ポルシェ ケイマン 「ポルシェらしさを味わえる２シーター」のユーザーレビュー

ポルシェらしさを味わえる２シーター

2019.10.7

総評

◆総評
約９ヶ月共に過ごしてみて、購入して良かったと改めて思います。

987ケイマンを購入後、911への誘惑や718(982)ケイマンへの誘惑など、色々考えた時期はありましたが、スタイリングや使い勝手を総合的に考え、改めて「長く乗り続けたい。一緒に人生を歩んでいきたい」と思える車です。

都内在住で駐車場も決して安くはないため、手間暇と費用を掛けてでも維持したいと思えるか、20年後も乗っていたいと思える車か否かが、重要だと個人的には思っています。

満足している点

2019年1月に31,000km走行の個体を手に入れ、9ヶ月間乗った感想です。

◆価格
987ケイマンは、現在とてもお買い得な価格帯まで下がってきており、前期･後期ともにポルシェの購入を検討されている方にとって、手を伸ばしやすいと思います。

約10年が経過している車両で、997とも共通部品が多いため、消耗品や経年劣化したパーツの交換など、維持費はそれなりに掛かりますが、それを考慮してもとてもお値打ちだと思います。
987の少しレトロな雰囲気を持ったスタイルが好きな方は、玉数が少なくなる前に検討されても良いと思います。

ちなみに当方車両は、31,000km走行の前期型ティプトロニック右ハンドルで285万円強でした。
納車後、タイヤ交換やバッテリー交換等で40万円ほど掛かりました。


◆スタイリング
リア周りは、「不満な点」に記載しましたが、フロント周り～リアにかけての流れるようなラインと、リアのクォーターガラス～リアタイヤ周りのボディのうねりは、洗車しながら見惚れるぐらい綺麗です。
空冷ポルシェに乗ると、ヘッドライト～フロントフェンダーの峰に見惚れてしまいますが、ケイマンは、運転席からサイドミラー越しに見えるリア周りについ目が行ってしまいます。


◆インターミディエイトシャフト（IMS）問題
996や前期の997で起き、購入時の大きな懸念となっているIMS問題ですが、IMSの対策は2005年に全車種で対応されたため、987ケイマンは発売当初から全車対策済との情報があります。
とはいえ、前期型は対策済とはいえインターミディエイトシャフトがあること、また機械である以上、”絶対”はないため、小まめなオイル交換とエンジンの状態チェック、そして冷却水の管理をし、愛車の不調にいち早く気付けるようにすることは必須だと思います。

不満な点

◆ティプトロニック（トルコンAT）
PDKと乗り比べたわけではありませんが、MTと比べると当たり前ですがダイレクト感がない。
急加速するためにアクセルを強く踏んでも、半テンポ遅れて加速する感覚がある。

比べるのもおかしいですが、国産車のATと比べるとシフトショックは少なく、キックダウン時の動作も圧倒的に早いです。
個人的な乗り方としては、急な加速や減速をする前に自分でギア操作をしてストレスを失くしています。

また、アクセルをちゃんと開けて加速している分には良いが、一般道でアクセルを緩やかに踏み込んでいくと、1,800～2,000回転付近のシフトアップするか否かのところで、少しもたつきます。

ティプトロニックは、気を遣わず操縦できる反面、よくも悪くも普通の車という印象です。


◆スタイリング
987ケイマンのリアスタイルと、サイドのエアインテーク（片側は排気）は、個人的にはあまり気に入っていません。
フロントは、丸目に"近い"ヘッドライトと、レトロなフォグランプでまとまっていますが、サイドのインテークは取って付けたようなデザインで、981ケイマンや718(982)ケイマンのサイドインテークを見てしまうと中途半端な印象を持ってしまいます。

リアスタイルは、テールランプが大きく、ナンバー周りがのっぺりとした印象です。また、サイドから見た際に、テールライトがサイドまで鋭く回り込んでいて、丸みを帯びたフォルムとうまくマッチしていないように感じます。
997や991のテール周りが綺麗なだけに少し残念です。（ここは好みだと思います。）

