フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン 「「―只ノミニバンニ非ズ」【長文注意】」のユーザーレビュー

カックラ@銀結晶 カックラ@銀結晶さん

フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン

グレード:TDI ハイライン_RHD(DSG_2.0) 2021年式

乗車形式:その他

評価

4

走行性能
4
乗り心地
5
燃費
4
デザイン
5
積載性
5
価格
3

「―只ノミニバンニ非ズ」【長文注意】

2022.8.18

総評
ひょんなことから代車としてやってきたトゥーラン。
1週間・350km程乗り倒してみました。

サイズは大きいですが、取り回しが良く、「ちょっと大きいゴルフ感覚」で乗れてしまう驚き。
(※全長は意外にもGolf Variantより短いという…)

サイズを活かした積載キャパも魅力ですが、何より高速巡行性能が魅力でした。
ミニバンとは違うハンドリングに安定感。ACCとディーゼルのトルク性能を活かせば、高速道路巡行が楽。
個人的に「ミニバン」ではなくて、「3列シートもあるゴルフプラス」的な感覚かな、と思いました。運転感覚はミニバンというよりも「ちょっと背が高いワゴン」的感覚で運転できました。
高速巡行性能等を考えると、「只のミニバンに非ず」と言えそうで、家族持ち以外の方にも勧められそうな気がします。
同じVWなら、TiguanやGolf Variantと比べても面白いかと思います。

「人や荷物を乗せる車は欲しいけど、基本的な『走る・曲がる・止まる』の質感は譲りたくない」という方に「乗ってみて」と言える車だと思います。
見た目は地味で、「普通感」が強い車ですし、パッケージングも「乗用車寄り」です。しかし、「いいモノ感」を味わえる…はずです。

お値段がお値段(新車価格500万超)ではありますが、個人的に「Golf GTI買うなら、こっちの方がいい」と思わせるほどの車でした(※今回の「TDI Highline」は「Golf GTI」とお値段が近い)。
スポーツ性能に拘りが無ければ、こういう車は「アリ」です(自分も思わず中古車を探してしまった程)。…真面目にトゥーランを「増車」したくなりました…。

…但し、Discover Proの検索機能はキレそうでした…。あれはダメよ…。問題が無ければ、「Discover Pro非装着車」を狙ってもいいかもしれません。

現在、この手の「3列シート車」が国産では無くなっているので、この存在は貴重です。
快適性能とかは「国産の3列シート車」と比べると劣ってしまいますが、「何に重点を置くのか」という「考え方の違い」もあります。購入検討に入れる方は、(毎度のことですが)「何を重要視するのか」を頭に入れた上で考えた方がいいと思います。


余談ですが、トゥーランに乗って実家に帰ってきた時、家族(両親)受けが良かったことを告白しておきます…。
満足している点
・古さを感じない端正なデザイン
・サイズ以上の取り回しの良さ
・「ゴルフ」と言われても全く違和感が無いハンドリング
・高速巡行性能の高さ
・2列目シートの分割格納機能
・機能的な室内
不満な点
・TDIエンジンの低速トルクの細さ
・TDIエンジンの音量の大きさ
・チョイ乗りメインの場合だと、TSIがいいかも…
・Discovor Proの不便さとアナウンスの不親切さ
・ドアの保持力の軽さ(状況によっては「バタン!」て勢いよく閉まってしまうことも…)
・マイナーチェンジで「チタニウムベージュ」がラインナップ落ちしていたこと
・「ミニバン=家族の車」という偏見に耐えられるか?
デザイン

5

【外装】


端正で飾り気のないデザイン。
しかし、古さを感じさせないデザインで、好感が持てます(実は現行トゥーランって、2016年発表だったんですよね…。)。

【内装】
飾り気はありませんが、全体的に機能的・シンプルと言える感じで、使いやすかったです。
実際使うとなると、個人的にこれくらいが好きです。
走行性能

4

今回語り倒しておきたい所。トゥーランをお勧めしたいポイントであります。


参考情報として、装着タイヤは「Continental ContiPremiumContact5 (215/55R 17 94V)」でした。
【サイズ的な所】
今回乗ったトゥーランのボディサイズは全長×全幅×全高=4535mm×1830mm×1670mm。基本的に大き目ではありますが、全長は「BMW2シリーズグランクーペ」と同じ寸法で、「ゴルフヴァリアント」よりも短い(7.5型は4575mm)程。また、全長に限れば、ノア・ヴォクシー(4695-4710mm)よりも短いです。
運転時の着座位置の高さも相まって、「サイズ以上に取り回しがいい」です。運転した感じは「背が高くなったゴルフ」という感覚で運転できます。
今回の使用でも全く気負わなくてよかったので、楽でした。

