スズキ スイフトスポーツ 「コスパよすぎ！」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

コスパよすぎ！

2023.1.11

年式

2017年9月〜モデル

総評

素晴らしいです。これぞ日本の宝といえるコンパクトスポーツカー。運転を楽しむのに最適かつ、ファミリーカーとしても無理なく使える実用性とのバランスも最高。しかも安い。こんなパーフェクトなクルマは買えるうちに買っておかないと……。

満足している点

とにかく運転が楽しいこと。ベース車（普通のスイフト）よりパワーアップしつつも、しっかり使い切れるパワーを引き出しながら走る感覚は、まさにホットハッチ。コーナリングも軽快かつ安定しています。イチオシはマニュアルトランスミッションですが、新型は2ペダル車でも6速AT化され、しかもスズキのATはロックアップ率が高くてダイレクト感に優れるので何気にATもオススメです。そして、車両価格の安さは驚異的！

不満な点

ちょっと見当たりません。これ以上何を求めたらいいのか……。クルマ好きや運転好きにとっては、そのくらい全方位で商品力が高いですね。

デザイン

5

アグレッシブな顔つきなんだけど主張しすぎない。そんな絶妙なバランスがいいですね。そもそもスイフトスポーツのベースとなっている「スイフト」自体が欧州ハッチバックのような優れたデザインで、お洒落な雰囲気。そこに程よくスポーティなエッセンスを加えてまとめたスイフトスポーツのデザイン力に拍手を送りたいと思います。ちなみに、3ナンバーになっているのは普通のスイフトよりも張り出しの大きなフェンダーを組み合わせたことで全幅が5ナンバー枠を超えているから。それはスタイルに力強さを感じる理由の1つになっています。

走行性能

5

ただただ楽しい！　エンジンは1.4Lのターボで140psだから、声高に主張するほど凄いわけではありません（最大トルクは230Nmあるから排気量2.3Lの自然吸気エンジン並み）。だけど、それがいいんです。適度なパワーのエンジンのほうが、日常域での運転が楽しいから。エンジンを高回転まで回してパワーを引き出す感覚が気持ちいいのですが、それは高出力エンジンのクルマでは味わえないプレジャーです。スイフトスポーツくらいのバランスならそれが気軽に味わえます。また、キビキビコーナリングも気持ちよく、運転する感覚を楽しむなら最適の1台ですね。

乗り心地

3

スイフトスポーツはスポーツモデルですが、サーキット走行をターゲットとしたモデルではないので足回りをガチガチに硬めているわけではありません。何が言いたいかというと、乗り心地がいいんです。猫足のようにしなやかとは言いませんが、欧州車テイストの適度にロールを抑えた安定感ある感じですね。車体剛性がしっかりしているから、路面の悪いところを通過して衝撃があっても、振動が続くことなくしっかり抑えるのも好印象。

積載性

3

後席展開時の荷室容量はBセグメントのハッチバックとしては一般的な265L。可動式の床面ボードなど凝ったアレンジなどは持たないシンプルなつくりで、ストレートに広さを求めた設計と言えます。4人乗車で1〜2泊の旅行に行く程度なら問題ないでしょう。スーツケースも中型なら2個、大型でも1個は載ります。もちろん後席を倒すことも可能で、背もたれは左右60:40分割式。

燃費

4

WLTCモード燃費は17.6km/L。数字だけを見れば昨今としてはたいしたことがないように思えますが……実燃費でもこれに近い数字を出してくるのがスズキ車の凄いところ。これだけ走りが楽しい純粋なガソリンエンジンで、上手な人が乗ればエコラン的なことをしなくても15km/Lまで伸びるのだから十分でしょう。さすがスズキ！

価格

5

はっきり言います。値付けはちょっと……いやかなりおかしいです。これだけ専用部品をたくさん組み込んだ走りの楽しいスポーツモデルが200万円ちょっとで買えるなんて、どうかしていますよ。プリクラッシュブレーキなど先進安全装備を省いた仕様なら、なんとアンダー190万円。装備だって、カーナビを除けば充実。どう考えても安すぎです。大きな声では言えませんが、こんなクルマが200万円で買える場所は日本だけですよ。