フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン 「3列シートMPVに何を求めるのかによって評価が異なる」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

3列シートMPVに何を求めるのかによって評価が異なる

2022.1.21

年式

2016年1月〜モデル

総評

フォルクスワーゲンだからこその走りの良さが光る部分はあるが、この手のMPVに走りを求めるのか、利便性を求めるのか、経済性を求めるのか、それによって大きく評価は変わってくるモデルである。もちろんトゥーランの良さもあるのだが、トゥーランを見た後に日本のミニバンを見ると日本での使い勝手を良く考えていると改めて感じさせる。

満足している点

多くのグレードで充実した運転支援システムと最新のインフォテインメントシステムが装備されているのは良い点と言える。メーター周りも液晶モニターが基本となっているので、運転席からの眺めは所有欲を満たしてくれるだろう。高速域での走行性能もアウトバーンがある国生まれの良さを感じられるのではないか。

不満な点

経済性という面ではどうしても日本の3列シート車と比べてしまうと分が悪くなってしまう。購入金額に関してもそうだが、最も痛手と言えるのは燃費とハイオク指定というポイントであろう。また、輸入車であるから消耗品などのランニングコストも国産車よりかはかかってしまうことを忘れてはいけない。購入を検討するのであればその点に納得するべきである。

デザイン

4

3列シートのMPVとしては比較的長いボンネットを持ち、Aピラーが寝ているため国産ミニバンと比べるとミニバン感は薄い。実用性が欲しいけどミニバンチックなデザインを嫌う人にはハマるデザインかもしれない。灯火類や顔つきは近年のフォルクスワーゲンが持つ、洗練された未来感のあるものに仕上がっている。

走行性能

5

メイン市場が違うので当たり前と言えば当たり前だが、高速域での安定感はこの手のクルマとしては高い。かと言って低速域がダメかというとそういう訳ではない。低速トルクも優れていて、全域で不満のない加速性能を見せてくれるだろう。3列シートMPVと考えると長距離移動ではこのモデルほどドライバーが疲れないモデルはそうないのではないだろうか。

乗り心地

4

他のスライドドアミニバンと比べると街乗り低速域での乗り心地は少し硬い印象を受けるかもしれない。しかし、高速域での乗り心地は逆転すると言える。この点は好みの問題にもなってくるので、国産ミニバンと検討する場合は1度家族と実際に試乗する機会を設けることをオススメする。

積載性

3

全長が4.5m程度ということを考えると日本のミドルサイズミニバンよりも積載性は若干劣る。3列目シートも広々としている訳ではないので、普段は3列目を畳んで使用するのであればかなり満足がいく積載性とトランクの使い勝手を実現してくれる。この点はファミリーカーに何を求めるかによって異なってくるだろう。

燃費

2

ハイブリッドがひしめく日本のミニバンと比べてしまうと、純ガソリンエンジンでハイオク指定なのはウィークポイントと言わざるを得ない。しかし、物凄く悪いという訳ではない。実際に使用すると燃費性能では隣の芝生は青く見えてしまうだろう。

価格

3

装備内容的には決して不足はないが、国産ミニバンと比べてしまうと割高感を感じてしまうのは致し方ないポイントであろう。ハイグレードを狙わないのであれば、比較的良心的な価格設定と言えるのではないだろうか。