日産 オーラ e-POWER 「コンセプトはすばらしい」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

瓜生洋明
瓜生洋明(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

3

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
3
積載性
3
燃費
3
価格
3

コンセプトはすばらしい

2023.12.22

年式
2021年6月〜モデル
総評
チープなイメージも少なくないコンパクトカーに対して、サイズ感はそのままに機能装備を追加することで高級車のように仕立て上げるというコンセプトはとてもすばらしいと感じる。一方で、「高級車」とは単に機能や装備に優れたクルマというわけではないし、もちろん、単に価格が高いだけのクルマというわけでもない。そういった意味で、オーラが目指すものが完璧に実現されているとは言い難い。1台のクルマとしてみれば、オーラは必要十分以上の機能装備や質感を誇っていると思うし、コストパフォーマンスも高いと感じる。ただ、それはベースとなるノートの出来の良さに依存している部分でもある。オーラの専用装備やデザインに惹かれたということであれば不満を覚えることもないだろうが、ノートでも満足しているのであればあえてオーラを選ぶ必要はないかもしれない。
満足している点
ベースとなるノートよりもさらにパワフル・トルクフルな走りは、まるでBEVのよう。オーラではBEVであるアリアを意識したデザインが採用されているが、それも納得の乗り味だ。インテリアも、従来のコンパクトカーとは一線を画す質感の高さ。遮音ガラスを採用したことによる静粛性の高さなども含めて、「小さな高級車」というイメージどおりの仕上がりとなっている。
不満な点
ノートとの差別化がもう少しほしい。ノートの出来がすばらしいということもあるが、追加の金額を支払ってオーラを選ぶモチベーションに欠ける。実際に口に出すかどうかはともかく、オーナーが「ノートとはひと味違うんだぜ」と感じるようなポイントがもっとあればと思う。
デザイン

4

ノートとの差別化を図ろうという意志が感じられる。また、上級モデルであるアリアとの関連性を持たせたデザインとすることで、高級感を与えつつ電動パワートレイン搭載車としてのつながりを感じさせるというのも悪くない戦略だ。5ナンバーサイズであることを捨ててまでワイドなボディを手に入れたという点も、思い切りの良さを評価したい。インテリアもノートに比べて上質であるように感じられる。少なくとも、コンパクトカーの中ではトップクラスの質感を誇っていると言ってよいだろう。
走行性能

4

トルクフルでゆとりある走りは、確かに高級車らしさを感じることができる。最高出力136PSへと強化された「e-POWER」は、加速も伸びも十分だ。車両重量はノートとほぼ変わらないにもかかわらず、最高出力は大幅にアップしていることから、日常の使用でパワー不足を覚えることはまずないだろう。特にリアモーターが追加された4WD仕様は、地面に吸い付くような走りを見せてくれる。降雪地域向けのものと思われやすい4WD仕様だが、ひとつの上級装備として、そうした地域に住むユーザー以外にもおすすめしたい。
乗り心地

3

遮音ガラスを採用しているため、ノートと比べても室内の静粛性は高く、特に高速走行時などには快適に感じる。ただ、遮音ガラスはあくまでフロント側のドアガラスのみであるため、後部座席ではそうした恩恵を受けづらい。サスペンションは比較的しっとりとした味付けになっており、不快な突き上げはほとんど感じない。また、リアシートにリクライニング機能が備わっている点もうれしい。
積載性

3

ラゲッジスペースの容量自体は必要十分といったところ。後部座席を格納した際の容量は4WD仕様のほうが若干小さくなっているが、床面はフラットになるのでむしろ大きな荷物を積載しやすいかもしれない。それ以外の収納スペースは一般的なものだが、センターコンソール下の収納は正直使いづらい。
燃費

3

日産の誇るハイブリッドシステム「e-POWER」を搭載しているだけに、燃費性能は高いレベルにある。ただ、強力なライバルが多いカテゴリーだけに、ほかのモデルと比べるとやや見劣りしてしまうかもしれない。もともとの燃費性能が高いのでほとんど気にならないレベルではあるが、ノートと比べるとオーラは出力が向上している分、燃費性能は若干劣っている。ノートとオーラのタンク容量は36リットルとライバルに比べてやや小さいだけに、長距離を走行するユーザーは注意しておきたいポイントだ。
価格

3

ノートを基準にして考えると、オーラの価格は妥当以上であると言える。ただ、それゆえに、ノートの1グレードのような印象を覚えてしまう部分も否めない。むしろ、さまざまなオプションを追加した「極上仕様」にしたほうが、ノートとの違いを感じられて良いのではないかとさえ思う。
瓜生洋明
瓜生洋明
自動車ジャーナリスト
1987年生まれ。大手IT企業や外資系出版社を経て2017年に株式会社ピーコックブルーを創業。現在では平均年齢25歳のメンバーとともに毎月300本超の記事を配信している。愛車のボディカラーを社名にするほどのエンスージアストだが、新しいテクノロジーへの関心も強く、最新モデルは常にチェックしている。
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