【エンジンについて】※減点要因
今回は2.0TDI仕様。スペックは110kW(150ps)/3500-4000rpm、340Nm(34.7kg-m)/1750-3000rpm。
スペックから見ると、相当なトルクを期待しますが、実は低回転(-2000rpm)が苦手です。発進時や低速で坂を登るシチュエーションでは走らない・登らない程トルクが細いのです。本領を発揮するのが「2000rpm以降」。2000rpmを越えると怒涛の加速を発揮します。そのため、高速道路とは相性が良く、巡行はもちろん、再加速の時はすぐに元の速度に戻せました。
音は基本的に「音量は大き目」で「ディーゼルであることを隠そうとはしない」ものです。実家に帰ってきた時、実家の家族から「トラックが帰ってきた」と言われた程の音質・音量でした。また、2000rpmを越えると結構煩くなります。個人的にこの音量はちょっとした減点ポイントでした。
また、ディーゼルの特性なのか、チョイ乗り程度では燃費は期待したほどではありません。寧ろTDIが合うのは、長距離メインまたは高速巡行メインの状況。「1回あたりの走行距離が多ければ」燃費はぐんぐん伸びます。また、DPFの観点からもそちらの方が効果的だと思います。

ただ、今回の状況(片道4km程の通勤メイン。たまに長距離)ではTSIの方が合いそうだと感じた次第です。TDIは「長距離メイン」でないと「宝の持ち腐れ」に感じました。

【ドライブモードについて】
トゥーランには「ドライブモードセレクト」が装備されています。
モードは「エコ」「ノーマル」「スポーツ」「カスタム」の4種類。今回は「カスタム」にして乗っていました。乗り始めた時は「ノーマル」と「スポーツ」を試してみました。
「ノーマル」は基本的に「ちょうど良い」感じですが、ステアリングの操舵感が軽すぎる印象がありました。「スポーツ」は「ノーマル」では軽すぎた印象だったステアリングの操舵感が改善されましたが、エンジンの回転を引っ張ってシフトアップするため、煩く感じました。
そのため、「ステアリングだけスポーツ、それ以外はノーマル」にした「カスタム」に設定して乗りました。個人的にこれがちょうど良かったです。

【高速性能】
個人的に感心したポイントは「高速ツアラー性能」。高速道路走行時の安定感もそうですが、追い越し速度での巡行も楽で、TDIのトルク特性を活かせば、再加速で怒涛のトルク感。更にACCを使えば、前車追随もできるため、高速道路運行が快適になる。
これは大きな発見でした。個人的に「トゥーランいいかも」と思った理由のひとつでした。

【ハンドリング】
全然モサっとしてたりフワフワとしておらず、「ゴルフと同じ感覚」でした。車重(1670kg)を感じる所はありますが、背の高さを感じる所は全くなく、「普通車に乗り換えても全く違和感が無い」。
ステアリングを「スポーツ」にすれば、「重厚感があってちょうど良い」。
…個人的に「好きな部類」のものでした。

【ACCについて】
今回の「ADAS系」で、試すことができた機能が「ACC(アダプティブ・クルーズコントロール)」。設定には慣れが必要ですが、設定したら車間距離保持や減速・再加速も車任せ。
街中ではあまり使うことがなさそうな機能ですが、実は渋滞時とかに使えそうです。しかし、前が開けたら設定速度に向けて猛烈に加速してしまうので、交差点では切っておきましょう。
ACCが活きるのは「高速道路巡行」。トゥーランの「高速性能」と相まって、「長距離移動」がすごく楽でした。
乗り心地

5

しっかりとした乗り味です。
段差の状態によっては「硬いかな」と思う所はありますが、それ以外は何ら不満有りませんでした。
基本1人で乗っていましたが、恐らく5人乗った時とかは印象が違いそうな気もしましたので、機会があれば試してみたいものです。

