日野自動車といすゞ自動車は同じトラック中心の会社ですがどんな点で異なっているのですか？

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いすゞは石川島重工(現在のIHI)の自動車部門として、日野はTGE(東京瓦斯電気工業)という名前でそれぞれ戦前にスタートした会社で、戦時中は自動車工業という名前でひとつになっていた時期もありますが、基本的には別の会社です。日野は以前両側に羽根の付いたロゴマークを使っていましたが、これは戦前にいすゞが作っていたイギリス車ウーズレイのマークを模したもので、両社がかつてひとつの会社だった頃の名残りです。

また、資本関係では日野はトヨタのグループ企業です。いすゞは長年ゼネラル・モータース(GM)のグループ企業でしたが、現在は商品の共同開発は続けているものの、グループからは離れています。元々芙蓉(富士銀行)グループですが、GMのグループを離れてからは住友の出資も受けています。

日野はレンジャーなどの自社製品のほかに、ダイナ/トヨエースといったトヨタの小型トラック(最近コマーシャルが流れている日野の２トンことデュトロは、ダイナ/トヨエースの日野ブランド版です)の開発を手掛け、またハイラックスやランドクルーザー・プラド、FJクルーザーなどのSUVの開発や生産にも関わっています。

一方いすゞは主力製品のエルフで小型トラックの分野で最大のシェアを持ち、マツダ(タイタン)、日産(アトラス)、UDトラックス(コンドル)にそれぞれの名前で車種を供給(OEM)しています。日野のデュトロ(ダイナ/トヨエース)や三菱ふそうのキャンターは数少ないライバルです。すでに国内の乗用車やSUVの市場からは撤退していますが、タイではGMとの共同開発によるピックアップトラックや、それをベースとしたSUVも生産しています。

というわけで両社は自他ともに認めるライバル企業ですが、バスの部門では合弁会社を作って共同で開発した車を生産し、それぞれのブランドで販売しています。