ボルボ クロスカントリー のみんなの質問
lin********さん
2015.6.28 02:02
オンロード性能という表現が妥当か分かりませんが、電子制御の前後輪への自在なトルク配分+左右へのトルク配分(ベクタリング)によって、AWDのオンロード性能はとても高いレベルにあるのではないかと考えるようになりました。FF、FR単体のオンロードドライビングよりも安定してトルクを路面に伝えることが可能で、低μの路面においても安定性が比較的高く、かつ高い旋回能力を持っているように思います。
浅薄ながら、FFレイアウトのAWDで電子制御のトルク配分をしている有名どころはAudiを思いつきましたが、現在のAudiのクワトロシステムは、ハルデックスをベースにAudiなりの配分条件を設定されたフルタイムAWDと考えてよいのでしょうか?また、FRレイアウトで旋回時にアクティブなトルクベクタリングを行うAWDは今のところBMWのXシリーズくらいでしょうか?
また、基本はFFもしくはFRで走行(100:0,0:100)し、条件によって前後に配分を行うシステムもあるようですね。この場合の安定性についてですが、例えば、左方向へ軽い下りのコーナーがあったとして、コーナー手前で減速し、ステアリングを切って旋回している時、イン側に水溜りがあったとすると、そこで前輪が空転した瞬間、左前輪が空転、FFなら右前輪のトルクがなくなりますよね(?)、この瞬間、スプリットされた前後が復帰するまでのタイムラグによって車はかなり不安定になってしまうのではないかと思うのですが、(フルタイムAWDならライムラグはない?)、実際はどのような挙動になるのでしょうか?またアクセルオンとオフで動きは変化するのでしょうか?
わからないことだらけで、何から理解すればいいのかすら分かっていない門外漢ですが、AWDに興味があるので勉強したいと思っています。宜しくお願い致します。
stedeeetunigさん
2015.7.1 19:28
今となっては、4WDのバリエーションや亜種が増えすぎてわけわからないですよね。なので、4WDのルーツから仕組みを理解していくのがわかりやすいと思います。
◆ パートタイム式4WD
4WDの歴史を遡ると古くからあったのですが、一般的に知られるようになったのは軍事用車両(独キューベルワーゲンや米ウィリスジープ)で、道なき道を走る目的で製造されています。それが派生したのが小型トラックをベースにしたクロスカントリーカーです。日本車では三菱パジェロ、トヨタランドクルーザー、スズキジムニー、日産サファリ等ですね。これらは通常はFRで走行し、悪路のときのみ四駆に切り替える仕組みでした。四駆に切り替えると前後輪が直結になるので、オンロードでコーナーを曲がると前後輪の回転差がケンカしてロックする「タイトコーナーブレーキング現象」というものが発生します。これが四駆の原点ですが、扱いにくさから、今では、こうした切替式の四駆システムは絶滅危惧種です。このように切り替えるタイプは「フルタイム4WD」と区別するために、後に「パートタイム4WD」と呼ばれるようになります。現在は本格的なクロカンもかつてのパートタイム4WDに代わって、フルタイム4WDを採用しているケースが多いです。
◆ フルタイム4WD
フルタイム4WDは1980年のアウディクワトロの登場によって世の中に普及しました。このフルタイム4WDの話題性はオンロードの4WDということにありました。これまで悪路を走るときのみ4WDに切り替えるという常識を塗り替えたのです。アウディ以前にもフルタム式4WDは存在していましたが、普及させたアウディの功績は大きいです。仕組みとしては、駆動輪の左右に用いられているデファレンシャルギアを前後輪の間に利用したような仕組みです。これを「センターデフ」といいいます。機動力をアップしたいときにはセンターデフをロックできる車種もあります。 また、このセンターデフに電子デバイスを装備している車種も多いです。フルタイム4WDと呼べるのは、センターデフまたはそれに類するものに直接エンジンのパワーが伝えられて、そこから前後輪に常時トルク配分される仕組みのものです。ややコストもかかるので安価な車両には採用されるケースは少ないです。アウディやスバル、ランエボなどは代表的なフルタイム式です。余談ですが、アウディやスバルが4WDでアドバンテージがあるのは、エンジン縦置きであることが大きく影響しています。本式のフルタイムにしても、シンプルに4WD化できたからです。また、AWDという言葉もフルタイム4WDの登場以降に出てきました。なのでパートタイム式4WDのことをAWDとは呼びません。スズキのように「スタンバイ式4WD」なのにもかかわらず、カタログに「フルタイム4WD」と背伸びして書くメーカーもあるので要注意ですね。
◆ スタンバイ式4WD
