ポルシェ ケイマン 「一生大事にしたいと思える車」のユーザーレビュー

一生大事にしたいと思える車

2020.1.26

総評

自動車評論家/清水和夫氏の言葉を借りるとスポーツカーはレーシングカーとは異なり、実用性･乗り心地･快適性等、公道で最低限必要な性能の上にどれだけスポーツ性を加えられるかということに尽きる。つまり二律背反するものをどれだけ両立させられるかが重要で、ケイマンに乗るとポルシェが創業以来長年主に911開発を通じて、両立に挑戦してきたことが非常に良く分かる（スポーツカーでありながら実用性を殆ど犠牲にしていない）。国産ブランドも近年はスポーツカー開発（not レーシングカー）に力を入れており、試乗すると感動させられることが多々あるものの、未だスポーツカーの歴史は短く、個々のブランドが紡いできた歴史も浅い。ポルシェも最近は世界的な環境意識の高まりに伴い、VWグループ全体戦略も相まってEV（タイカン）を導入し、911でさえターボ化されている。ポルシェブランドのファンとしては自然吸気の水平対向6気筒エンジンを一生乗り続けたいと思う。

満足している点

幼少期よりポルシェに強く憧れ、漸く中古で手に入れた一台。独身のうちに2シーターに乗っておかないと一生後悔すると思い、日常生活で困らない程度の積載性を持つケイマンを思い切って購入（後部トランクにゴルフバッグ2つ積めます）。正直、単純な加速性能では一部国産車に敵わないものの、走りに「質」という定義があるのであれば、質感の高さに終始圧倒させられる。走行性能は申し分無いことに加えて日常の買い物等もストレス無くこなせるところも脱帽もの（コンビニの少し高い段差でも少し気を付ければフロントを擦ることは無い）。都心暮らしでサーキット等で走り込まない限りノーマルのケイマンでパワー不足を感じることは無い。デザインも兄貴分の911に劣らず、特に後方から見る人間のウエストのくびれを想起させる後輪周りの膨らみには目が釘付けになる（歩行者からの注目度は抜群）。

不満な点

ポルシェブランドに惚れ込んで購入した為、特段不満な点は無いものの、右後方の視界（右Hの場合）は若干不安が残る。乗り心地もPASMを搭載しているモデルであれば国産セダン並みの良さを誇り、至って快適。

デザイン

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走行性能

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自然吸気水平対向6気筒エンジンが生み出す265馬力は昨今のハイブリッド車やターボ車には純粋な加速性能では敵わないが、8000回転近くまで回るエンジンとミッドシップならではの背中から伝わる独特な振動が相まって全身鳥肌が立つ程気持ち良い加速をする（Sport Plusモードを選択すればレスポンスがさらに良くなり、排気音が大きくなるが、公道で使う機会は殆ど無い）。コーナリングはミッドシップレイアウトによる重量バランスの良さと水平対向エンジンによる重心の低さに起因して箱根のワインディング等でも安定した走りを実現。

乗り心地

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スポーツカーということもあり、購入前は多少の乗り心地の悪さには目を閉じようと思っていたが、意外なことに廉価な国産セダン並みの乗り心地を誇る。ミッドシップレイアウト故に若干エンジン音が室内に籠る気がするものの、同乗者と静かに会話できる程の静粛性を誇る。

積載性

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積載性の高さがケイマンの大きな魅力の一つ。トランクは前後に分かれ、前部トランクには機内持ち込みスーツケースが2つ程収納でき、後部トランクにはゴルフバッグを2つ積載できる。家族が2人であれば日常生活において積載性に困ることは限定的。

燃費

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都内走行で6~7km/L、高速走行で10km/L程度とお世辞にも良いとは言えないが、燃費を気にして乗る車では無い。

価格

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故障経験

購入して間もないので未だ故障は無いが、販売店には小まめなオイル足しを推奨されている。