■「取ってつけた感」スゴイが技術は現代に活きた
国内最大の自動車展示会「東京モーターショー」ではこれまで、さまざまな新型車やコンセプトカーが発表されました。次回の開催は2023年10月を予定していますが、新たに「ジャパンモビリティショー」として生まれ変わります。
そんな東京モーターショーのなかでも、14年前となる2009年の第41回で三菱が初公開した「i-MiEV CARGO」を紹介します。
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2009年10月24日から11月4日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で第41回東京モーターショーが開催されました。
2009年は、2007年の米国リーマンショックを起因とする不況が継続しており、米国ビッグ3の自動車メーカーであるGM(ゼネラルモーターズ)、クライスラーが経営破綻するなど、クルマ業界全体が不景気の逆風にさらされた中での開催となりました。
三菱では、2台のコンセプトカーを含む計16台を展示。そのなかの1台に軽バンタイプのコンセプトカーi-MiEV CARGO(アイミーブ カーゴ)を世界初公開しました。
ベースとなったのは、2009年6月に発表された世界初の量産EV(電気自動車)「i-MiEV(アイ ミーブ)」。2006年に登場し、斬新なリア・ミッドシップレイアウトを採用したガソリンエンジンの軽乗用車「i(アイ)」シリーズに属します。
アイミーブ カーゴのボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1860mmで、ホイールベースは2550mm。乗車定員は2名です。
エクステリアはフロントドアまではiの特徴的なラウンドフォルムを持っていますが、ハイルーフとなっているほか、車体後部には三菱の軽商用バン「ミニキャブ」のテールまわりをそのまま付け足したようなスクエアなデザインを持ち、丸と四角を組み合わせた斬新なものとなっています。
サイドにはMiEVの文字とともに、その正式名称である「MITSUBISHI INNOVATIVE ELECTORIC VEHICLE」のデカールが施され、ミニキャブと同一デザインのテールゲートにも同じデザインのデカールを貼付。
スクエア部はフリースペースとなっており、室内は幅1350mm×奥行1180mm×高さ1100mmの広い空間とフラットな床面、荷物の積み下ろしができる高さのフロアを持つことで、ビジネスシーンだけでなく趣味やレジャー用途にも対応できるといいます。
パワーユニットは永久磁石同期モーターにバッテリーを組み合わせ、最高出力47kW(64馬力)・最大トルクは180Nmとi-MiEVと同一であることから、同じものを搭載しているとみられます。
軽バンとしては奇抜なデザインで斬新かつ意欲的なモデルでしたが、直接的な市販モデルは登場していません。
その一方で、アイ ミーブで培われた知見・技術はブラッシュアップが進み、現在の三菱においても大きく活かされています。
特に三菱の主力SUV「アウトランダーPHEV」に加え、2011年に市販化され現在も販売を続ける軽ワンボックスバン「ミニキャブ MiEV」は国内メーカーで唯一の軽商用EVとして販売されているなど、アイ ミーブとアイ ミーブ カーゴ両者の発想は色濃く残っています。
※ ※ ※
このアイ ミーブ カーゴのように市販化が叶わなかったものの、後に登場する市販車に一部の機能やデザインが活かされているケースも数多く存在します。
59年ぶりに名称が変更されて新たに生まれ変わるジャパンモビリティショーでは、新時代のクルマへ大きな変化をもたらすコンセプトカーの登場に、ますます期待が膨らむばかりです。
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みんなのコメント
同じ三菱で言えばミニカトッポ。
未来ではなく過去を感じさせる仕様だね。