EVの真の実力
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レンタカーで借りて乗った時には、その長所として「気持いい発進加速」「走行時停車時の恐ろしいほどの静かさ」を味あうことができた。
2012.3.2
- 総評
- EVの真の実力
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レンタカーで借りて乗った時には、その長所として「気持いい発進加速」「走行時停車時の恐ろしいほどの静かさ」を味あうことができた。
しかし、その本当の長所は別な所にあった。
それは「災害に強い車」であるということ。
災害時に強い車というと、瓦礫を乗り越えられ浸水にも強い大きなタイヤと高い最低地上高を持つオフローダーをイメージしていた。
確かに「短期的」にはその通りだろう。
ちょっとした障害物なら乗り越えて家族の元に帰ることができる。ただ、災害が長期になると、とたんにその燃費の悪さが災いし、燃料を調達できないほどの広範囲な災害ではただの「無用の長物」に成り下がる。
今回の大震災で、関東以北に住んでいる人たちは経験したと思うが、災害時、ガソリンは手に入りにくくなる。直接経験しなくとも、テレビの映像で、いつ入るとも分らぬガソリンを求めて、延々とスタンド前に並ぶ車の列を目にした人も多いだろう。
旬のHVも第3のエコカーといわれる車でもこの状況は免れない。(スタンドに並ぶ回数は減ろうが、並ぶことには変わらない。)
量産車ではEVとPHVのみがこの縛りから解放される。「一番早く回復するライフライン」=「電力」を利用して、動けないガソリン車ディーゼル車HVを尻目に、非常時の日本で活躍することがわかった。(回復に、電気は数日、ガソリンは数週間かかった。)
さらに、EVの巨大なバッテリーを利用して、EVを蓄電池として使おうと三菱自動車は進めている。計画停電がたとえ再開されても、余剰量の多い深夜電力を利用しておけば、最大消費電力を上げることなく、夜間の電力をEVに貯めておいて、計画停電時に冷蔵庫やエアコンを稼働させ、電力消費のピークを抑えることすらできよう。(ただし充電放電の繰り返しでバッテリー劣化は早まりそう―――)
加えて、太陽光発電すれば、更に環境にやさしい。
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- 満足している点
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2台目、3台目として1台自宅に置いておけば、いざという時に、大いに役立ってくれるだろう。
なにしろ首都圏で震度7以上の地震が4年以内に起こる確率が7割ある、東海地方では30年以内に起こる確率が9割弱とか言っている学者さんもいるくらいだからね。買える人は買っとくといいかもしれません。
PHVもガソリンがなくとも充電しEV走行はできるが、その距離は現在では30㎞未満と、あまりにも心もとない。EVは少ないといっても一充電160㎞(ただしカタログ値、現実には100㎞と覚悟しておいたほうがよさそうだ。)コストで考えても、PHV1台買うお金でEVと中古ガソリン車を買う方がよほど汎用性が増すでしょう。
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- 不満な点
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1にも2にも航続距離。
シートヒーターなどを使い極力電力を使わないようにしているが、私の自宅のある北国では厳しすぎる。しかし暖房と入れると航続距離は一気に縮む。
バッテリーの劣化も考慮する必要があるしやはり長距離は無理。近場への往復か非常用というように目的を限定しないと後悔する買い物になりそう。その点では中途半端と言われているがPHVかHVの方が汎用性があろう。
また、EVは走っている時はゼロエミッションビークルと言われているが、電気を作る時に汚染物質を出す。原子力を使えば温暖化ガスや有毒ガスはほとんど出ないと言うが、今回の震災で世界に恐怖をもたらす恐ろしい発電方法であることが証明された。
火力発電主体でもエネルギー効率ではガソリン車より有効であろうが、コストという点では、電気料とガソリン代の差額で車両価格差を埋めることは現実的には無理であろう。
あの日からまもなく1年が経とうとしている、
EVはまだまだ発展途上の道具であろうが、非常用の人・物資運搬車として、そして非常用電源として、非常に役立つだろう。
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- デザイン
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