スバル スバル360 のみんなの質問

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ホントに水平対向エンジンは動力性能に優れている?

スバルやポルシェで生産している水平対向エンジンは動力性能に優れるという記事を読みました。そうだとしたらなぜ他社は採用しないのかということになりますが、現在のエンジンにおいてもホントに動力性能に優れていると思いますか? また、エンジンスペースやボディスタイル、開発費などの条件がすべてクリアになったとすると、他社の多くも水平対向エンジンを採用したいと思っているでしょうか? ちなみに以前スバルの水平対向エンジン車両に乗っていました。そのときには特に動力性能に優れているとは思えませんでした。エンジン音もうるさかったですし。個人的には他社ライバル車のほうがエンジンもスムーズに回り乗りやすかったです。

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ベストアンサーに選ばれた回答

ここでは,下記の順番に説明いたします。

(1) 富士重工が水平対向を採用した理由
(2) 他社が採用しない理由
(3) 富士重工が水平対向を採用し続ける理由

●どうしてスバル1000に水平対向エンジンを選んだのか?
富士重工は不思議な会社で,このあたりの開発経緯が書籍として発表されています。このいくつかの文献によると次の要因がありました

★背景
VW(フォルクスワーゲン)をよく模倣したスバル360というクルマが成功しました。富士重はその成功要因と課題を次のように分析しました

◆成功要因
・車室内スペースを大きくする
・軽い
・登坂性能が良い … 前後重量配分でリヤヘビー (RR駆動のため)

◆課題
・トランクスペースが狭い … RRでは,フロントのエリアが狭い

こうして次の戦略をつくりました

◆戦略
・FF駆動にして,車室内スペース(プロペラシャフトがない)とトランクスペースを稼ぐ

しかし下記の課題がありました。

(1) 横置きエンジンでは,左右のドライブシャフト長さが異なるレイアウトになり,トルクステアをおこす
(2) 旋回輪が駆動輪であるためには,正確な等速ジョイントが必要
(3) FF駆動では,後輪荷重が少ないため,登坂性能が低下

これらの課題のため,縦置きの水平対向エンジンを選んだのです。

(1) トルクステア … 左右等長なのでおきない
(2) 等速ジョイント … 現在のNTNとバーフィールドジョイントを開発(世界初)
(3) 登坂性能 … フロントオーバーハングにエンジン重心が来るようにして,前輪荷重を大きくする

~ つまり水平対向エンジンが良いから選んだのではなく,いろいろな課題を解決できるからやむなく選ばれたのです

======

●水平対向エンジンの課題は?
下記5つです。

(1) 冷却損失が大きい
(2) 弁のメカニズムがむずかしい
(3) 潤滑が偏る
(4) 排気系レイアウトがむずかしい
(5) 重心を低くしにくい

●冷却損失
燃料の約1/3は冷却損失としてムダになります。水平対向エンジンでは,エンジン幅が制約されるため,ボアが大きくストロークが短い形状になります。このため燃焼前の燃焼室形状は,平らになり,燃焼室容積に対して表面積が大きい(S/V比が大きい)ことになります。このため燃焼して得られた熱が広い燃焼室表面積から冷却系に逃げていきます。このため燃費を重視するエンジンは,ほとんどすべてロング・ストロークエンジンです。
富士重でも,最新のFB20エンジンでは,富士重で初めてロング・ストロークエンジンになりました

●弁配置
弁駆動は,サイドバルブ→OHV→SOHC→DOHC→VVT→排気系もVVTというふうに進化してきました。しかしOHC化やVVT化が遅かったのは水平対向です。これはエンジン幅の制約のため,気筒上(水平対向なので,左右)に複雑な弁機構が設けられなかったためです

●潤滑
V型エンジンも多少,ピストン周囲での潤滑が不均一ですが,水平対向になると,下面と上面の潤滑がまったく異なるため,つねに多めの潤滑量を確保する必要があります

●排気系レイアウト
ボボボという水平対向らしい音は,排気系レイアウトがうまくできなくて不等長のため,発生していました。これはこれで味があるという評価もありますが,排気系の干渉などを考えると,等長が好ましく,最近は等長になっています。
この排気系レイアウトがうまくできないと,その分,エンジン重心(クランク位置)が高くなり,良いことはありません

●重心
今回のレガシィから補機や変速機をふくめた重心が低くなりました。しかしそれまでは,カタログに「エンジン単体の重心が低い」とわざわざ書かれていました。つまりエンジンそのものはたいへん低い重心なのですが,補機や変速機のレイアウトがうまくいかないと先代のレガシィのように,とんでもない高さのところをプロペラシャフトが通ることになってしまうのです

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●どうして富士重はやめないのか?
じつは日産の子会社の時代,日産のVQエンジンを使うよう指導されました。しかしそれに抵抗しました。結局,クルマの機能が向上し,クルマを選ぶ基準が「高機能」ではなく,「個性」になってきました。そうなると,水平対向は「高い記号性」をもつため,今後も使い続けることになるでしょう。
同様にポルシェも水平対向とRR駆動(リヤエンジン,後輪駆動)にこだわりをもっています。

現在の自動車は,どれも高い性能をもっていて,ふつうに使うためには,十分です。たとえば10年前には,高級車しかなかった衝突警報装置が,軽自動車に装着し,しかも自動ブレーキ付きです。つまり機能で選ぶ時代は終わったのです。現在の商品の選択基準は,「機能」ではなく,「個性」です。