デザイン

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走行性能

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◆安定性
雨の高速道路や、横風の強い湾岸を走っていても、まったく不安を感じないくらい安定しています。
またブレーキも驚くほどよく利くため、常識的な走りをしている限りは、コントロールを失うことはないと思います。
ブレーキが利きすぎるため、後続車を見ながら早めに余裕をもってブレーキを踏むようにしています。


◆馬力と排気量
当方所有は、ケイマンSですので馬力は、295PS/6,250rpmです。出力は十分あり満足していますが、一方で、排気量は3,387ccで、自動車税は58,000円/年です。（地味に痛い）

Sグレードですと、ベースグレードに比べて、ブレーキキャリパーが赤いなど、見た目の優越感がほんの少しありますが、サーキットを走るか0-400をしない限り、一般道で6,250rpmまで回すことはほぼなく、2,687ccのベースグレードでも良かったかな？と思うことがあります。

Sグレードとベースグレードで、足回りのセッティングや一部パーツが異なるといった情報もありますが、細かいところは分かりません。（体感できません）

乗り心地

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◆足回りと車高
987ケイマンは、スポーツカーにしては腰高で、ノーマル状態では、タイヤとタイヤハウジングの隙間も大きく見え少し不格好です。
かといって、中途半端なスプリングを入れて、乗り心地や運動性能を犠牲にしたくないため、ノーマルのまま乗っています。

当方の車両は、PASMなしで、純正18インチホイール装備ですが、他の方のレビューにもある通り、少し足回りが固く、高速道路の継ぎ目で突き上げを感じます。（ジュースを飲んでいると危ないぐらい）

ただ、長く乗り続けることを考えるとPASMなしの方がシンプルで、トラブルも少ないと思います。
ビルシュタイン以外のサスペンションに交換する時も、余分なPASMキャンセラーを買わなくて済みます。

サスペンションを交換する予定がなく、純正のまま街乗りメインで乗る方は、PASM有りの方が同乗者の反応は良いと思います。

グランドツアラーではなく、ピュアスポーツのカテゴリなので、乗り心地を求めるのも間違いですが。

積載性

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◆積載性
これも積載性能を求める車ではありませんが、二人家族なら十分なぐらい荷物が積めます。

987ケイマンを購入する際に、価格の近い997と比較検討しましたが、997（911）はリアハッチがないため、長物が積めず、スーツケースなども後席に積むのは一苦労でした。
ケイマンは、リアハッチが大きく開くため、IKEAで買った家具やカーペットなども、積めてしまっています。
981以降は、リアハッチ内積載スペースの高さが低くなってしまったため、987の方がある程度高さのあるものがリアに積めるため、使いやすいと思います。

また、フロントのラゲッジスペースも大きいため、２泊以上のキャリーバッグの収納や、ホームセンターで買い物した植木鉢などを入れています。

車を２台所有していても、ケイマンで旅行に行きたい際や、お出かけのついでについ大物を買ってしまった際も、積めるのは安心です。

燃費

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◆燃費
燃費を気にする車ではありませんが、スポーツカーの中では良い方で、普段使いも十分可能です。
当たり前ですが、信号待ちや発進時に燃料を多く食うので、都内では6km/ℓを割ることもあります。

逆に郊外にお住まいの方は、一般道でも8～9km/ℓぐらい出るのではないでしょうか。
　・都内下道で6～7km/ℓ。
　・高速道路で10～12km/ℓ。

燃費を気にする車ではないですが、燃費が悪すぎると走っているだけで精神衛生上良くないので、重要な点だと思います。

以前に乗っていたFD3Sは、5km/ℓでした。
（FD3Sも、買い戻せるなら買い戻したいぐらい良い車です）

価格

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故障経験

◆維持費とトラブル
某外車ディーラーで購入後、すぐにポルシェセンターに持ち込み今日までお世話になっていますが、正直ポルシェセンターでの整備は高額です。

しかし、消耗品類は、購入ルート次第では、ディーラーの半額以下で仕入れられるため、自分で交換できるものは極力自分で交換することで維持費を抑えることはできます。

また、トラブルが出る前にパーツ交換していることもありますが、この9ヶ月間でトラブルは皆無です。10年落ちの中古車で、ポルシェセンターの認定中古車でもなかったため、優秀な方ではないでしょうか。

ウォーターポンプが構造上の持病なので、走行距離5万km以降に必ず交換が来ると思います。