輪駆動の違いなのか、もしくは同じ後輪駆動でも出力の異なるグレードを用意するのかは不明です。
イェS7は2024年中の発売を予定しています。
また、2025年には姉妹車の「イェP7」、そして「イェGT コンセプト」の市販モデルも投入するとホンダは発表しています。
これに加えて東風ホンダ新ブランドのBEV「Lingxi L」や、「e:N」大型SUV「e:N SUV 序」の量産モデルなど、未発表の3モデル含む計10モデルを2027年までに中国に投入する計画で、2035年のEV販売比率100%達成に向けてますます邁進していく姿勢を見せています。
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