自動車の駐車ブレーキって、 なんで後輪だけにかかるのが一般的なんです？

Answer 1

従来のワイヤーを引っ張る（手動、足動にかかわらず）タイプだと4輪全部に掛けようとするとコストが掛かりすぎるからです。
最近はボタンを押すと電動でアクチュエータを操作して全輪に掛けるものも増えてきました。

後輪に掛けるものが多いのは前輪がディスク、後輪がドラムブレーキだったものが以前は主流だったからではないかと思います。古いスバルレオーネだと前輪に掛けるものもありました。

質問者からのお礼コメント

ありがとう。

Answer 2

まず、駐車ブレーキ（パーキングブレーキ）に関しては、
「ドラムブレーキの方が効く」という物理的大前提があります。

なぜなのかは単純な話で
「力の加わる方向が、タイヤの回転方向の逆方向だから」です。
例えで言うと、
坂道の途中に車を止める時に「輪留め」をする場合、
・タイヤの回転方向に輪留め＝ドラムブレーキ
・タイヤを左右から挟んで輪留め＝ディスクブレーキ・・・こんな方法で輪留めしようとする人は、まずいません。誰だって、そんなことしても止まらないとわかりますから。

つまり「タイヤを止めたまま動かないようにする力＝制動力」はドラムブレーキの方が強いんです。

なので、パーキングブレーキにはドラムブレーキを使った方がいい。
特に、1.5トン以上もある重量級の車の場合は、ドラムブレーキでなければ坂の途中に駐車できないくらいです。

その為、1.5トン以上ある車の場合、
後輪にディスクブレーキがついていても、その内部にパーキングブレーキ専用のドラムブレーキを装備してる車が殆どです。
・・・「ドラムインディスク式」とか「インナードラム式」パーキングブレーキと呼びます。

この「ドラムインディスク式」をFF車の前輪に装着すると、前輪の負担が非常に大きくなります。
というか、エンジニアに「はぁ？？ただでさえドライブシャフトだのステアリングラックだの付いてるのに、どこにつけろっていうんだこらっ」と怒られてしまう。

なので、後輪にドラムブレーキのサイドブレーキを装備するのが一般的です。


※「タイヤを止めたまま動かないようにする力＝（車検で言う）制動力」はドラムブレーキの方が強いですが、
「ある速度から車体を減速する力＝ブレーキ馬力」はディスクの方が大きい。
ブレーキとは「車体の運動エネルギーを熱エネルギーに変換する装置」で、
「発熱量＝ブレーキ馬力」です。・・・「制動力」とは物理的に別の力。
欧州車の標準ブレーキとか、サーキット用のブレーキは、この「発熱量が大きい」ブレーキです。

※こういうブレーキを装備してる車でも、パーキングブレーキは、ドラム式か、ドラムインディスク式を採用するのが殆どです。








ドラムインディスク式(インナードラム式)サイドブレーキ

Answer 3

駆動軸を固定するという発想があったのではないかと。
重いトラックだとミッション後端にパーキングブレーキがあり
車輪にパーキングブレーキはありません。

古いシトロエンは前輪にパーキングブレーキがあり、
それを真似したスバル1000も前輪にパーキングブレーキがありました。

Answer 4

駆動輪にかける、という考えからではないでしょうか。
今は前輪駆動が主流ですが、昔はほとんどがFRで、駆動輪は後輪でしたからね。
スバルは昔からFFでしたから、上記の考えに基づいて前輪にハンドブレーキがかかるようにしていました。今は違いますけどね。

ではなぜ今も後輪にかけるのか。
ひとつには、前輪駆動の場合駆動系と操舵系がそこに集中しており、さらにハンドブレーキまでもとなると、あまり複雑になるのを避けたい、というのがあるのかもしれません。整備性にも影響しますからね。
スバルはそれをやっていたのだから、まあ真面目というか馬鹿正直というか、ですが。