スバル レオーネ のみんなの質問

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「なんちゃって4WD」という車の評価についておたずねします。

あちゃ、またやってしまった。もう一度、質問します。

僕は雪国に住んでいて、古くからの4WD愛好者です。

田舎なので、十分な除雪は期待できません。
車幅ギリギリに除雪された道を、ボディをこすりながら走ったり、2,30cmの積雪なら車でラッセルしながら出かけたりします。

かつて4WDはジムニーやレオーネのようなパートタイムか、アウディクワトロのようなセンターデフ式のフルタイムしか有りませんでした。

その後、フォルクスワーゲンのビスカスカップリングを始め、各社工夫した流体カップリングが出てきました。それらはメインの駆動車輪とビスカスなどによって駆動されるサブの駆動車輪を持っていて、「なんちゃって4WD」と呼ばれました。(ワンウェイクラッチによる物も有ったかも知れない。)

どこが「なんちゃって」かというと、回転数の差をビスカスなどのスリップによって吸収している、すなわちトルクを熱にして捨てているからです。

その後、電子制御の湿式多板式クラッチの4WDが出てきましたが、これらも同様の理由で「なんちゃって4WD」と呼ばれていました。

長らくそういう方面の本やサイトを読まなかったのですが、最近この知恵袋を眺めていたら、分類の仕方が違ってきているような感じがしました。

ビスカスは相変わらずなんちゃって4WDですが、電子制御の4WDは「ちゃんとした」4WDに入れてもらっているようです。これは、知恵袋を少し眺めただけの印象なのですが、実際の所どうなのでしょう。

今時の「なんちゃって4WD」の定義と、どのあたりで線引きをするのかを教えていただけないでしょうか。

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ベストアンサーに選ばれた回答

ご質問ありがとうございます。質問者様のおっしゃる通り、ここ数年で少し状況が変わってきましたね。まず、「なんちゃって4WD」という言葉ですが、これは「スタンバイ式4WD」の代名詞として使われてきました。

■ スタンバイ式4WD

「スタンバイ式4WD」とは、通常は二輪駆動を基本とし、その駆動輪が滑ったときのみ残りの二輪が自動で駆動力を補助する四駆システムの総称ですね。エンジン横置FFベースの4WD車に採用されることが多いです。ご存じのとおり、当初は前後輪をつなぐプロペラシャフトの間に「ビスカスカップリング」や「ロータリーブレードカップリング」等の装置が挟み込まれるケースが多かったです。これらは前後輪に回転差が発生すると機械的に直結率を高める構造ですから、例えばFFベースの場合、前輪が滑ってからでないと後輪には駆動力が生まれません。本来、滑らないための四駆のはずが、滑ってからでないと四駆にならない・・・というのが「本物の四駆ではない」という烙印を押されることとなりました。これが「なんちゃって4WD」と呼ばれる所以ですね。これで「スタンバイ式4WD」=「なんちゃって4WD」という図式ができあがったわけです。

■ トルクオンデマンド型4WD

「トルクスプリット型4WD」とも呼ばれます。これはセンターデフを持たずに前後輪のトルク配分を自動的に行う四駆システムの総称です。大きく分けて「パッシブ・トルクオンデマンド型4WD」と「アクティブ・トルクオンデマンド型4WD」があります。

<パッシブ・トルクオンデマンド型4WD>

先に説明した「ビスカスカップリング」や「ロータリーブレードカップリング」のように、前後輪の回転差を受けてから機械的に4WDにする仕組みです。滑ってから初めて4WDになるので完全なる「なんちゃって4WD」です。正確にいうならば「パッシブ・トルクオンデマンド型スタンバイ式4WD」となります。ホンダのデュアルポンプ式の初代や二代目(現行は三代目)もパッシブ型になります。

<アクティブ・トルクオンデマンド型4WD>

この「アクティブ・トルクオンデマンド型4WD」のせいで4WDシステムがややこしくなっています。パッシブ型との違いはセンサーによって前後輪の回転差を感知して、電気信号で電子制御カップリングや油圧クラッチを働かせて4WDにします。従って、機械式よりも4WDに切り換える反応が早いです。例えば、トヨタの「アクティブ・トルク・コントロール4WD」等は代表的なもので、ジェイテクト製の電子制御カップリングを使用しています。ホンダの三代目の「リアルタイムAWD(インテリジェント・コントロール・システム)」もセンサーによってデュアルポンプを機能させるようになりました。但し、これらはあまり多くのセンシングをしていないため、アクティブ型ではあるものの四駆性能はミニマムで「なんちゃって4WD」の仲間になっています。

