トヨタ クラウン(クロスオーバー) 「そのチャレンジに最大限の賛辞を贈りたい」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

瓜生洋明
瓜生洋明(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
5
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
3
燃費
3
価格
3

そのチャレンジに最大限の賛辞を贈りたい

2023.11.30

年式
2022年7月〜モデル
総評
過去にとらわれず新たな時代を開拓しようとした姿勢と、それを1台の優れたクルマとして完成させたことに最大限の賛辞を贈りたい。そのデザインやメカニズム的特性をもってこのクルマが「クラウン」であるかどうかを議論するのは、もはやナンセンスである。ただこのクルマが、歴代クラウンがターゲットにしてきた「成功者」、言い換えれば「常にチャレンジをし続けてきたことで結果を出してきた人」を最大限満足させるだけの要素にあふれたものであり、歴代クラウンの魂を受け継いだモデルであることは言うまでもない。そういった意味では、このクルマが「新時代のクラウン」であることは疑いようのない事実である。
満足している点
斬新でありながらも高級感にあふれたエクステリアデザインは、セダンとSUVの魅力を掛け合わせたさまざまな特徴にあふれている。好きか嫌いかにかかわらず、一度は試乗してみてほしい1台だ。
不満な点
特徴的なエクステリアデザインであるがゆえに、一部の機械式駐車場には駐車できない可能性がある。また、トランクスルー機能もないため、一般的なSUVと比べるとやや使い勝手は劣るかもしれない。また、歴代クラウンの特徴であった「匿名性」、つまり、悪目立ちしないという点は、クラウン クロスオーバーには当てはまらない。当面の間は、良くも悪くも注目を集めてしまう可能性が高い点は、人によってはデメリットになりうるかも。
デザイン

5

便宜上「SUV」と呼ばれることも多いが、正確にはセダンとSUVをクロスオーバーさせた新しいカテゴリーの1台。「肉厚なセダン」とも「スタイリッシュなSUV」とも言えるそのエクステリアは、良くも悪くも見る者を惹き付けるオーラを持っている。ただ、そのデザインは単に奇をてらったわけではなく、スポーティなルックスと走りはセダンゆずり、乗り降りのしやすさや快適な乗り心地、アイポイントが高いことによる運転のしやすさはSUVゆずり、といった具合に、双方のボディタイプのメリットを上手に掛け合わせている。インテリアは比較的控えめな印象だが、ナチュラルな雰囲気は若いユーザーにも受け入れられやすいものとなっている。
走行性能

4

トヨタのお家芸であるハイブリッドシステムと、セダンとSUVをクロスオーバーさせた独特なボディを組み合わせた走りは、セダンの低い重心の走りとSUVの乗り心地のよさを高い次元で兼ね備えており、比較対象を思い浮かべられないほど独特なものという印象。また、アイポイントが高いため想像以上に視界が広く見えるのはうれしいポイント。「RS」の走りは確かにスポーティだが、決してスポーツカーのようなものではなく、あくまで「高級車」から逸脱していない乗り味。個人的には、2.5Lハイブリッドのほうがクラウンクロスオーバーの真価を感じられると思う。
乗り心地

4

クラウンクロスオーバーの後部座席の快適性を体験すると、月並みではあるが、このクルマがやはりクラウンであることを感じずにはいられない。まず、着座位置が上がったことによる乗り降りのしやすさに始まり、肌触りのいいシートと余裕のあるヘッドスペースやニースペースが高級車であることを感じさせる。クルマが走り出すと、しっとりとした乗り味と静粛さが、快適な移動空間を提供してくれる。「RS」ではやや硬さを感じるものの、総じて「高級車」であることに変わりはなく、どの仕様を選んでも同様の感覚を覚えることだろう。
積載性

3

トランク容量は、このクルマに求められるだけのものを備えていると言える。トランクスルー機能が備わっていないのは残念だが、そもそも必要十分なトランクスペースを確保していることに加え、それによって静粛性や剛性が増していることを考えると安易に否定すべきではないだろう。どちらかと言えば、電動トランクリッドの操作ボタンが、逆手でも順手でも押しにくい中途半端な位置にあったことのほうが気になった。
燃費

3

すでに多くのモデルで採用されているハイブリッドシステムであるだけに、燃費性能や信頼性は十分以上の性能を持っていると言える。ただし、「RS」に搭載されている2.4Lのハイブリッドターボは、よりパワーに特化したセッティングとなっているため、燃費性能に過度な期待をしないほうが無難かもしれない。
価格

3

単純に比較することはできないものの、先代に比べてエントリーモデルの価格は引き下げられている。とはいえ、一定以上の装備を求めるとそれなりの金額になるため、そういった意味でもやはり「クラウン」であると言えるだろう。歴代のクラウンは、圧倒的なブランド力から一定のリセールバリューが保たれていたが、生まれ変わったクラウンクロスオーバーが中古市場でどのような評価を受けるのかについては、もう少し様子を見る必要がありそうだ。
瓜生洋明
瓜生洋明
自動車ジャーナリスト
1987年生まれ。大手IT企業や外資系出版社を経て2017年に株式会社ピーコックブルーを創業。現在では平均年齢25歳のメンバーとともに毎月300本超の記事を配信している。愛車のボディカラーを社名にするほどのエンスージアストだが、新しいテクノロジーへの関心も強く、最新モデルは常にチェックしている。
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