簡単ですが,ご参考になれば幸いです。

質問者からのお礼コメント

2013.10.15 08:19

非常に詳しいご回答をありがとうございました。よく分かりました。
それから他の皆様もありがとうございました。大変参考になりました。

その他の回答 (14件)

  • >水平対向エンジンは動力性能

    気のせい。以上

    だいたいV型、直列、水平
    どれをとってもレシプロエンジンです。
    排気量あたりからとれるエネルギー量なんてレイアウトの有利不利による誤差しかありませんがな

  • ポルシェがカレラGTにV10エンジンを積んでいましたが、
    ここでは水平対向を選んでいませんね。
    車両トータルでの設計に関わるでしょう。

    一部報道で、スバルとトヨタが水平対向ハイブリッドのSUVを共同開発すると伝えられましたので、
    順調なら、トヨタにまた水平対向エンジン車が増えることになります。
    もちろん、生産はスバルの工場ですが。

    ちなみに、バイクではBMWもホンダも水平対向エンジンを搭載している車種があります。

  • 水平対向は動力性能なら不利なレイアウトです。
    車両搭載上、吸気マニホールドがUターンする形になり
    ほぼストレート配置できる直列やV型に比べると効率が落ちますし、
    排気管も直線配置出来ず、エンジン下部でとぐろを
    巻いていますからどうしても抵抗が大きくなります。


    今だに「スバルの水平対向は低重心」とか言っている人が多いですが、
    その人はエンジンの上に重いエアコンのコンプレッサーや
    発電機が乗っかっているのを知らないのでしょう。

  • 水平対向ならではの短所もあり、そこがコストや技術面で厳しい部分もあり、他メーカーは採用を止めていきました。
    水平対向だから、ずば抜けて凄いワケではありません。
    ただ、他の直列エンジンにはない長所があり、スバルやポルシェはそこを魅力を感じで採用し続けているのではないでしょうか?
    直列エンジンを選択するという無難な道を選ばないという選択をあえてしないというのは1つのこだわりであり、もの作りメーカーにはよく見られるものです。
    そういうメーカーは、もの作りの方向性もそれによって決まり、そういうのを活かした商品の開発を行い、会社のカラーとなります。(スバルなら低重心にやたらとこだわり、初代プレオの開発では車高1~2cmの差で、パッケージングにこだわる営業と、走行安定性にこだわる開発が揉めに揉めた話などがあります)

  • 車で言えばトヨタ86げ宣伝しているようにエンジンの重心が低いと言うことでしょう。
    水平エンジンなら古くはフォルクスワーゲンやトヨタ初代パブリカが使っています。
    2つの車に共通しているのは空冷であることです。
    空冷では直列エンジンだと横置きエンジンでも無い限り後のシリンダーは前のシリンダーで加熱された空気しか当たらないので冷却効率が悪くなります。
    そのためV型や水平型にしてシリンダーが並ぶ数を減らして空冷の効率を上げています。
    車好きの人なら知っているでしょうが父のポルシェ博士がフォルクスワーゲンを造り子供のポルシェ博士がワーゲンをベースに最初のポルシェ356を造りました。
    ポルシェは
    MRの914やFRの924を出しても一番売れるのがRRで水平エンジンの911タイプですから止められないのでしょう。
    エンジンのイメージならトヨタのDOHC、日産のターボー、マツダのロータリーがあります。

  • 単なるレシプロエンジン。
    水平対向という名で目立つだけです。
    知恵袋でもメリットそっちのけでよくあら探しされるエンジンの一つです。

  • インプレッサがEVOより速かったらそうなんだろうけど
    「トップギア」では大差?でEVOⅧが勝ってた

  • おっしゃる通り他社が扱わないものは技術革新が遅い

    V型はエンジンをコンパクトにすることが可能なのでエンジンの軽量と言う意味でも水平対向は不向きです

    重心が低いとされていますが、実際は低くない

    ただ、ディーゼルエンジンにした場合はエンジン振動が打ち消せるので向いているようです。

    競われての技術革新なので、ロータリーエンジン同様に技術的には劣っています。

    エンジンルームのレイアウトに苦労するのと、衝突安全性においても劣ります。

  • >水平対向エンジンは動力性能に優れるという記事を読みました。

    それはないと思います。

    低重心などを理由に、運動性能が高いという話なら解りますが。


    >個人的には他社ライバル車のほうがエンジンもスムーズに回り乗りやすかったです。

    でしょ? だったら・・

    >そうだとしたらなぜ他社は採用しないのかということになりますが

    なりませんよね?

    それぞれ長所短所があり、メーカーごとにも得意分野があります。
    他社と同じものを作る必要は全くありません。

  • 「動性能力が優れている」という事は、クルマの走行性能全体の良さを示すもので、エンジンの形式だけで良し悪しが決まるものではないと思います。

    確かに水平対向エンジンは、振動を少なくでき、エンジンの高さを低くできるというメリットがありますが、それは単にエンジン形式としての一般的なメリットであって、全ての水平対向エンジンが、すなわち優秀なエンジンではありませんし、水平対向エンジンのクルマが、優秀な動性能力を持つわけでもありません。

    水平対向エンジンのメリットを最大限生かすような、優れたエンジニアリングがなされたクルマが、結果として優秀なクルマと言えるわけです。

    スバルやポルシェが水平対向エンジンにこだわるのは、その希少性からくる独自性をブランドの価値としているためです。また彼等は、技術的裏付けとして、他の方のご回答にもある水平対向のデメリットを重々承知した上で、デメリットを最小にしメリットを最大にするノウハウを持っているのです。

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