スズキ スイフトスポーツ 「スポーツ系を買いたいけど、中古の90年00年モデルは手が出なくて…という人はとりあえずコレを買いましょう」のユーザーレビュー

スポーツ系を買いたいけど、中古の90年00年モデルは手が出なくて…という人はとりあえずコレを買いましょう

2022.1.30

総評

この車の一番の売りは、この走行性能をいかに安く提供しているかです。それ以外は申し訳程度と言っても差し支えありません。ただしコンパクトカーベースですから、必要最低限は確保されています。それ以上を求めるのであれば金を積むしかありません。
しかしそれを待っているくらいなら、とりあえず乗って幸せになってしまえ、そんな衝動に駆られたとしても決して損はないでしょう。

走行距離がやたら伸びていくので、足車を真面目に考え出しました。

満足している点

何といっても、パワーのコストパフォーマンスでしょう。
これだけのパワーのある車が、日用にも必要十分な燃費で、しかも運転支援機能を付加した状態でありながら、この値段で売られている事が素晴らしいです。
勿論そのために犠牲になっている所は幾つもありますが、味わってしまえば割り切れるものが多いです。
最後の純ガソリンモデルとの声も聞かれるので、その意味でも自分の車として新造し手にできたことは何よりでした。

不満な点

有名なCピラー部、左後方視界の悪さは、純正バケットシートのせいでさらに悪化しています。この部分のデザインはZC32でも近いものを感じますが、ブラインドスポットモニターが追加されたと言っても、見えない恐怖を感じるのは穏やかではありません。運転姿勢の高さによってはバックミラーでも視界不良が起きます。後方視界もあまり広くはありませんので、納車後になってから全方位セーフティーパッケージを真剣に考えました。

直噴ターボだからか、3000kmでオイル交換を推奨されました。カタログとあまりに乖離があるので5000kmにしていますが、00年代の初期直噴ほどもオイルは汚れないものの、やはりカーボン系の問題は微妙にあるようです。しかしMTですしブン回す系の車ですから、溜まりにくい気もします。

収納は少ないですがペットボトルホルダーだらけです。前席ドリンクホルダーはシフトが邪魔して使いにくいです。
後席にルームランプがないのが結構不便です。
後席のドアノブは今もって理解できません。
純正ホイールはギラギラしすぎていると思います。
タイヤ、ホイールは一般的なサイズにできないのでしょうか。
自動操作系の機能はまだイマイチな感があるので、走行系ライト系いずれもオフのことが多いです。
ペダル右足のカカトの位置が純正フロアマットの盛りの部分から全然外れてしまっているので、数か月で掘れてしまいました。
純正バケットシートとBピラーの間にシートベルトの金具が挟まって気になります。
他にも、かえってコストが上がっていそうな設計がパラパラあるので、どこか不足を感じます。


あとは、楽しすぎて乗り過ぎてしまう事でしょうか。メーターがどんどん回っていきますが、長い目で見れば修理系も気になるところです。

デザイン

2

前代ZC32まではカエルというイメージがピッタリでしたが、ZC33になってメタボ化したような感じになり、ガマガエルかウシガエルになってしまいました。
先代32までは、悪い言い方になりますが「安くて速い車」然として、パーツごとにシンプルな形状で組み上げられており、全体的なデザインとしてはキッチリしていてスズキ車らしいイメージでした。

ところがZC33になり、仕上げのせいか下っ腹がやたら出ている印象になってしまいました。おかげで駐車マス一杯です。しかも最近流行りの、無駄に曲線を多用したパーツが目立つようになってしまいました。ドライブ中にそんな後ろ姿で走り抜けているのかと想像すると、なんとも言えない気分になります。