…寧ろ快適過ぎて、戻ってきた自分の車(up! GTI)に乗った時に「硬いなー」て思った程でした(当たり前だ)。
積載性

5

3列シートを格納すれば、荷室は広大です。up!乗りからしたら「夢のような」広さ。…多分、2列目まで畳めば、車中泊が出来そうな位の広さだと思います。
大まかな荷物も「2列目内で完結」してしまうので、荷室がそのまま使える…。正に「夢」。

3列目もそうですが、2列目の「分割可動機能」も個人的に◎です。こういった「積載時の使い勝手」は重要です。
また、シートを畳むと、荷室がフラットになるのも良かったです。


あと、「パワーテールゲート」が装備されていましたので、開け閉めは非常に楽でした。ゲートの重さやヒューマンエラーの可能性を考えると、この装備は「あったら装備したい」です。



本題の積載量ですが、3列目シート使用を前提とすると、ペットボトルのお茶のケース(段ボール)の積載もままなりません(多少の荷物は入ります)。しかし、3列目を格納すると、3箱どころか6箱以上いけます…。
荷室高はおおよそ85cm(ざっくり実測値)。一般的なロードバイクだと、そのままの積載は×。「横倒しで積載」か「フロントホイール外して、シートポストを落として積載」できそうな高さです。
燃費

4

ディーラーの方から「給油しなくていいです」と言われたため、未計測です。
オンボードコンピュータ表示値での総燃費は13.4km/L。通勤メインに限定すると、最悪12.8km/Lまで悪化してしまいました(※通勤距離:片道4km程)。燃費値が回復したのは、友人との夜ドライブ(全行程70km程)と実

家帰省で高速道路巡行を行ったことが大きいと思います。
350km程走って、燃料計は1/4程減った程度でした。
航続距離は(安全見積もって)700km程を見込んだ方がいいかもしれません。
価格

3

今回乗った「TDI Highline」、「Discover Pro」と「テクノロジーパッケージ」が装着されていまして、ほぼ「フルオプション状態」(残るは「電動パノラマスライディングルーフ」のみ)。
色は「キングズレッドメタリック(有償オプション)」。
お値段は「504万3000円」(※)…!!
※2022年8月1日時点。8/9に装備更新と価格改定がされて、価格が変わっています。「見積もりシミュレーション」がメンテ中で使えませんが、今回の仕様ですとおおよそ530万円程になるのかと…。

値段にビビりますが、実はこの値段、最新の「Golf GTI」と近いんです…(「DCCパッケージ」と「テクノロジーパッケージ」を入れれば非常に近いお値段になります)。
比較対象にGTIを置くのはおかしい気もしますが、個人的に「Golf GTI買うなら、こっちの方がいい」と思わせてしまえる程の車でありました。
GTIの高性能も魅力ですが、「日常使い」を考えると、トゥーランも魅力に思えてしまえます…。

因みに、中古市場ですが、「パワートレインに依りけり」。
TDIは全般的に高めです。6万km走行のHighlineでも250万以上という感じです(TDI系統の最安値が250万前後)。
TSIの場合、「2021年式以降(1.5TSI evo実装)」は見当たりませんが、「2018年以前」が多く見られ、200万円台もあれば300万越えも…といった状況です。

ボリュームゾーンは「200-300万」といった所でしょう(カーセンサー調べ)。そこで狙える個体が「1.4 TSI」系。
トルクとか装備とかは新世代と比べると…になりますが、「必要な物」は付いていると思いますので、狙い目かな、と思います。
但し、「色」と「装備」に拘り出すと、流通台数に差が出やすい(「白」だとかなり流通していますが、「チタニウムベージュ」は3台しか流通していません。)のと、年式的に「パワーテールゲート」が実装されていないので、そこを留意しておいてください。

…個人的な懸念点は「DSG」。トゥーランの「1.4 TSI系」って「乾式DSG」なのです…(※)。以前と比べて問題ないとは思いますが、何となく不安が残ってしまうポイントだと思います。
それに関しては「お店と連携して」対処するしかないのかな、と…(※沼津に「うしぶせ自動車」というDSGのプロフェッショナルがいらっしゃいますので、心強いと思います。)。

※TDI系統は湿式DSG。1.5TSI evo系は不明。
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