スズキ スイフトスポーツ 「コスパ抜群！日本の、庶民のホットハッチ！」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

コスパ抜群！日本の、庶民のホットハッチ！

2022.6.20

年式

2017年9月〜モデル

総評

優れた走行性能の高さと充実した運転支援システム、日常使いも難なくこなす汎用性の高さ、これらを兼ね備えているのに200万円台前半で購入できるのはバーゲンプライスと言える。これほど総合性能が高いクルマもそうそうないだろう。トルクの立ち上がりが今どきからするとややドッカンターボぽい感じもあるが、クルマのキャラクター的にはそれもアリと感じさせる。スイフトベースの…といってなめてかかると結構硬派な部分までやれるモデル。それがスイフトスポーツなのだ。

満足している点

走行性能の高さとコストパフォーマンスの高さだろう。走行性能と価格の面でも触れたが、クラスを超越する走行性能の高さと充実した運転支援システム、そして日常での利便性を持ちながら200万円台前半で入手することが可能なのだ。スポーツモデルとしてだけでなく、ハッチバックとしての完成度も高いといるモデルだ。どんな場面でも大きな不満が出ないのに、これだけ多様な用途に使えるのはなかなか他にはないと思う。

不満な点

正直価格を考えればあまり求めてはいけないと思うが、もう少しインテリアの選択肢を増やしてほしいと思う。それはインテリアの質感が高いグレードを導入して欲しいという訳ではなく、赤×黒基調のカラーしかないという点にもっと選択肢を増やしてほしいという意見だ。改良によってボディカラーが増えたので、もっと色んなカラーに合わせやすいインテリアカラーも増やしてほしい。黒×銀などモノトーン系が1つ増えるだけでもいいと思う。また、シートヒーターが装備として用意されているが、運転席だけというのが寂しい。もし用意するのであれば助手席にも付けれるようにした方がいいと思う。

デザイン

4

ベース車であるスイフトがあり、スイフトベースと分かるイメージを残しつつも、スポーティー度がグッと上がっているデザイン処理は素晴らしいと感じる。特にフロントバンパーのダクト系処理や各所がブラックアウトされているのはスポーツカーの王道なデザイン処理をしていて雰囲気は抜群だ。もちろん、5ナンバーのスイフトに比べて3ナンバーに拡大されて、ワイドになっているのもスポーティーな印象を演出するのに一役買っている。

走行性能

5

実質200万＋αという価格帯を考えると走行性能はとても高い。1.4Ｌターボエンジンは最高出力140PS、最大トルク230Nmというスペックを誇るが実際に乗って見るとそれ以上のパワー＆トルク感を感じる。コーナリングに関しては全高の高さからやや不安感があるものの、それはかなり高い次元の話であってワインディングなどを普通に楽しむ分には十分高い性能だ。軽量な車体も大きく影響していると言えるだろう。ターボエンジンとしてはやや古めかしいトルクの出方はハマる人はハマるはずだ。

乗り心地

3

少し固めという印象を受ける。スポーツ度合いが高いモデルなだけにしょうがないという意見もあると思うが、17インチ45扁平のタイヤを装着しているというのもあるだろう。約1トンの車重やスペックを考えると16インチでもっと大きな扁平のタイヤを装着してもバランスとして十分成り立つのではないかと思う。もし購入して乗り心地を良くしたいのであれば、サスペンションに手を付けるよりタイヤをインチダウンする方が良いかもしれない。そうすればランニングコストも安くなる。ガンガン走るユーザーに対してもこのクルマはインチダウンを勧めたい。

積載性

3

5名乗車時で265Lというラゲッジスペースは必要十分と言えるだろう。もちろん、5ナンバーサイズでもっと積載性が高いモデルもあるため特別優れているという訳ではないが、トランクの高さもあり実用性はかなり高いと言える。ラゲッジスペースに関しては流行りの樹脂製ラゲッジボードやフックなどはないが、このクルマを購入するユーザーはさして必要だとは感じないだろう。

燃費

2

軽量な車体に先代モデルよりも小さな排気量で過給機を搭載した1.4Lエンジン、と考えると流行りのダウンサイジングターボなのかと思い燃費性能にも期待してしまうが、そのような期待からするとちょっと裏切られてしまうかもしれない。WLTCモードで17.6㎞/Lでハイオクということを考えると燃料代は各種数値を考えると安くないだろう。また、2000回転以下の低回転トルクが薄いので少し上の回転でシフトアップしたくなるというのも、燃費性能的には良くない。もっとも単純な走行性能を考えれば燃費性能は高いと言える。

価格

5

正直言って破格と言えるのではないか。スイフトスポーツは各所で「走行性能からするとリーズナブル」という声が多い、確かにそれは間違いがない。しかしそれに輪をかけて実用的な運転支援システムが装備されても200万円台前半で乗り出しできるというのはすごいと言える。ガンガン走るのはもちろんOKだが、ACCも搭載されていて長距離移動も疲労度少なくこなしてくれる。まさにサーキット走行からコンビニ、遠出までこれ1台で行けるオールマイティなクルマなのに、驚きの低価格なのだ。