一方で、ジェイテクトの電子制御カップリングを使っていても、マツダの「i-Active AWD」は基本的なハードウェアは完全なるスタンバイ式4WDに過ぎないのですが、20個以上のセンサーを張り巡らせて、滑る予兆を感知し4WDに切り換えます。なので、何も言われなければ運転しても「フルタイム4WD」との区別がつかないほどです。このようにセンシングが発達した四駆システムは、スタンバイ式4WDの構造であっても「なんちゃって4WD」とは呼ばれなくなってきています。スウェーデンの「ハルデックスカップリング」も同じく高度な制御をします。ワーゲングループやボルボで採用されていますが、最新式の「ハルデックス5」などは、フルタイム4WDと比べても遜色ないレベルに達しています。その他の国産車では、日産の「ALL MODE 4×4i」、三菱の「電子制御4WD」等も「スタンバイ式4WD」なのですが、「なんちゃって4WD」とは呼ばれないことが多いです。センシングはマツダの「i-Active AWD」ほどではないのですが、ロックモードがついておりドライバーの意思で駆動配分を前:後=50:50にロックできます。これゆえ通常走行が2WDのスタンバイ式4WDでも、硬派な4WDシステムと見られているようです。そのほか、ホンダ・レジェンド等のSH-AWDもスタンバイ式4WDなのですが、前後駆動配分だけでなく、左右輪の駆動制御を行うトルクベクタリングにより強力なコーナリング性能を持ちます。これも「なんちゃって4WD」とは言われません。

<アクティブ・トルクオンデマンド型フルタイム4WD>

それから、スバルの4WDは本格的ですが、そのスバルで最も普及型のフルタイム4WDシステムの「ACT-AWD」(Active Torque Sprit AWD)というのはセンターデフを持たない「トルク・オン・デマンド型4WD」なのです。でも、スタンバイ式4WDではなく、正真正銘の「フルタイム4WD」です。世界的にも稀に見る「アクティブ・トルクオンデマンド型フルタイム4WD」なのですね。スバルはなんと30年前の1987年に電子制御により前後トルク配分を最適化するフルタイム4WDを市販化していました。当時は「ACT-4」と呼ばれていましたが、このようにセンターデフを持たない「トルクオンデマンド型4WD」でも、ACT-4WDのように世界有数のフルタイム4WDは存在しています。これも「アクティブ・トルクオンデマンド型4WD」をややこしくしていますね。

■ 後輪駆動ベースのスタンバイ式4WD

「スタンバイ式4WD」でも、後輪駆動ベースの場合、むしろリスペクトされたりします。日産の「ATTESA E-TS」は世界一級のGT-Rのグリップを支える4WDシステムです。FF車の前輪の空転は退屈ですが、後輪駆動車の後輪の空転は腕に自信のある人にとってアミューズメントそのもので、アクセルでクルマの進む方向をコントロール(ドリフト)できる幅広さがあります。それはクルマが不安定な証拠でもあります。例えば、FR好きにとっては、後輪二輪駆動の方が楽しいですが、急発進やコーナー出口ではクルマが前に進まない、雪道等ではスタックしやすい等の欠点があります。その必要なときだけ前輪が引っ張ってくれるのがある意味理想なわけです。しかも、FRでは前後の重量配分を50:50に近づけますが、それゆえ前輪に重たい駆動系を持たせると重量バランスが崩れます。なので前輪はできる限り軽量な方が助かります。「ATTESA E-TS」はこうした考え方ですから、FRと4WDのいいところ取りで、スタンバイ式でありながら、フルタイム4WDよりも進んだシステムともいわれることもあります。同様な考え方に追従したのが、やはりFRメーカーのBMWでした。FRモデルの「X-drive」は全てスタンバイ式4WDです。ミッドシップですが、アウディR8やランボルギーニの4WDシステムも、先に説明した「ハルデックス・カップリング」を用いたスタンバイ式4WDですが、いずれも「なんちゃって4WD」には属しません。勿論、いずれもスタンバイ式4WDとはいっても電子制御の「アクティブ・トルクオンデマンド型4WD」になります。

■ モーター式4WD

さらにことをややこしくしているのは「モーター式4WD」の登場ですね。現時点でモーター式4WDは各社から出ています。代表的なもので以下のようなものがあります。

・日産・マツダ「e-4WD」
・トヨタ「E-Four」
・三菱「ツインモーター4WD」
・ホンダ「スポーツSH-AWD」

いずれもプロペラシャフトのない4WDですが、上2つは「なんちゃって4WD」に属しており、下2つはそこに属しません。ある一定以上の速度になるとモーターがキャンセルされるからですね。特に「e-4WD」はハイブリッドでもなく、非常に簡素なものです。一方、下の2つは電子デバイスとの統合制御により、細かくセンシングされています。モーターと電子デバイスは共に電気信号による制御ですから、エンジンよりもレスポンスよくきめ細かくコントロールできます。ホンダの「スポーツSH-AWD」などは、メインの駆動輪はエンジン+モーターのハイブリッド。残りに2輪は左右個別のモーターでトルクベクタリングを行います。レジェンドはFFベース、NSXはMRベースでこれを行います。まだまだ発展途上の技術ですが、今後はこのモーター式が主流になると思います。

