ボルボ XC60 「ボルボSUVの代表格にして優等生」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
5
燃費
3
価格
4

ボルボSUVの代表格にして優等生

2022.1.17

年式
2017年10月〜モデル
総評
日本におけるボルボ人気を再燃させ、その後の車種展開に大きな影響を及ぼしたXC60。プラグインハイブリッドモデルでは力強い後輪電動モーターの駆動力も加わり、優れて走行性能を示す。また、強みである先進安全技術については、ディーラーでのソフトウェアアップデートができるなど、交通事故ゼロ社会への貢献も継続する。
満足している点
SUVとしての基本性能である、スタイル/走行性能/安全性能のいずれも満たしているところを評価した。また電動化に対してもマイルドハイブリッドシステムながらいち早く対応している点からも真摯な企業姿勢がみてとれる。
不満な点
実用領域での燃費数値が伸びない点。たしかにマイルドハイブリッド化で向上したものの競合各車と比較するとやはり劣る。また、初期モデルの9インチの縦型センターディスプレイは自動的に再起動することが重なっていた。Googleマップなどが搭載された最新モデルは改善されたはずだ。
デザイン

4

扱いやすいボディサイズのSUVとして人気を博すXC60は、2017年に現行モデルが2代目として国内に登場した。ボルボのデザインアイコンであるトールハンマーをヘッドライト部分にあしらいながら、スクエアな面構成が特徴で、前後ともオーバーハングを切り詰めた。
走行性能

4

現在、日本に導入されるエンジンは直列4気筒2.0lターボ、ならびに同エンジンにターボ+スーパーチャージャーを備えたガソリンエンジン、ターボモデルには48Vのマイルドハイブリッドシステム(ISGM)が加わり、ターボ+スーパーチャージャーモデルはプラグインハイブリッドモデルに昇格する。
乗り心地

4

是非とも体感頂きたいのはエアサスペンション装着車の乗り心地だ。アクティブパフォーマンスシャシーとの組み合わせにより、路面状況を問わない滑らかな走りが堪能できる。31万円の高額オプション品だが、多人数乗車時や、高速走行時に長所が実感できるため、移動距離の多いユーザーにはお勧めだ。
積載性

5

床面積だけでなく高さ方向にもゆとりがあるためラゲッジルームの積載性はとても高い。気になる床面の高さだがエアサスペンション装着車の場合はスイッチ操作で後輪サスを昇降できるため楽に積み込める。プラグインハイブリッドモデル以外はフロントのセンターコンソールも深く実用的だ。
燃費

3

ガソリンモデルでマイルドハイブリッドシステムを搭載したB5グレードで燃費計測を行なった際いには、WLTCモード値11.5㎞/lに対して13.1㎞/lを記録した。180㎞近く走行した80%が高速道路であったことから数値が伸びたが、過去データと比較してマイルドハイブリッド化によって10〜15%程度、燃費性能は向上している。
価格

4

国内導入当初は599万円。それが現在、649万円と50万円高となった。マイルドハイブリッド化に加えて装備の充実が図られ、同時に為替も変動しているため直接比較はできないが、差し引きしてボルボは輸入ブランドのなかでも良心的な価格付け。衝突被害軽減ブレーキやレベル2技術は全グレード標準装備だ。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
ボルボ XC60 新型・現行モデル

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