2021年2月
■2021年2月
ルノー・ジャポンは、コンパクトSUV「キャプチャー」を2021年2月4日にフルモデルチェンジ、同年2月25日より販売を開始した。
2013年にデビューした初代キャプチャーは世界で170万台以上を販売し、とくに欧州では人気モデルとなっていた。2代目はデザイン、プラットフォーム、パワートレーンを一新。品質、機能、装備の面でクラスを超えた進化を遂げたという。ラインアップは、ベースモデルの「インテンス」と「インテンステックパック」の2グレードを用意している。
しなやかなアスリートを彷彿とさせる躍動感、エレガントな曲線を盛り込み、フロントにはCシェイプデイタイムランプを、リヤにもCシェイプのリヤコンビランプを装着。ひと目でルノーだとわかるデザインとした。さらに前後のスキッドプレート、ボディ下端を覆うモールディング、アルミのルーフレールによってSUVらしさをアピールする。ボディサイズは「ルーテシア」よりもひとまわり大きく、全長4230㎜×全幅1795㎜×全高1590㎜、ホイールベース2640㎜。先代モデルと比べると、とくに全長は95㎜、ホイールベースは35㎜長くなっている。
インテリアは上位クラスと並ぶ知覚品質の実現と、人間工学に基づいたコクピットデザインを採用した。水平基調のダッシュボードにはドライバー側に向けられた7インチマルチメディア イージーリンクを装着。宙に浮いているかのようなフライングセンターコンソールはシフトレバーをドライバーに近い位置に配することでドライビングポジションを最適化し、変速操作をしやすくしている。センターコンソール下のスペースにはスマートフォンのワイヤレスチャージ機能(インテンステックパック)が備わる。
レザーステアリングは先代よりもエアバッグシステムを小型化することでセンターパッド部が小さくなり、メーター類の視認性を向上。メーターパネルは従来のアナログディスプレイに代えて、7インチの液晶パネルを採用した。マルチメディアイージーリンクはタッチスクリーン上でスマートフォン内の各種アプリを利用可能。センターコンソールにはUSBポートを2つ、AUX入力を1つ装備している。
プラットフォームは、ルノー、日産、三菱のアライアンスにより新設計となったモジュラープラットフォーム「CMF-B」を採用する。パワーユニットには最高出力113kW(154ps)/5500rpm、最大トルク270Nm/1800rpmを発生する1.3リッター直4ターボを搭載。ルーテシアに対してパワーで+23ps、トルクについても+30Nm向上し、上位クラスのエンジンと同レベルの性能を発揮するという。組み合わされるトランスミッションはデュアルクラッチ式の7速AT(7EDC)でFFのみの設定となる。WLTCモード燃費は17.0km/L。
走行モードは個別設定の可能な「マイセンス」、スポーツ走行に適した「スポーツ」、経済性を重視した「エコ」の3タイプ。選択された走行モードに対してルノーマルチセンスは以下の設定を変更する。
・エンジンの出力特性
・電子制御7速AT(7EDC)の自動変速特性
・電動パワーステアリングのアシスト力(コンフォート/レギュラー/スポーツ)
・エアコンの作動
・7インチデジタルインストルメントパネルの表示スタイル(エコ/コンフォート/レギュラー/スポーツ)
・8色のアンビエントライト(ブルー/エレクトリックブルー/パープル/イエロー/オレンジ/レッド/グリーン/ホワイト)
パーキングブレーキは電動化され、オートホールド機能は標準装備。ステアリングにはヒーターが備わり、パドルシフトも装備される。乗員の触れる部分にはソフト素材が採用され、新しい素材の防音材の採用やフロントガラスへの防音フィルムの追加、シーリング方法の見直しなどにより、静粛性にも配慮した。
運転支援システムは充実しており、アダプティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付き)とレーンセンタリングアシスト(インテンステックパック)を組み合わせて運転をサポートする「ハイウェイ&トラフィックジャムアシスト」、車庫入れや縦列駐車などの際に自車位置と周囲の状況が確認できる「360°カメラ」、「オートハイ/ロービーム」、「パーキングセンサー」を装備。
