スズキ スイフトスポーツ 「この小ささが問題にならないならば最高の一台」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

この小ささが問題にならないならば最高の一台

2022.12.21

年式

2017年9月〜モデル

総評

運転という行為を楽しみつつ、幸せで実益的な日常生活も送りたいと考えているすべてのドライバーにおすすめしたい車である。6MTの運転が面倒くさいという場合は6速ATもあり、そちらの運転も6MT車と同様に楽しい。この小ささが問題ない人にとっては「最高の一台」となることだろう。

満足している点

鋼のようなボディとしなやかな足回りに、力強いエンジンが組み合わされ、しかし小型軽量であるため、きわめて軽快に走ることができる。それでいて近年の車としては価格も非常に手頃であるということで、Goodなポイントだらけである。

不満な点

気になる点というのは特にないが、これはもう仕方のない話として、最近はこういったボディタイプは好まず、ミニバンやSUVに引かれる人のほうが多いため、「小さすぎて我が家には不向き」と感じてしまう場合は多いだろう。

デザイン

4

逆スラントした大開口のハニカムグリルやルーフエンドリアスポイラー、なかなかの存在感があるデュアルエキゾーストパイプなどでスポーティに装っているが、決して「やりすぎ」ではない、ちょうどいい範囲のスポーティさで収まっているのが好印象。また従来型よりも車幅が広くなったことで、フォルム全体としての安定感も増している。インテリアも同様に「スポーティだが、やりすぎではない」という、まずまず大人な雰囲気でまとめられている。

走行性能

5

抜群というほかない。最高出力140psの1.4L直4ターボエンジンは全域にわたってきわめて力強く、それを受け止めるボディと足回りも、強固ではあるのだが「硬すぎる」といった印象はいっさいなく、すべてをしなやかにいなしてくれる。ステアリング特性もクイックではあるのだが、クイックすぎるということもない。扱いやすいボディサイズであることと併せ、「日本の道路で楽しめる車」としては間違いなくトップクラスの一台であると言える。

乗り心地

4

「走行性能」の項でも触れたとおり、硬めではあるが、決して硬すぎはしない。SUVやミニバンなどと比べると車内が狭いという問題はあるものの、乗り心地だけで言えば「ファミリーカー」として使うことも十分に可能だ。

積載性

3

荷室容量は5名乗車時で265L。ここについては「クラス標準」といえる。各所に小物入れなどは普通に用意されているので、まあ普通にハッチバック車として使う分には特段の問題はない。

燃費

4

WLTCモード燃費は6MT車が17.6km/Lで、6速AT車が16.6km/L。正直もうひと声延びてくれるとありがたくはあるが、超ハイパフォーマンスなスポーツハッチバックとしては悪くない燃費といえるだろう。

価格

5

非常にお手頃である。6MTのスズキ セーフティ サポート非装着車であれば車両価格188万5400円であり、最高値となる6速ATの全方位モニター用カメラパッケージ装着車でも215万2700円。この車がもたらしてくれる幸せの量から考えると「安すぎる！」というのが正直なところだ。