最近の自動車、SUVについて質問します。 最近のSUVはどうしてLSDが装備されていないのでしょうか？ せっかく4WDでもデフロックなりLSDがついて無いと悪路走破性は悪いと思うのですが。

Answer 1

これは奥が深いお話しなので、長くなり恐縮ですがしっかりご説明できたらと思います。
SUVをクロスカントリー系SUVとクロスオーバー系SUVを区分してお話しすると分かりやすいかもしれません。

◆ クロスカントリー系SUV
クロスカントリー系SUV（以下、クロカン）には、ジープから派生したものと、ピックアップトラックから派生したものがあります。
ジープは軍事用に荒野を走る目的で作られたもので四輪駆動を前提として生まれています。一方、ピックアップトラックはラダーフレームのＦＲで、荷物を運ぶための小型トラックです。アメリカでは長らくピックアップトラックが人気で、このオープンの荷台をもっと有効活用するために、80年代に雨風から荷物を守れる樹脂製のハードトップが流行りました。これがSUV（Sport Utility Vehcle＝多目的スポーツ車）のはじまりです。なのでSUVは四駆とは限らないのです。しかし、ピックアップトラックにも四駆のニーズはあり、前輪にジープ類と同様のドライブトレインを設けて、クロスカントリー車とした車両が生れました。日本車では代表的なのは、かつてのハイラックスですね。ハイラックスはピックアップトラックでした。この四駆仕様の荷台に樹脂製のハードトップをつけたものが初代の「ハイラックスサーフ」です。この樹脂製のトップは二代目ではルーフ一体型のメタルトップになります。同じく、日本で四駆ブームをつくったクルマに三菱パジェロやトヨタランドクルーザーがありますが、これらの起源はピックアップトラックではなく、ジープ類をルーツとする生粋のクロスカントリー車です。ハイラックスサーフもパジェロもランクルも同類の四駆として認知され、後にクロカン（クロスカントリー系ＳＵＶ）として分類されるようになっていきます。

◆ クロスオーバー系SUV
一方、クロスオーバー系ＳＵＶは全くルーツが異なります。ベースとなるのはセダン系のシャーシ。いわゆる乗用車に大径タイヤを履かせて車高を持ち上げたクルマです。日本車ではＲＡＶ４やＣＲ－Ｖやハリアー等が先駆けですね。軍事用でもなければ貨物用途でもないので、乗り心地や燃費等も考慮されています。荒野を走るための本格的な四駆システムも求められていません。これが商売的には大成功をしており車種がどんどんと増え続けています。このクロスオーバー系SUVが「ＳＵＶ」という言葉として独り歩きを始め「クロカンよりもオフロード性能の劣る軟弱なのがＳＵＶ」というような誤った解釈を生んでしまっているようです。

◆ デフロックやLSDについて
クロカンでも、最近は2WDと4WDの切り替えができるものは少なくなりフルタイム式4WDがほとんどです。これはレンジローバーやゲレンテヴァーゲンのような欧州のクロスカントリー系高級車がフルタイム式である影響もあると思います。しかし、クロカンの四駆は多くの場合、フルタイム式でもデフロックやLSDを装備していることが多いです。国産ではランクル系、パジェロ、エスクードなどはこれにあたります。しかしこれらも電子デバイスが発達しており、最近では横滑防止装置を流用しでより効率的な４輪の駆動制御を行うようになっています。こうした電子デバイスがあると、気難しい機械式LSDなくして快適に走破性を高められます。(その良し悪しは別の議論があると思います。)

クロスオーバー系SUVは、セダンルーツですからFFベースのものも多いです。四駆の走破性より快適で燃費よくというニーズが高いので簡易的なスタンバイ式4WDの採用が多く、デフロックやLSDなどはじめから考えられていないことがほとんどですが、一部には日産エクストレイルのようにセンターデフロック的な機構を持ち、前後50:50で固定できる装置をつけた車種もあります。
勿論、最新の電子デバイスにより横滑防止装置やブレーキLSDを備えるなど、走破性が考慮された車種も多いですね。

実際に、スバル フォレスターのように下手なクロカンよりも走破性の高いクロスオーバー系SUVもあれば、フォードエスクプローラーのように、トラック系のシャーシだったクロカン、現行モデルではエンジン横置のFFベースのクロスオーバー系SUVに転換するなど様々なバリエーションが出てきています。今後はクロカンがよりクロスオーバー化し、デフロックやLSDはより電子デバイス化していくことが予想されます。

長くなってすみませんした。少しでもお役に立てましたら幸いです。
(写真は初代ハイラックスサーフ）

質問者からのお礼コメント

大変詳しくご回答いただきありがとうございました。
よく理解できました。

Answer 2

SUVは あくまでもSUVであってオフロードカーではない。

Answer 3

トラクションコントロール、それもかなりオフロードセットのものだと四輪スタックから抜けられるくらい強力なモノもありますよ。最近はSUVでもカイエンターボやレンジローバーみたいに速いのも好まれますので、オンロードも強くしながらオフも、となるとデフより電子制御のが多用されますね。少なくとも猿投アドベンチャーフィールドでは四輪スタックからは十分抜け出せました

Answer 4

現状、SUVと一般に呼ばれるジャンルの車は２WDの方が比率高い
ですよ、悪路の走破性を期待して購入する人は稀です。

Answer 5

SUVはファッションだもの。
だから要らないの。

本当にそんな使い方が想定される
車には、最低でもオプションが
ある筈だ。

後は、電子介在が入り、
同じ目的を達せればそれでよし。

電子制御未発達の時代は、
メカで実現するしか無かったから
それが在った。

Answer 6

悪路を走る事を想定してないからじゃないですかね。

Answer 7

SUVだからでしょう
生活四輪駆動、なんちゃって四輪駆動の事を
SUVって言うから
本格派は、やわなSUVでは無いですから