少し長くなりすみません。
特に、マツダの「i-Active AWD」の制御が知られはじめた2015年あたりから「なんちゃって4WD」の範囲が変化してきたように思います。「なんちゃって4WD」と呼ばれない条件は主に以下のようになると思います。

<「なんちゃって4WD」といわれない条件>
・常時四輪駆動である場合
・前後輪をロックできる機構をもつ場合
・スタンバイ式4WDでも高度なセンシングを行う場合
・スタンバイ式4WDでも後輪駆動ベースの場合

その他、何かご不明な点などございましたら追加でご質問いただけましたら幸いです。

質問者からのお礼コメント

2017.12.10 11:28

皆さん、いろいろなご意見を有り難うございました。

知恵袋やネットの中では、「なんちゃって4WD」に対する評価が異様に低いな、という疑問がきっかけで質問させていただきました。

特にstedeeetuningさん、お世話になりました。

その他の回答 (5件)

  • なんちゃって4WDの代表は、日産のE-Four。バッテリーが切れたらどうしようか?

  • 簡単で「なんちゃって4WD」の定義が二つあるんです。

    皆さんがが使われっるのは雪国の一般使用で、ホンダ辺りの滑ったらリアに駆動させるビスカスタイプの「リアルタイプ?4WD」とか言う車両でスピンが多かったので、役立たずの意味でなんちゃって4WDと言われています。


    クロカン等が使うのは、それ以前からの話で特殊です。
    通行止めの雪道やラッセル等で使う時の4WDの話で、ランクルやウニモグなどデフロックや直結の4WDがいいとか言っている時の話です。

    それを同じと考える人が混乱しているだけですね。

  • addresser99さんの回答にある定義に、
    ・副変速機(トランスファ)
    ・直径の大きなタイヤ
    を加えて下さい。
    これが無い四駆を基本的には本格四駆とは言いません。
    本格四駆の始祖はパートタイム四駆ですし。
    その上で、ラダーフレームやらリジッドアクスルを持つヘビー系、フロントこそ独立懸架になったもののラダーフレームを残すモノやモノコックボディのライト系クロカン(ここで既に「なんちゃって」の枠に引っかかりますが…)、SUV止まりのFF(二駆ではそもそもSUVと言うのもおこがましい)ベース以降は「なんちゃって」です。
    駆動方式の括りではなく、ボディ等すべて含めたジャンルという事です。

    パッセンジャータイプはそもそもパートタイム四駆では不便ですから、むしろフルタイム4WDこそが本格派(パッセンジャータイプの四駆はセンターデフを持つFFベースのフルタイム四駆が始祖)であって、更に電子制御によって違和感を消す事で一般的に普及するモノでしょう。
    しかし、速さで言うなら横置きFFベースのビスカス式フルタイム4WDこそが至高なのですがね…。

  • なんちゃって4WDはレクサスLXでしょうね。

    1000万円もする車で悪路は走れないし逆に走っていたらTPOを考えろ!という話です。

    4WDとして悪路を走れない。

    スカイライン4WDは悪路と言うよりも4輪をコントロールすると言う意味合いですからOKですね

  • リクエストされてないのに、私の勝手な考えを書いてしまいますがご容赦の程…

    今は、過ぎ去りし四駆ブームの頃よりも、ユーザの目が肥えていると思います。

    なので、フルタイムでセンターデフが完全にロックされるだけで、本格的四駆、とは普通は余り考えないと思います。

    懸架方式の違いや、フレーム形式なんかも吟味して、なんちゃって。になるのではないでしょうか?

    例えば、昔の四駆ブームの頃もパジェロミニが「なんちゃって」って呼ばれていたのと同じですね(但し、パジェミは実際はきちんと走りますよ。ある限界を超えると厳しいって言う事です。普通の林道以上(いや以下と言うのでしょうか)でも入って行けます…)

    【非なんちゃって四駆の条件】(私の考えです。定義がある訳ではありません)

    ・セパレート(ラダー)フレーム
    ・前後車軸懸架(リジッドサス)
    ・パートタイムまたはフルタイムでセンターデフ固定必須

    上記の3点くらいじゃないでしょうか?

    そうすると、ランクル200もなんちゃってになるけど、私はなんんちゃってだと思っています。興味ナッシングってやつですね…

    上記3点を満たす四駆というと…

    ・ジムニー
    ・三菱Jeep
    ・ランクル70系
    ・(米国)Jeepラングラー
    ・ゲレンデワーゲン(ベンツGクラス)
    ・クラシックディフェンダー(ランドドーバー)
    ・クラシックレンジローバー

    とかその辺でしょうね、挙げればキリが無いけど、ここで「ピンツガウアー」とか「UAZ」って書いても???でしょうし…

    私は、個人的にはそう考えています。

    現実的に入手して乗れるのは、ジムニーか(米国)Jeepラングラー辺りではないですかね?

    ゲレンデも走っているけど、日本で走っているのはATだし、かなり重いよ…

    勝手に書いてすんまそんでした…m(__)m…

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