現在最も増直している4WDシステムが「スタンバイ式4WD」です。軽量簡素かつ安価に4WD化できるためです。FFベースの車両が多く、日本車のほとんどがこのスタンバイ式4WDです。4WDの切り替えがないものがほとんどなので、フルタイム4WDと区別が難しく、違いがわからない人も多いです。スタンバイ式4WDというのは、例えばFFベースの場合、エンジンのパワーは前輪にのみ伝えられます。後輪にはプロペラシャフトがつながっているのですが、通常の直進走行では前輪のみの単なるFF車です。その前後輪のシャフトの間に油圧式カップリングが装着されていて、この装置は入口と出口で回転差が生じると装置内の油圧を高めて直結に近づけようとします。なので、前輪が滑って前後輪に回転差が生まれると、後輪も動き始めるという仕組みです。雪道で滑ったときのみお助けマンとして後輪が働くイメージですね。かつてはビスカスカップリングのような機械式のものが多かったです。なので四駆になるまでのタイムラグがあり、滑ってから四駆になるものでした。滑らないための四駆なのに、滑ってから四駆になったのでは遅いということで、簡易式のなんちゃって4WDといわれています。しかし、最近は電子制御カップリングが主流となり、非常に作動が早くなっています。エンジンブレーキでは四駆にならなかった機械式に対して、電子制御は強制的に4WDにしたりもできます。ハルデックスカップリングもスタンバイ式の一種なのですが、電子デバイスにより滑ったとほぼ同時に四駆になるような制御をかけます。なので雪道で普通に乗っていると、フルタイム4WDと区別がつかないほどになりつつあります。スバルは別ですが、日本車の4WDのほとんどはスタンバイ式になっています。また、アウディはA4より上のエンジン縦置のものはセンターデフ(トルセンデフ等)を採用し、A3以下のエンジン横置モデルはワーゲンと同じハルデックスカップリングが用いられています。
◆ 各種電子デバイス
上記3つのほかにも電気モーターを使った4WDシステムもありますが、ここでは割愛します。少し前までは、明確に上記3つの仕組みは区別がついたのですが、電子デバイスの登場により非常にわかりにくくなっています。特に、スタンバイ式4WDの技術革新は目覚しく、フルタイム4WDの必要性まで危ぶまれるようになっています。というのも、横滑防止装置、トルクベクタリング、ブレーキLSD等々、普及しているスタンバイ式に装備されるようになって、車体の安定性や機動力が極めてよくなっているのです。この傾向はここ3年ぐらいで顕著になりました。
トルクベクタリングに関しては、横滑防止装置を利用して、内輪にブレーキを掛けることで強制的にクルマの向きを変えるものと、外輪に強いトルクを与えて強制的に旋廻性能を上げるものとがあります。アウディのRS系やランエボなどには後者の仕組みが与えられています。一方、前者の仕組みは横滑防止装置のある車両であれば簡単に装備できるものなので、多くの車両に標準装備される日は近いです。FRではジャガーFタイプの4WD等にも採用されています。
4WDに関しては、車両が重たくなるのでブレーキ性能が劣ります。フルタイム式などで四輪エンジンブレーキが掛けられる状況等を除いてブレーキは不利です。また、フルタイム4WDのよいところは、雪道等で積極的にアクセルでクルマの向きをコントロールできる車種が多いです。いわゆるラリーカーのような積極的なパワードリフトもできるということで、走りのバリエーションが深いです。雨や風の強い高速道路などでも常時四駆であることの安定性は高いです。
少し長くなってすみません。ご不明な点があれば追加でご質問ください。
ryu********さん
2015.7.5 20:01
トルク・ベクタリングは、基本的に駆動で制御するのではなくて、ブレーキで制御してます。駆動の時点からトルクを分配する事はできません。
右70:左30のトルク配分を行う場合、単に左側の車輪にブレーキを加えるだけです。片方にだけ制動力を加えることで、結果的にトルクが分配されたような現象が得られる訳です。
アクセルがオンの状態でも、制動力を制御によって介入することで、トルク配分の調整を行っています。
その「制動力の介入」の度合いは、メーカーや車種によって、様々な設定がなされてます。
大きな要素は「荷重」ですかね。FFレイアウトのAWDなどは、フロントに荷重が集中しますので、荷重の少ないリア側に対しては、あまり積極的な「制動力の介入」は行えなかったりします。
このようなシステムの話をする場合、基本的なメカニカルな部分と制御などのプログラムを別けて考えた方が、理解しやすいと思います。
gmr********さん
2015.6.28 02:33
そう言った車両は、横滑り防止装置が作動して、安定させ、トラクションが掛かれば、トラクションコントロールが働きと、駆動系とABS、横滑りとトラクションコントロール等々の全機能を作動して車体の安定化に貢献させてます。
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