プジョー 308 (ハッチバック) 「個性が光る新世代コンパクト」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

一条 孝
一条 孝(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
3
走行性能
4
乗り心地
5
積載性
5
燃費
5
価格
3

個性が光る新世代コンパクト

2022.11.25

年式
2022年4月〜モデル
総評
先代からデザインがガラリと変わり、ライバル以上の存在感を印象づける308シリーズ。居住性も向上し、ラゲッジルームの広さ、使い勝手も向上している。走行性能についてもこのクラスのベンチマークとなるVWゴルフに勝るとも劣らないレベルにある。日本の使用環境で気軽に乗れる大きさではないのが気になるところだが、国産車にはない個性を求めるユーザーには気になる存在ではないかと思う。
満足している点
ディーゼルながらエンジンフィールが滑らかで実用域での静粛性は申しぶんのないレベルにあること。ワインディングロードにおける操縦安定性の高さ、ペースを上げた際に感じられる乗り心地のよさはプジョー車の美点。燃費も期待できるだろう。
不満な点
Cセグメントのハッチバックとしては全幅1850㎜とかなりワイドになっていること。慣れれば問題はないのかもしれないが、気軽に乗れるというサイズではなくなった。立体駐車場に駐車する際は入庫可能なサイズを把握しておく必要がありそう。
デザイン

3

ヘッドランプから伸びる“ライオンの牙”がプジョーならではの表情。シャープなフロントマスクはインパクトがあり、同クラスのライバルが柔和な表情に見えてくるほど。Cセグメントのコンパクトとしてはボディは大きく、1850㎜の全幅はクラス最大となる。ここまでワイド化すると、昔ながらの立体駐車場では利用できない場合もある。
走行性能

4

試乗したのは1.5リッター直4ディーゼルターボを搭載するBlueHDi GT。最高出力130ps/最大トルク300Nmの性能は先代308に積まれていたのと同じものだ。パワーフィールに不満はなく、日常使う領域ではトルクが充実しているので扱いやすい。8速ATとの組み合わせもよく、クルーズ時のロードノイズの小ささも含めて静粛性は良好。加速時のノイズも耳障りではない。
乗り心地

5

標準で225/40R18サイズのタイヤを装着するものの、乗り心地はフラットな印象が強く、居心地はとても楽だった。操縦性についても小径のステアリングを装着しているにもかかわらず、切れすぎるような印象はない。走りのよさと乗り心地のよさが味わえるモデルとなっている。
積載性

5

ホイールハウスやサスペンションの張り出しが抑えられおり、荷室フロアはスクエアな形状だ。また、フロアが低く、天地もあるのでかさばる荷物が積みやすい。412リットルの奥行きはクラストップレベルでVWゴルフの380リットルを上まわる。後席シートバックは6:4分割可倒式を採用。倒した際に段差が多少出来てしまう。
燃費

5

WLTCモード燃費は21.6 km/Lを確保しており、同じディーゼルエンジンを搭載したマツダ3ファストバックの19.8km/Lを上まわるレベルにある。Cセグメントのハッチバックとしては大きく重いボディだが、使用燃料の安さも含めて経済性はかなり期待出来そうだ。
価格

3

GT BlueHDiは416.7万円。装備が簡素化されたアリュールBlueHDiは受注生産モデルで344.1万円と安くなるが、らしさで選べば前者だろう。VWゴルフTDIとは価格設定が近いものの、バリエーションの充実ぶりではゴルフが上まわる。
一条 孝
一条 孝
自動車ジャーナリスト
自動車専門誌の編集&ライターとして活動後、自動車ジャーナリストとして専門誌やWeb、タブロイド紙などに寄稿。運転する楽しさを追求するとともに、環境性能やパッケージングにもこだわりを持つ。これまで保有した車の大半はFRレイアウトのマニュアル車。日本自動車ジャーナリスト協会会員
プジョー 308 (ハッチバック) 新型・現行モデル

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