その極致が、後方視界を悪くさせているCピラーの太さとドアノブです。単に太っただけならまだしも、安全性に関わるので個人採点はイマイチです。

ほか、純正ホイールがケバいです。
デザインについては、新型ジムニーのような車も作れるのですから、頑張ってほしいです。

走行性能

5

前提として、前車がNAのMTワゴンRだった事を書き添えておきます。
とにかくパワーがなく、全ての路上発進がゼロヨン並の集中力を要求されていたMTワゴンRでしたが、当然ながら格段に走行が楽になりました。勿論、今時の変速ラグの少ないATに比べれば息継ぎはありますが、パワーにものを言わせて突き進む様は頼もしいの一点です。踏めば踏んだだけ吹け上がる軽快なフィーリングは、見た目は大きそうだが実はワゴンRを下回る程の車重のお陰もあり、軽快どころか痛快なほどに気持ち良いドライブを約束してくれます。
このZC33からスポーツはターボ化されていますが、ブースト計がないので実際どのくらい加圧しているのか不明ですが、NAのスイフトをボアアップしてターボ化したんじゃないのかと思っています。というのも、この手の車でありながら燃費が非常によく、この世代はエンジンの直噴化もされていてノーマルモデルも当然燃費向上が図られており、基本設計を流用した恩恵を十分に受けているように思われます。加えて、前32モデルからは200cc下がった訳ですが、200cc分よりもターボ化したほうが燃費基準も両立できるとでも考えたのか、はてまたダウンサイジングもついでに放り込んだのか知りませんが、いずれにしても実効燃費でも15kmは下らないレベルでありながらも抜群の運動性能を確保できており、もうやる事成す事知れば知る程あっぱれの一言しかない、実に素晴らしいエンジンです。

日用では下道だろうが高速だろうが、走行性能に不満と言う不満はありません。
ただ馬力が大きいのでしょうが、発進時にタイヤがズルズルするのが気持ち悪いです。

邪道と言われるかもしれませんが、運転支援のオートクルーズやハンドルアシストも使っています。
しかし完成度というか判断の確実性で言えば、まだまだかなと思います。オートクルーズは突然減速するため怖くて仕方がなく、寧ろ高速道路でスピードが落ちないように75キロ程度に設定して自分で踏んで100キロ出すとか、ハンドルアシストは勝手に切られるうえハンドルに抵抗があるので次第に筋が張ってきます。

しかし高速道路では部分部分で使いながら、元々の走行性能も高いので、非常に快適です。コロナ禍で長距離車移動が多いですが、大変助かります。

乗り心地

1

こればかりはスポーツ系なので仕方ありません。タイヤは薄いしサスも固いしで、サスペンションだけでもノーマルスイフトにしてやろうかとすら思っています。
一番の弊害はオーディオのCDプレイヤーが音飛びすること。スタッドレスに替えて多少柔らかくなったが気休め程度。真面目にUSBメインを考えています。

静粛性はあまり高くないですが、この系統の車では仕方がないでしょう。至る所スッカスカですが、思っていたよりもうるさくありません。しかしオーディオの音量を上げ気味にはなります。
それよりも、雨の時にBピラーのあたりからビチャビチャ音がするのが非常に気になります。

オーディオベースとして考えれば、環境は悪いです。

積載性

1

想像以上に載せられないという印象が強いです。後部座席は倒してもそんなに変わりません。たぶんランサーやスカイラインといったセダン系の車のほうが、総じて積載量は上だと思います。

しかし、意外にも純正バケットが広くて高速バスのシートのように使え、仮眠程度なら後部座席をフラットにする必要もなく、遠出では不便さはあまりないです。
前席に空間を全振りしていると見え、後席に荷物が全然載りません。

トランクは奥行きが1m近くあるようで、結構広いです。アンプなどを積むにはいいのですが、もうちょっと後席に振ってほしかったですね。

あとは前席にカード入れのような収納が欲しいです。車検証入れしかないですが、狭くてすぐに一杯です。ルームミラーあたりに眼鏡入れがあれば良いです。

燃費

4

走行性能でも述べたように、パワーの割に燃費が良い印象です。ハイブリッドなどとは比べるまでもないですが、燃費性能は必要十分にあります。
街乗りだと4キロ程度落ちますが、高速だと20キロ近いです。

これなら、ECOとPOWERモードみたいなのを付けて、ダウンサイジングターボとドッカンターボを切り替えられるような機能を付けておいてくれても良かったですね。無理だとは思いますが。

こういう所を見ると、ターボなしでも良かった気もしてきます。

価格

4

検討を始めて車種比較したら値段が全然違って、安さが際立っていた印象です。
犠牲になった部分も結構あります。

故障経験

ブレーキが鳴る、バンパー外れる