安全装備についても歩行者・自転車検知機能付きの「アクティブエマージェンシーブレーキ」、「ブラインドスポットワーニング」、「レーンキープアシスト(車線逸脱防止支援)/レーンデパーチャーワーニング(車線逸脱警報)などが備わっている。
2022年4月1日には価格改定を実施した。
■2022年9月
ルノー・ジャポンは、コンパクトSUV「キャプチャー」にハイブリッドモデル「E-TECHハイブリッド」を設定して、2022年8月25日に発表、同年9月1日に発売した。
新たに設定された「E-TECHハイブリッド」は、同社の「アルカナ」や「ルーテシア」にも採用されているルノー独自のハイブリッドシステム「E-TECHハイブリッド」を搭載したモデル。F1で培ったノウハウをフィードバックして、1.6リッター4気筒自然吸気エンジンに、メインモーターであるE-モーターとサブモーターのHSG(ハイボルテージスターター&ジェネレーター)、これらを繋ぐ電子制御ドッグクラッチマルチモードATで構成され、「アルカナ」と並んで輸入SUVトップを謳う22.8km/LのWLTCモード燃費を実現した。
電子制御ドッグクラッチマルチモードATは、モータースポーツの世界で使用されるドッグクラッチを採用し、軽量化とコンパクト化を図ったルノー独自開発のハイブリッドシステム。モーター側に2つ、エンジン側に4つのギアを持ち、12通りの変速比でモーターとエンジンのパワーを効率良く引き出すことができるという。
またモーターとエンジンを走行状況に応じてもっとも効率良く組み合わせることで、燃費の向上や排出ガスの削減を達成。発進時は低速域で効率の高いモーターのみで駆動し、スムーズな発信をサポート。中速域ではモーターとエンジンを最適に組み合わせ、素早いレスポンスと息の長い加速が期待できる。従来のハイブリッド車が苦手とする高速域では、巡航時には効率の高いエンジンを積極的に使用し、追越し時にはエンジンをモーターがアシストすることで、力強い加速を得られるように図っている。
ブレーキペダルを踏み込むと、回生ブレーキが作動し、減速エネルギーを回収する。さらに制動力が必要な場合は、ブレーキパッドを介して「機械的」なブレーキが作動。ギアポジションをB(ブレーキ)にするとエネルギー回生能力が高まり、より多くのエネルギーを回収できる。
また1.2kWh(250V)の駆動用バッテリーが搭載され、市街地走行時にはバッテリーに充電された電気で積極的にモーターのみで走行し、燃費向上に貢献。減速エネルギーを回収した際には、バッテリーに回生充電される。
装備面では、バックする際の安全性を高めるリアクロストラフィックアラートや、10.2インチフルデジタルインストゥルメントパネルなどを備えているほか、メーカーオプションとして「レザーパック」(運転席電動調整機能付レザーシート)などを設定した。
同年10月1日には価格改定を実施した。
■2022年11月
ルノー・ジャポンは、コンパクトSUV「キャプチャー」に、ブリリアントブラックのアクセントと、上質でシックなブラック基調の室内空間を備えた限定車「ブラックスタイル」を設定し、2022年11月4日に150台限定で販売を開始した。
「キャプチャー」は、しなやかなアスリートの筋肉を彷彿させる躍動感とエレガントな曲線が表現する官能性を併せ持つ洗練されたフレンチデザインが特徴のエクステリアに、クラスを超えた上質な持つインテリア、そして先進の運転支援システムによる快適な運転環境が特徴のコンパクトSUVである。
今回の限定車は1.3リッターターボエンジンを搭載する「インテンス」をベースに、エクステリアでは光沢あるブリリアントブラックのエンブレム、スキッドプレート、サイドプロテクションモールフィニッシャー、アロイホイールなどを特別装備した。またインテリアについては、ブリリアントブラックダッシュボードパネル、ブラックヘッドライナーによってブラック基調でまとめられており、アーバンシックでスポーティなモデルに仕上がっている。
ボディカラーは「グリカシオぺメタリック」、「ブルーマリンフュメ」、「ルージュフラムメタリック」、「ブランナクレメタリック」の全4色をラインナップしている。なお、いずれのカラーも、ルーフカラーはブリリアントブラックメタリックとなる。