アンチテーゼ
次の車はミニバンにしろと家内からプレッシャーをかけられている。今新車で買える車の中から選ぶなら、私は迷わずエクシーガを選ぶ。
日本ではJ
2009.12.12
- 総評
- アンチテーゼ
次の車はミニバンにしろと家内からプレッシャーをかけられている。今新車で買える車の中から選ぶなら、私は迷わずエクシーガを選ぶ。
日本ではJNCAPという自動車衝突テストが自動車事故対策機構(NASVA)によって行われているが、試験項目の中に試験車の運転席側に質量950kgの台車を時速55kmで衝突させる側面衝突試験がある。
近年、コンパクトカーと並んで人気のハイルーフミニバンや背高ミニバンと呼ばれるモデルが、この試験でことごとく横転していることをご存知だろうか。
http://www.nasva.go.jp/mamoru/carassess.html
この試験条件の下では興味深いことに、車の全高が全幅を超えてくると途端に横転する車の割合が増えるように見える。55kmでているとは言え、950kgといえば、たかだか2名ほどが乗車した軽自動車の重さである。背高ミニバンは座面が高いのでインパクトそのものによるダメージは少ないようにも思えるが、その後横転した車に閉じ込められたり、車外放出されたりする確立は高くなる。(それにしても、横転しているのに乗員の救出性に問題なしとしているJNCAPの評価が解せない)
もちろんこうした踏ん張りの利かなさは走行安定性にも影響する。例えばトヨタにしても、アメリカではシエナという全幅1986全高1750というより安定したスタイルのミニバンを販売している。これにはエスティマではアメリカ人には小さすぎるという理由ももちろんあるが、米国高速道路交通安全局(NHTSA)が行っている横転属性の評価も影響しているはずだ。もし我が国のJNCAPでも横転属性の評価がなされていたら、昨年度の自動車アセスメントグランプリ08/09にはエクシーガが選ばれていたかもしれない。
エクシーガの偉いところは313万円という価格でターボと4WDだけでなく、先進のプリクラッシュセーフティーまでついてくることだ。こんなにコスト対安全効果の高い多人数乗用車は世界広しといえどもエクシーガくらいだろう。この価格は決して安くはないが、ヴェルファイアのベースグレードとあまり変わらない。
- 満足している点
- 1.ロールーフスタイルと水平対向エンジンによるミニバン離れした低重心(先代から45mmも全高を上げておきながら低床・低重心を謳っているモデルもあるが、話している次元が違う)
2.フルタイムAWDによる高速や悪天候時の安定性(サムタイム4WDと一緒にしてはいけない)
3.衝突安全性能(自動車アセスメント優秀車)
4.プリクラッシュセーフティー(アイサイト&横滑り防止装置VDC)
- 不満な点
- あまり個人的な私見や価値観ばかり語るのもよくないが、車は公共の場で走るものだけに、最近の国産ミニバンの安全性を無視した仁義なき背比べには正直辟易とさせられる(ハイルーフ軽自動車もしかり)。広い車が良いという向きもあるが、5ナンバー車+α程度の車幅では、天井のデッドスペースで広いと錯覚させられているだけだ。開放感ならエクシーガでもパノラミックガラスルーフが選べる。車は住むところではないし、時には人を時速100kmで運び、凶器にもなりうる。走行中は席を立つべきではないのだから、空気抵抗を増やし安定性を損なうだけの天井の高さやウォークスルーよりも大事な要素があると思えてならない。
エクシーガの短所について言うなら、アイサイトはターボ以外でも選べたら更によいと思う。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験